あなたはどっち派?ソロツーリングvsマスツーリング

今年初めてのマスツーリングに行ってきた。朝の8時に集合したのだが、気温は5℃ぐらいなのでクッソ寒い。日中には12℃ぐらいまで上がったが、それでもバイクで走って風を浴び続けていると当然鬼のように寒い。ただ、年齢性別関係なくバイクが好きな者同士で一緒に走るのは楽しい。

僕はもっぱらソロツーリングが多いのだが、月に1度程度はマスツーリングにも出かける。どちらが好きかと問われると悩ましいところだが、どちらにもメリットとデメリットがあるので答えに困る。

僕が所属しているツーリングチーム(チームというほど大それたものではないが)は、ほぼオジサンで構成されている。まあ、世の中のツーリングチームはほぼオジサンだと思うが。ところが最近、若い女子も参加するようになってきた。とはいえ、メンバーの娘さんだったり、知り合いの娘さんなのであわよくば的な下心は御法度な女子だ。

そしてこのメンバーのオジサンたちは、行きつけの「立ち飲み屋」の常連オジサン達である。なので気心知れたメンバーばかりで集まって走っているから、気楽だし楽しい。これがツーリングの時にだけ会うメンバーばかりなら気を使うし楽しさ度合いも違ってくるのだろう。

目次

全てを共有するマスツーの楽しさ

マスツーリングの楽しさとは何か?を考えてみると、「共感」ではないだろうか。行く先々で絶景を見た時、「すげえ〜!」と声に出して目の前の景色に対する感動を共有できることが楽しい。走行中のインカムでの会話も楽しいものがある。一昔前には考えられなかったが、インカムがあるのと無いのではマスツーの楽しさ度合いに天と地ほどの差が出ると思う。インカムが無ければ、マスツーしていても走行中は一人で走っているみたいなもので、ソロツー同然になってしまう。それがインカムがあるだけで一体感が生まれるのだから、この時代のマスツーにインカム無しは考えられない。

よく、10台とか20台とかのマスツーをしてきた!とかいうポストをSNSで見かけるが、インカムはどうしているのだろうか。もちろんBluetoothで繋がる台数でもないし全員が同一機種のインカムを持っているとも考えにくい。だとするとLINEのグループ通話で繋いでいるのだろうか。
僕もLINEのグループ通話でツーリングをすることがよくあるが、ノイズがひどい時もあるし、山間部に入ると電波が途切れて会話しづらい時もあるのでLINEも良し悪しだ。どこぞのメーカーが、どの機種でもサクッとボタンひとつで繋がるインカムを開発してくれないだろうかと密かに待ち望んでいる。

闘竜灘

話が逸れたので元に戻す。マスツーの楽しさは「共感」にあると思うが、インカムだけではない。食事をする時でも、その場で「美味い!」を共有できる。食事中の会話も楽しむことができるし、ひとりだとただ食べて美味しさを静かに噛み締めるだけしかできない。観光スポットに行ったとしても、一人では入りにくいお店に入ることもできるし、お互いに写真を撮り合うこともできる。要は全ての行程に皆で共感しながらツーリングを楽しむことができるのだ。

ソロツーの楽しさ

では、ソロツーリングの楽しさとは何だろうか?

それは「自由」ということに尽きると思う。もうこれは言葉そのままで今更説明する必要もないだろうが、何時に出発しようが、どこに行こうが、どの道を走ろうが、どんなスピードで走ろうが、途中で寄り道しようが、何を食べようが全くの自由だ。とにかく気楽なのである。

ソロで針テラス

明日はツーリングに行こう!と決めていても、二日酔いだから「やーめた!」と急に身勝手な理由で予定を変えることだってできる。誰にも何も言われることはない。絶景ポイントで急に立ち止まってボーッとすることもできる。
面白そうな脇道を見つけたら急に進路変更して冒険することもできる。

ひとりでバイクに乗っていいると、自ずとひとりの世界に入り浸ることができる。僕は独り身なので家でもひとりなのだが、バイクに乗っている時の「ひとり」と家の中での「ひとり」にはもちろん違いがある。それが、家族と暮らしている人なら「ひとり」感が尚更強いことだろう。このひとりの時間を楽しむのがソロツーリングの醍醐味でもある。

ヘルメットに包まれている閉塞感はあるものの、風と匂いと気温を直に感じながら走るのは開放感に溢れている。エンジンの鼓動に耳を傾け、機械を操っているんだという感覚が身体中に伝わってくる。そんな中、当然安全走行に気を配りながらも頭の中では色んなことを考えている。カッコよく言わしてもらうと、僕にとっては貴重なクリエイティブの時間なのだ。この自由と開放感がいっぱいのソロツーリングはやっぱり好きだ。

