ライダーの皆様、イタリアンバイクに興味がありますか?
イタリア産のバイクと聞いて、まず思い浮かぶのは「ドゥカティ」ではないでしょうか。
「ドゥカティ」には赤くて速いバイクというイメージがあるかと思います。私自身、ドゥカティの900SSと848EvoコルセSEというバイクを2台乗り継いできましたが、ドライビングプレジャーを強く感じることができるドゥカティのマシンが大好きです。
でもドゥカティってバイク初心者には、敷居も値段もお高いバイクじゃないの?と考えると思います。
確かに、パニガーレV4、ストリートファイターV4Sなどのフラグシップ・バイクはそうかもしれません。
しかしながら、ドゥカティの中にもバイク初心者でも乗りやすい車種がいくつかあります。そこで今回は私が選ぶ「バイク初心者に乗って欲しいドゥカティのバイク4選」を紹介させて頂きます。
ドゥカティの歴史
まず車種を紹介する前に、ドゥカティの歴史について少し知ってもらいたいと思います。
1926年イタリアの地方都市ボローニャで、アドリアーノ&マルチェロ・ドゥカティの兄弟が電子部品の会社を設立したのが、ドゥカティの始まりだと言われています。
そして第2次世界大戦終戦の翌年1946年に、初めて二輪車の製造がスタートしました。
転機となったのが1970年代初旬、ドゥカティの代名詞であるL型2気筒エンジン(通称Lツイン)が誕生したことでした。その後。Lツインエンジンを搭載した数々の名車が生まれ、現行車にも使われています。
ちなみに2018年からドゥカティも4気筒エンジンを採用したバニガーレーV4をリリースし、現在に至っては4車種に4気筒のモデルが存在しています。
バイク初心者に乗って欲しいドゥカティのバイク4選
ドゥカティの歴史を簡単に学んだところで、いよいよ本題に入っていきます。バイク初心者や女性に乗って欲しいドゥカティのバイクを現行モデルから3台、中古車から1台紹介していきたいと思います。
モンスター(937)プラス
まずは1992年に初代モンスターが発売して以来、約30年にも渡ってロングセラーを続けるドゥカティ・ネイキッドスポーツの現行モデル、モンスター(937)プラス。
このバイクの初心者お勧めポイントは何と言っても軽さと足つきの良さです。
乾燥重量(ガソリンを入れる前の重量)はなんと166kgで、大型バイクでありながら国産の400ccクラスよりも軽いのです。
バイク乗りは軽量化に勤しむ人がいるなど「軽さが正義」と言いますが、大型ネイキッドバイクで166kgは驚異的な数字です。
それに加えてシート高は775mmで足つき抜群です。この2点だけでも乗りやすいのですが、水冷4ストロークLツインエンジンを搭載し、最高出力は111馬力・最大トルクは93N・mを誇ります。
つまり軽くて、足つきが良くてパワー&トルクのある、初心者にも優しい最強のバイクです。
そしてモンスターのもう一つの特徴は、デザイン性の高さですね。そこはイタリアンデザイン、所有欲を満たしてくれる一台だと思います。
ちなみに新車価格は¥1,520,000~と手の届きやすい値段設定です。大型二輪最初の一台は、イタリアンレッドのモンスタープラスに乗ってみてはどうでしょうか。
スクランブラーアイコン
2台目に紹介するのは、ドゥカティのネオクラシックラインとして人気のあるスクランブラーの入門モデルであるアイコン。
スクランブラーとは、路面を選ばず様々なシュチュエーションで活躍してくれるクロスオーバーなバイクのことです。
アップライトなポジションで非常に乗りやすく、ブロックタイヤを履いているので少々の悪路でも走ることができます。そしてモンスター同様に、軽さと足つきにも定評があります。
乾燥重量173kg・シート高798mmで、低身長の方や女性にも優しい設計になっています。
そしてドゥカティの現行モデルでは唯一空冷エンジンを採用しており、そのシンプ ルな構造と空冷特有のエンジンサウンドが心地よい一台です。
空冷4ストローク803ccのLツインエンジンは、最高出力73馬力を誇りますが、ゆったりと走って楽しいマシンに仕上がっています。
そしてスクランブラーアイコンは、タンクカラーをレッド・イエロー・ブラックから選択でき、新車価格も¥1,278,000と比較的リーズナブルなところも魅力です。
スーパースポーツ950S
