ライダーの皆様、こんにちは。現在九州は、梅雨真っ盛りでバイクの乗れない気候が続いています。
先日、入院していたBMWが返ってきて乗りたくてたまらないのですが、この雨では残念ながら動かすことができません。
こんな時こそ読者様には、九州の絶景ツーリングロードのレポートを楽しんでもらいたいと思います。
前回は、やまなみハイウェイとミルクロードの素晴らしさを寄稿しました。
今回はその2つの絶景ロードに負けず劣らずな「阿蘇パノラマライン」と「ケニーロード」をお届けしていきます。この投稿を読んで頂けたら、さらに九州を走りたくなるかと思いますが、ぜひ読み進めてみてください。
1.阿蘇パノラマライン
今も噴火している中岳
阿蘇五岳の中で現在、唯一噴火している「中岳」をご存知でしょうか。中岳は今も活動している活火山で、いつも噴煙が上がっています。
阿蘇パノラマラインは、そんな阿蘇のシンボルである中岳に続く道として非常に有名な道で、ハイシーズンは沢山の観光客で賑わいます。
私が九州に移住してきた1年半前は中岳の噴火警戒レベルが3だったので、噴火口付近まで行くことはできませんでした。2023年に入り噴火警戒レベルが2になり、同年3月には1となった為、現在は入山することができるようになっています(バイクは通行料200円)。
ライダーの方には、絶景ツーリングと合わせて中岳の噴火口の大迫力を一度味わって欲しいと思います。
吉田線
阿蘇パノラマラインには3つのルートがあります。まずはじめに、南阿蘇から阿蘇山上にアクセスできる「吉田線」を紹介していきます。
南阿蘇から県道325号を東に行くと、ファミリーマート阿蘇白水店が見えてくるので、その交差点を左折すると吉田線がスタートします。前半しばらくは樹林帯ロードが続きますが、九十九折りの道の先に「阿蘇パノラマスカイラン展望所」があります。
展望所からは先ほど登ってきた峠道と、その先にジオラマのように見える田園風景の美しいコントラストを臨むことができます。
展望所を出てしばらく進むと、辺りの景色は一変し、阿蘇の荒涼な山岳地帯を縫っていく道になります。
赤茶けた山肌と草木の生えない高原は、まるで世紀末感を思わせる火山地帯です。
トンネルを抜け、雄大な烏帽子岳(えぼしだけ)を見ながら走っていると、自然のスケールの大きさを感じることができます。
突き当たりのT字路は、右に曲がると中岳噴火口、左に曲がると草千里です。今回は草千里方面へ向かいたいと思います。
草千里
T字路を左に曲がってす150メートル行ったところに、小さな広場(ヘリポート)があります。”噴火口ド迫力見学コース” なら7分の遊覧で大人1万円なので、一度空から阿蘇や噴火口をみるのも良いでしょう。
そして火山地帯ロードをしばらく進むと、草千里ヶ浜に到着します。
噴煙を上げる中岳を臨み、放牧された馬に乗って大草原を悠々と歩くことができるなど、阿蘇を代表する観光地が草千里です。夏は緑が鮮やかに輝き、冬は白銀の世界が広がり、季節ごとに全く違った顔を見せてくれます。
大きな駐車場や展望台もあるので、草千里の雄大な自然と愛車との写真は映えること間違いなしです。
坊中線
JR阿蘇駅から阿蘇山上に登っていく道が「坊中線」と呼ばれています。
前半は樹木林に囲まれ鬱蒼とした道が続きますが、標高が高くなるにつれて阿蘇らしい雰囲気に変わっていきます。
道が一気に開けてくると、大草原と阿蘇の山肌が姿を表します。草原でのんびり寛いでいる牛や馬、阿蘇の市街地と外輪山のパノラマを見ながら、きっとバイクに乗ってきて良かったと感じることでしょう。
そしてこの大草原の道から、樹木林の九十九折りロードを抜けると、先ほど紹介した草千里へと繋がっていきます。緑の世界から赤茶けた火山の世界へと誘う、この景色の変化こそが阿蘇パノラマラインの醍醐味です。
下野線
そして最後に紹介する下野線は、阿蘇ファームランドのある西側から緩やかに坂を登り、前述の坊中線に繋がるルートです。
前半は穏やかな草原地帯を横目に、爽快感を感じながら進んでいきます。そこから中伏を迎えると阿蘇五岳の一つ「杵島岳(きしまだけ)」を臨むことができます。
そして坊中線と合流する付近には、かつて火山だった「米塚(こめづか)」の風景を目にすることができます。美しい緑で覆われた円錐型の丘陵をのんびり見ていると、心が洗われるようです。
ここまで阿蘇パノラマラインの3ルートを紹介してきましたが、私が阿蘇の絶景ロードの中で最も愛すべき道でもあります。パノラマラインには絶景の要素が凝縮している、本当に素晴らしパワースポットだと思っています。
2. ケニーロード
ケニーロ・バーツとは?
ライダーの皆様、往年の名ライダー、ケニー・ロバーツ氏をご存知でしょうか?
