2023年10月初旬。念願かない、自分のバイクを手に入れた。今年発売されたばかりの新車、HONDA CL250である。
Rebel 250のエンジンとフレームをベースに、オンロード・オフロード両用のスクランブラースタイルに仕上げたバイクで、このバイクを選んだ理由は、スクランブラーらしいアップタイプで既にカスタムされたかのようなマフラーだ。
スロットルを開けた時のエンジン音も水冷単気筒とは思えないほど心地良く、我ながら良いバイクに巡り会えたと思う。そんな愛車で早速ソロツーリングに行ってきた。今回は2023年秋と冬のソロツーリングで訪ねたスポットやそこでの思い出について紹介したい。
初ソロツーリングは舞子公園へ(神戸市垂水区)
2023年10月下旬。初めてのソロツーリングで向かったのは、神戸市垂水区の兵庫県立舞子公園で、ここには以前車で行ったことがあった。ふと海が見たくなって、あそこなら海が見えると思いバイクで行ってみることにしたのだ。下道で約1時間半の道のりである。
舞子公園の手前、JR須磨駅前を通り過ぎたあたりから国道2号線は海沿いに出る。ここは須磨浦の風を浴びて走ることが出来る爽快感溢れる道だった。私なりのおすすめツーリングスポット認定である。もちろん安全運転でだが。
明石海峡大橋が見えてきた手前にあるのが舞子公園である。舞子公園に隣接するアジュール舞子の駐輪場にバイクを停め、公園内に入ると広大な松林が出迎えてくれた。ここはかつて「舞子浜」と呼ばれた場所で、歌川広重の浮世絵や志賀直哉の小説『暗夜行路』にもその景色が描かれる美しい白砂青松の名所であった。公園として整備された今も、広い松林は残っている。「舞子浜」の名所としての歴史を感じることができる。
松林を抜けると視界は一気に開けて、明石海峡の海が見渡せる絶景。海峡の向こうには淡路島が見え、そこに向かって明石海峡大橋が頭のほぼ真上を通って架かっている。こんなに海と明石海峡大橋を間近で見たのは初めてだった。
引き続き舞子公園内を散策する。公園の海沿いに、レトロな3階建ての八角形の建物があった。この建物の名前は移情閣。
元は大正4年に神戸の貿易商・呉錦堂が別荘として建てたもの。かつてここを中国辛亥革命の中心人物である孫文が訪れたことから現在は孫文と日本、神戸に関連する資料を展示する孫文記念館となっている。入館料は大人300円、小中 高生以下は無料。
かつて大学で日本史を専攻していたこともあってか、歴史好きの血が騒ぐので記念館を見学してみることに。館内は貴重な資料が詳細に解説されており、非常に興味深く建物内のデザインも美しい。東洋と西洋の芸術が上手く調和していて洋館でありながら、天井に龍の装飾が施されている場所が特に印象的だった。
2階へ続く階段に窓から日が射して、ノスタルジックな雰囲気はまるでタイムスリップしたようだった。 ツーリングの最後に舞子公園まで来た記念として、バイクと絶景を写真に収めてきた。
このアジュール舞子の駐輪場は防波堤ギリギリのところにある。海とバイクを同時に撮ることの出来る良いフォトスポットである。皆さんもバイクで訪れた時はぜひここで写真を。
秋の京都ソロツーリング〜南禅寺と水路閣
時期は進んで、秋深くなってきた11月中旬。バイクに乗って本格的に秋を感じたいと思い立ち、京都・南禅寺を目的地にしてソロツーリング決行。名神高速に乗って一路京都方面へ向かう。桂川SAで休憩をとっていよいよ南禅寺へ…と思ったが、お昼の時間が近いので腹ごしらえも兼ねて寄り道することにした。