やっぱりドゥカティと言えばスーパースポーツ(以下SS)バイクに乗りたい、けれどパニガーレにはとてもじゃないけど乗れないという方にオススメな一台が、スーパースポーツ950Sです。
確かにパニガーレはハイスペックすぎて扱いづらく、ポジションもかなり前傾になり長時間運転には適していません。
スーパースポーツ950Sは、SSバイクに初めて乗るライダーや初心者に大変優しい、普段乗りできるマシンに仕上がっています。
乗りやすい理由の一つとしては、セパレートハンドルでありながらハンドル位置がアップライトなので、体勢が楽なことでしょうか。そして シート高はSSバイクとしては低めの810mm、乾燥重量は184kgと扱いやすい車格です。
もしかしたらSSバイクと言うよりは、高速ツアラーとしての位置付けの方が正しいのかもしれません。
このスーパースポーツ950Sは4年前にリリースされたスーパースポーツ950の上位グレードなのですが、前後の足回りにオーリンズを採用し、6軸IMU(*)、コーナリングABSやトラクションコントロールなど電子制御機能が盛り込まれています。
そしてパニガーレを彷彿とさせる見た目のカッコ良さや、バイクを操ることの楽しさは、入門SSバイクとしては申し分ないスペックです。新車価格は¥1,940,000~からですが、できれば上位モデルの950Sに乗って欲しいと思います。
*6軸IMU:「前後」「左右」「上下」の3軸方向の加速度と、「ピッチ」「ロール」「ヨー」の3軸方向の角速度を検出し、その情報を瞬時にIMU(慣性計測装置)に取り入れ、エンジンと車体挙動の制御を行いながら走りをサポートすること。
パニガーレ899
スーパースポーツ950Sもいいけど、ドゥカティ乗るならやっぱりパニガーレという方は、中古車になりますがパニガーレ899は如何でしょうか。
2014年に発売を開始したパニガーレ899は、当時フラグシップモデルだったパニガーレ1199の手法で作られたミドルクラスSSバイクでした。
ドゥカティ伝統の水冷4ストロークL型2気筒・デスモドロミックエンジンを搭載し、最高出力118馬力(日本国内仕様)を誇るスーパースポーツです。
日本の公道を走るなら、リッターSSバイクよりもミドルクラスのSSバイクの方が走りやすいと言われています。
899はまさにパニガーレの入門編的なスポーツバイクですが、販売から時間が経っていることもあり中古市場にそ こそこ流通しています。
値段も100~130万円くらいで手に入る車両があるので、状態の良さそうなパニガーレ899を見つけて自分なりのカスタムをしていくのも楽しいかと思います。
私の友人も、新車で購入した白のパニガーレ899をカスタムしながら、8年間乗っています。またドゥカティは輸入バイクの中では、比較的販売台数が多いので、899以外にも中古市場で良い出会いがあるかもしれません。
バイク初心者がドゥカティに乗る上での心得
次に、バイク初心者がドゥカティに乗る上での心得を述べたいと思います。
やはりイタリア産のバイクなので、国産と違って壊れやすいとか修理代が高いとか心配事がありますよね。
個体差や乗り方にもよりますが、ドゥカティは国産バイクに比べて壊れやすく、維持費も少し高くなります。特にスーパースポーツ系のドゥカティは日本の渋滞などを考慮しておらず、低速で走るのに適していないため、より壊れやすいかもしれません。
そんな大変なドゥカティを何故勧めるのかと言うと、国産にはない走りの楽しさ、鼓動感、良い意味での荒々しさ、デザイン性を持っているからに他なりません。
ドゥカティに乗るなら、少し寛大な気持ちとお金を用意して、素敵なバイクライフを謳歌して欲しいと思います。
最後に
今回は「バイク初心者に乗って欲しいドゥカティのバイク4選」等を紹介させて頂きました。
少しはドゥカティのバイクに興味を持って頂けたでしょうか。
正直ドゥカティには他にも乗って欲しいバイクがたくさんあったのですが、厳選して4台にしました。
初心者には中々ハードルが高いバイクメーカーだと思いますが、どこか走りが官能的で魅せるバイクがザ・ドゥカティです。一度所有してドゥカティの魅力にハマってしまったら、ドゥカティ沼から抜け出すことは容易ではないでしょう。
バイクが本当に好きな人こそ、一度ドゥカティのバイクに乗ってみて下さい。