マスツーのめんどくさいところ

マスツーもソロツーも楽しいが、やっぱり「ちょっとな・・・」という点もある。本記事のタイトルは「どっちが楽しい?」としているのでどこかで優劣をつけなければならない。なのでお互いのデメリットも述べていきたい。

マスツーをしていてめんどくさいところの一つが、事前にある程度「打ち合わせ」が必要なことだ。
まず日程を調整しなければならない。これが最大の難関ではないだろうか。それなりのオジサンともなれば仕事にプライベートに家庭にと忙しいものである。さらに仕事によって休みの日も違ったりする。全員が土日休み、なら調整もしやすいだろうが各々バラバラだと合わせにくい。誰かがOKでも誰かがNGみたいな日が多いので、仕方なく行ける人だけで行くこともある。全員が参加できるというのは稀だ。

道の駅みつで休憩

次に「どこに行くか」目的地を決めることだ。これもめんどくさい。それぞれ行きたい場所、行ってみたい所を好き勝手に言うのでまとまらないことが多い。大抵は年長者が「ここにしようか」と言うと決まるのだが、そこに辿り着くまでに時間がかかる。

さらに目的地までのルートを決めなければならない。高速を使うのか下道で行くのか、国道を走るのか峠を攻めるのかなど。休憩するにしてもある程度タイミングを見ての休憩になるし、途中で給油する時も、トイレに行く時もイチイチ全員で行動することになる。あ、この景色いいな!写真撮りたいな!と思っても勝手に止まるわけにはいかない。
それが協調性なんだよ、と言われてしまうとそれまでの話なのだが、仕事でもないのに気を使うのはちょっとしんどいと思う時もある。

みんなで走るのも楽しいが、それなりにめんどくさいこともあるのがマスツーだ。

ソロツーの孤独感

ではソロツーのマイナスポイントは何だろうか。それは「ひとり」を楽しむ代償として「孤独」が常に付き纏う点ではないだろうか。

マスツーの楽しさで述べた「共感」とか「共有」ができない孤独さがある。美味しいものを食べても「これめっちゃ美味い!それはどう?」と言うことができない。美しい景色を見ても「すげえ〜!」と言い合うことができない。暑くても寒くても黙々と噛み締めながら走るしかない。できるとすればSNSに「美味かった!」と投稿するだけ。

道に迷っても一人で解決しなくてはならない。バイクが故障なんてしてしまった時にもひとりで解決する必要がある。街中で故障したならレッカーを呼びやすいかもしれないが、山の中だと不安でしかない。
ベテランのおじさんライダーには無縁かもしれないが、立ちゴケをしても恥ずかしさを笑いに変えることもできないし、頑張って一人でバイクを起こすしかないのだ。

コンビニでひとり休憩

そして僕が今のところソロツーで一番困っているのが、どこでも気軽に立ち寄れる反面、ひとりでは行きにくい場所があることだ。例えば、美味しそうなパンケーキのお店とか。おじさんばっかりで行くのも辛いものはあるが、赤信号みんなで渡れば怖くない的な心境でマスツーだと行くことができる。「こんなオシャレな店にオッサンばっかりとか他にいないよなw」と笑いながら入れる。でもひとりだとそうはいかない。もし世の中に、おじさんひとりでも、そのように女子が集まるようなオシャレなカフェなんかに入れる人がいたら、その度胸を分けて欲しいものだ。

結果、どっちが楽しいのか?

ここまで読み進めてもらったのに申し訳ないが、今の僕には勝敗をつけることはできない。それぞれ楽しいし、それぞれ困ることもある。一長一短といったところか。

回数的には圧倒的にソロツーリングの方が多いが、やはりマスツーも楽しいものがある。そして、マスツーが定期的に出来ることは有り難い。バイク友達がいなかったり、仕事の関係で遠くに引っ越して間もない人たちからしたら羨ましいと思われるかもしれない。マスツーに行きたくても行けない人からしたら幸せだ。

なのでマスツーができるうちは、マスツーも思う存分楽しみながらソロツーも楽しんでいきたいと思う。

ただ、僕はモトブログもやっているのだが、撮影の時は必ずソロツーと決めている。マスツーでインカムが繋がっている中、撮影用に喋る勇気は今のところ僕にはない。

結局のところ、マスツーとソロツー、どっちが楽しいか?なんてライダーにとって永遠のテーマなのかもしれない。

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この記事を書いた人

本メディアの運営者。久しぶりにバイクに乗るために、古物商許可を取得しバイクオークションを始める。兵庫県在住、猫2匹と暮らすリターンライダー。愛車はCB400SF NC31 Version-S→CBR954RR(現在)
バイカーの皆様にとって楽しく役に立つメディアを目指し現在奮闘中。

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