私はリアルタイムでは知らないのですが、ケニー・ロバーツはアメリカ・カルフォルニア出身のレーシングライダーで、その強さから「キング・ケニー」と呼ばれていたそうです。
WGP500ccクラスに参戦すると、1978、1979、1980年と3年連続世界チャンピオンに輝きました。
その後も第一線で活躍し、ケニーのテクニックに数多くのライダーが影響を受けたと言われています。
引退してからも監督としてライダーとしてスーパーだったケニー・ロバーツは、今も尚 “伝説のライダー” として崇められています。
そんなケニー・ロバーツ氏ですが、奥様が熊本出身の日本人の方で、プライベートで日本に来ては阿蘇をよく走っていたようです。
その中でもグリーンロード南阿蘇が特にお気に入りで、ケニー・ロバーツが愛した道として、グリーンロードの一部が「ケニーロード」と呼ばれるようになりました。
それではこれから「ケニーロード」についてインプレッションしていきたいと思います。
ケニーロードは純粋に走りを楽しむワインディングロード
ケニーロードは今まで紹介してきた「やまなみハイウェイ」「ミルクロード」「阿蘇パノラマライン」と少し毛色の違うツーリングロードです。
言うなれば、走りを楽しむ80%、絶景を見るの20%の道でしょうか。ケニーロードは、少しタイトなコーナーも多いので、純粋に走りを楽しみたいライダーさん向けの道です。
熊本県益城町と南阿蘇を結ぶのが、グリーンロード南阿蘇と言われる阿蘇南部広域農道(約25キロ)。
その内、阿蘇郡西原村から南阿蘇久石までの17キロ区間が、「ケニーロード」と呼ばれています。今回は阿蘇ミルク牧場方面、西原村からレポートしていきます。
上記の写真地点からケニーロード区間に入り、約1キロ上り坂を進むと「グリーンロード南阿蘇展望台」に到着します。ここに1つ目のケニー・ロバーツ氏のサインの入った看板があるので、愛車と一緒にスナップを撮りましょう。
西原村の展望台からスタートして、しばらく上り道が続き標高が徐々に高くなっていきます。ヘアピンンカーブが数カ所ありますが、気持ちの良い高速ワインディングロードです。
丘の上まで登り切ると、今度は下りの中高速コーナーが中心のご機嫌ロードが続きます。(下りのタイトコーナーは散らないように、速度域に気をつけて下さい)。道中は、草木に覆われているところが多いので景色は見えにくいのですが、時折木々の隙間から覗く阿蘇の山々は絶景です。
そして西原村から走ること約15キロで、「グリーンロード南阿蘇展望所」に到着します。ここに2つ目のケニーロードの看板があるので、是非こちらでも記念撮影を。
この展望所から見えるアスペクタと呼ばれる野外ステージがあるのですが、春には河津桜6,700本が咲き誇る有名なエリアです。
ケニーロード終点である南阿蘇久石まで降りてくる道中には、下記の写真の様な美しい阿蘇五岳の一つ、根子岳を望むことができます。春、夏、秋と違った顔を見せるケニーロード、スポーツバイク乗りなら一度は走りたい道です。
但し12月~3月は凍結するので、走らないほうがいいかもしれません。また通行止めになる期間があるので、ネットなどを参照して下さい。
南阿蘇のコドナカフェで一休み
ケニーロード終点(南阿蘇久石の交差点)を右折し、東に2.5キロ行くとバス停の横にコドナカフェの看板があるので、狭くて険しい坂道を登って下さい。左手に砂利のパーキングが見えたら、そこがオススメのコドナカフェです。
元々関東でバイク店を経営されていたマスターと優しい奥様が営まれている、アットホームなカフェレストランです。
まずこのお店のこだわりはコーヒーで、厳選された数種類のコーヒー豆を丁寧に挽いて、ハンドドリップで入れてくれます。フードはなんでも美味しいのですが、私がハマっているのが手作り絶品ハンバーガーです。
食後には奥様が作るアップルチーズケーキも最高です。
ライダーさんが多く集まっているカフェですが、一人でも入りやすく寛ぐことができます。そして2階テラスから見る、根子岳の雄大さに感動します。見て食べて楽しめるカフェなので、阿蘇を走りにきた際は、是非訪れてみて下さい。
*コドナカフェのアドレス:〒869-1412 熊本県阿蘇郡南阿蘇村久石959-2
3. いつ九州走りに来るの?
今回は、バイクで行く九州絶景ツーリングロード第2弾として、「阿蘇パノラマライン」と「ケニーロード」を紹介させて頂きました。
前回のやまなみハイウェイとミルクロードを合わせて、私の中では阿蘇4大ロードと称しております。
地元からバイク仲間が来るたびに、この4つの道をアテンドするのですが、こんな素晴らしい道をいつも走れる私に嫉妬して帰っていきます(笑)そんなバイク仲間と、次はいつ九州走りに来るの?と話している時間が楽しかったりします。
ここが私のパワースポット、「九州・阿蘇の絶景ロード」でした。