近くの美味しくて評判の良いご飯屋さんを調べると、京都を越えて滋賀県の大津に美味しいとんかつ屋さんがあるとのことなので行先はすぐに決まった。京都南インターチェンジを通り過ぎ、京都東インターチェンジから湖西道路で滋賀・大津へ入る。京都と滋賀の府県境のトンネルを抜けると景色が開け、琵琶湖とその湖畔に広がる大津の街並みが見えた。お目当てのお店はもうすぐだ。
到着したのは、大津市役所前にある「とんかつ棹」というお店。まだ開店したばかりで、幸いなことにスムーズにお店に入ることが出来た。熟成ロースかつ御膳(1,980円【税込】)をいただいた。とんかつは衣がサクサクでしつこさが無く、柔らかくジューシーなお肉で絶品だった。
こちらのお店は無料でご飯とお味噌汁のおかわりができる。とんかつのあまりの美味しさにご飯をおかわりしてしまった。優しい味のお味噌汁もこの御膳の中で良い仕事をしている。特にバイクに乗って冷えた身体には沁みる美味しさで大満足のお昼ご飯。
食事を済ませ、京都方面へUターンする。湖西道路から国道1号線と三条通を経由して、ようやく南禅寺へ到着。南禅寺は臨済宗南禅寺派の大本山。京都に数多ある寺社仏閣の中で、この南禅寺が一番好きなお寺である。行先をここにしたのもそれが理由だ。
そんな南禅寺で一番好きな場所、それはこの水路閣だ。南禅寺の境内にはかつて琵琶湖から京都市内へ水を引いていた琵琶湖疎水が流れており、その水路が水路閣として現存している。中世日本を代表する寺院の境内にそびえるレンガ造りの近代的建造物。ミスマッチのようで調和している唯一無二の魅力的な光景である。
南禅寺と言えば、南禅寺三門も見どころの一つ。紅葉とともに写真を一枚。
三門の上からは緑と紅葉に包まれた境内と京都市内が一望できる。この日は秋を全身で360度から受け止めるソロツーリングとなった。
近場でバイクを楽しむ
港町の神戸へ
京都へ行った約1週間後に向かったのは、神戸。伊丹から国道171号線と国道43号線で約1時間の下道ツーリング。神戸と言えば、やはり神戸港とポートタワーだ。神戸のシンボルをバックに愛車をパシャリ。
まだ工事中だったのが、少し残念。港町ということで船もたくさんあり、学生時代からよく遊んでいた街だで、いつ行っても、どこを撮っても、そしてバイクで来ても、画になる街だと改めて感心させられた。
西宮・甲山の絶景へツーリング
そして最後は12月中旬に少し近場でツーリング。その日は午前中に用事があり、午後からの出発でショートツーリングとなった。
行先は兵庫・西宮市の甲山。大学時代、地元から西宮のキャンパスに通っていた私にとっては見慣れた山だが、行くことはあまり無かったので、行ってみることにした。
最初に向かったのは、甲山森林公園。展望台に行ってみた。北は五月山、南は大阪湾と泉南地域まで見える大眺望だ。この日は好天で東方向にはあべのハルカスと生駒山、大阪国際空港へ着陸態勢に入る飛行機の姿も見えた。関西をぎゅっと詰め合わせた光景で、いつまでも眺めていられた。
公園のすぐ近くにある甲山大師の名でも知られている神呪寺にも寄り道をした。山門から石段を上がった頂上で振り返ると、参道と西宮市街・大阪湾が一直線に並ぶ良い眺め。一緒に写した紅葉はやや色褪せて、冬の到来を知らせていた。
境内のはずれに展望デッキがあり、こちらからも素晴らしい景色を見ることが出来た。展望デッキの横には鐘楼があった。大きな釣鐘がかけてあり、青空に良く映えた。
この日は良い景色とそこにある季節の移り変わりを見つけた一日だった。愛車も急な坂道をよく走ってくれた。お疲れさま!
おわりに…
今年2023年は京阪神エリアの割と近場を走った。来年はそのエリアを飛び出し、紀伊半島や四国、九州を走ってみたい。いつかは日本全国制覇。密かな野望を胸に、愛車と共に過ごしていく。
皆さんもおすすめのツーリングスポットがあれば、是非とも教えてほしい。