リッターSSに乗り始めて、もう1年が経とうとしている。大型二輪免許を取得して初めて購入した大型バイクが、CBR954RRファイアーブレードだ。僕のバイクは2003年モデルだから、2024年現在だと21年前のバイクで「旧車」と言われてもおかしくない部類だ。
乗り初めこそ、乗り方や姿勢に手こずったものの、最近では愛着が湧いてきてしばらくこのバイクと共に走ろうと思っているので、改めてインプレッション的な記事を書いてみることにする。
乗り出しのインプレッションは過去記事にあるので併せて読んでみてほしい。
長時間できるだけ楽に乗るコツ
過去記事にも書いたが、このCBR954RRというバイク。FIは備わっているが、他の電子制御は一切なし、鬼の前傾姿勢に激重クラッチがデフォルトなので、まあしんどい。気持ちよく楽しかったと言える距離はせいぜい往復200kmぐらいまでだ。それ以上になると、身体の至る所が疲れてくる。
それでも乗り始め当初に比べると、乗車姿勢のコツみたいなものが分かってくる。コツといっても、ニーグリップで下半身を支え、腹筋と背筋を使って前傾姿勢を保つことだ。前傾姿勢が強いポジションだからといって、肘をピンと伸ばしてハンドルに荷重をかけ続けていようもんならすぐに手のひらと手首が痛くなるし、肩も痛くなってくる。とにかく下半身で上半身を支えるよう姿勢を保ち、肘を軽く曲げた状態で乗らないと長距離はきつい。
さて、激重クラッチはどう克服するのかというと、これはもう慣れるしかない。渋滞なんかにハマるとクラッチが重すぎて途中から握力が無くなるほどに重かったのだ。それでも乗り続けていると、自然と筋トレ効果が生まれるのか、近頃ではそこまでクラッチを重く感じることはなくなった。(コッソリ家で握力を鍛えていたのは内緒にしたい)
そのクラッチが重いせいで左手首に変な負担がかかり、手首を痛めることも多かったが、最近は大丈夫だ。
クラッチに関してのコツは無く、気合いとしか言いようがない。
生意気にも物足りないと感じることがある
そんな身体に厳しいバイクだが、もちろん楽しいところの方が勝っているから乗り続けている。
一番の楽しさは、そのパワーだろう。
国産モデルをフルパワー化しているので、おそらく馬力は150ある。945ccで150馬力、重量はなんと190kg程度しか無いのでパワーウェイトレシオは、1.26ぐらい。まあ、速い。
サーキットユースも考えられて設計されていると思うので、低速トルクはそこまで強くないが、高回転に入った時の伸びは恐ろしいほどだ。現行のリッターSSに比べるとそれでも遅い方だが、公道を走っている分には十分すぎるパワーを持っている。
峠を走らせても、カーブでヒラヒラ倒れるし、立ち上がりも強烈で間違えてアクセルを全開にでもしようもんならリアが滑るかウィリーしてしまうかどっちかだろう。
それでもだ。それでも慣れてくると物足りないと感じることがあるから不思議だ。一応言っておくが、物足りない=乗りこなしている、というわけではない。峠のカーブの立ち上がりなんてアクセルをじんわり開けることしかできないぐらいに乗りこなせていない。
これ以上のパワーとスピードを有するバイクに乗ったところで、到底今より速く走ることなんて出来ないだろうが、たまにもっと速く!と思ってしまうことがある。あくまでも、田舎の交通量がほとんどない見通しの良い道なんかで、たまにアクセルを回した時の話なので、大目に見てほしい。
というわけで、今は着々とサーキット走行に向けて準備を進めている、これから寒くなるので春頃にはサーキットデビューしてみたいと考えている。サーキットで思いっきりアクセルを回して、このCBR954RRのポテンシャルを可能な限り引き出してみたい。
見た目の好み
実はこのバイク、前から見たフロントカウルのデザインはあまり気に入っていない。なんとなくシャープさにかける気がするのだ。気に入っているのは、やや後方からの眺め。特徴的に突き出したテールカウルと、純正だともっと大きいが、社外品のスッキリとしたサイレンサー、赤と黒のコントラストが個人的にカッコよく見える。
前から見ると20年前のデザインというのも納得だが、横や後方から見たそれは現行バイクのデザインにも負けず劣らずなのではないかと思っている。
先日、とある道の駅で、おばちゃんに「かわいいバイクやね〜」と言われた時にはちょっとびっくりしたが、その時はそれだけ特徴があるのかと一人納得していたのを思い出した。いまだにどういう意味で「かわいい」と言ったのか不思議に思っている。
音の好み
購入した時は、おそらく前の持ち主がサーキット走行に使っていたのか、インナーサイレンサーが付いておらず爆音だった。これでは車検に通らないと重い、インナーを付けて車検に通し、そのまま今も乗っている。
静かではないが、めちゃくちゃ煩くもないし、程よい感じの排気音は気に入っている。4気筒ではあるが、例えばネイキッド系のバイクによくある重低音がする排気音ではなく、軽い感じの排気音でいかにも速そうな音がする。欲を言えば、Moto GPのマシンみたいな音がいいが、それだと街乗りできないし仕方ない。
HONDAのバイクの特徴でもある、シュインシュインというエンジン音も僕は好きだ。重低音が響く排気音もかっこいと思うが、僕は速そうな音、の方が好みのようだ。
エンジン音はショート動画をアップしているので参考にどうぞ。
排熱がエグい問題
リッターSSに乗っているなら仕方がないのだが、とにかく排熱が凄まじく熱い。このバイクを購入したのが寒くなり出した11月ごろだから、しばらくは排熱が少し熱いな・・・程度にしか思っていなかったのだが、暖かくなりだしてきた頃にはもう熱くてニーグリップができない程になってきたのだ。
これをどう解決するかだが、以下の3つしか解決策はない。(個人調べ)
1、インナーヒートガードを履く
2、ヒートガード付きのパンツを履く
3、レザーパンツを履く
まず、1のインナーヒートガードは、実際に僕も購入して履いてみた。これはそこそこの効果ありだし、値段も一番安いので試す価値はあると思う。過去に記事にもしてるので参考にしてほしい。
2のヒートガード付きパンツは、色んなメーカーから販売されているが、お値段がそこそこに高い。安くても2〜3万円は覚悟しておいた方がいいだろう。これについては試してないので、なんとも言えない。
3のレザーパンツがおそらく一番効果は高いと思う。僕はレザーのレーシングパンツを購入して履いてみたが、排熱の熱さはほとんど感じないくらいに快適に乗ることができた。
ただ、これは走るだけなら安全性能も抜群だし最高のパンツなのだが、ツーリング時に履くと急に用を足したくなった時(大の方)に非常にやりにくいのが難点だ。
この3通りの解決策、排熱の熱さは防ぐことができても、夏の暑さはメッシュパンツなどと比べようもない程に暑いし蒸れる。暑さと熱さ、どっちを取るかは自由だが、ニーグリップできないとなると腕で上半身を支えることになるのでライディング的にも良くないし、疲れるので僕は暑さは我慢して熱さを防ぐという選択をしている。
まだまだ走れると思うし、走りたい
1年で約1万km走り、もうすぐ総走行距離が60,000kmに到達しようとしている。中古バイクで6万kmというと、それなりの距離なので市場価値は下がっていく一方だが、性能的にはまだまだ走ると思っている。
クーラント液がじんわり漏れて、ラジエターホースを交換したりしたが、他は普通のメンテで済んでいる。オイル交換も3,000kmごとにしているし、エレメントも2回に1回は交換している。タイヤも交換したし、ブレーキパッドも交換した。チェンシコもこまめにしているし、とにかく新しいバイクではないのでそれなりに気を使っているところはあるが、まだまだスムーズに走ってくれる。
いつまで乗るのか?と問われると答えは出せないが、少なくともあと1万kmや2万kmは乗り続けるのではないかと思う。荷物があまり載せれないが、長距離の泊まりツーリングもまだまだ行きたいし、このバイクと共にいろんな景色を眺めたいと思っている。もう中古市場で価値が無くなったら、サーキット用にナンバーを外して所有しておくのもありかなとも思っている。(駐車場問題があるが・・・)