これまでの人生、カレーうどんを食べたいと思ったことがない。親子丼にしてもそうだが、日常で「カレーうどん」をチョイスした記憶がほぼない。カレーはライスと食べるものだという固定概念が僕の頭にはっきりとあるので、うどんの出汁がカレーなんて邪道だという考えしかなかったのだ。
そんな僕が今回カレーうどんをチョイスした。しかも真冬の寒い中、下道でわざわざ3時間もかけて向かったのだ。これには理由があって、寒い中走るんだから少しでも身体が暖まるものを食べたい、ということと、Googleマップを見ていてたまたま見つけたから。それに加えて、なぜかこの時はカレーうどんに挑戦してみよう!と思えたのだ。
冷えた身体にアツアツのカレーうどんは、さぞかし美味いだろうと期待に胸を弾ませてバイクを走らせたのでレポートしてみたいと思う。
兵庫県佐用郡佐用町まで下道で走る
目的のカレーうどん屋さんは、兵庫県の西、佐用郡佐用町にある。僕は大阪よりの兵庫県に住んでいるので下道で3時間も走らないと辿り着けない。高速道路を使うと1時間半ほどなのだが、そうすると僕の中ではツーリングでなくなってしまうので下道を選んだ。
まず、兵庫県道17号西脇三田線をひたすらバイクで走る。この道は交通量も信号も多く、大型トラックも走っているので全くもって快走路ではない。なんならあまり走りたくない道だ。
途中から372、371号線を走り、兵庫県道23号三木宍粟線へと入る。そして53号宍粟下徳久線を走り、佐用町の千種川沿いまでくるとようやく快走路が現れる。
この川沿いの道は信号がほとんどなく、交通量も少ないので気持ちよく走れる。途中でペースカーがいたりするがイエローラインが無い区間もけっこうあるので、追い越すこともできるがそれは自己責任で。
寒い中での走行だが、やはりバイクで快走路を走るとこの上なく気持ちがいい。寒さを忘れてひたすらスロットルを回し、快走路を走り続けていると左手に目的のお店の看板が現れる。
カレーうどん屋さん かずら
この世に「カレーうどん」専門店があるのが謎でしかないが、目的のお店もカレーうどん屋さんで、田舎の海藻路に突如として現れる。
快走路を左折して100mほど走ると、そのお店はあるがパッと見た感じ全くカレーうどん屋さんには見えない外観をしている。
店内に入ると、お店を間違ったのではないか?と思うほどさらにカレーうどん屋さんらしからぬ内装が出迎えてくれる。ハンバーガーとかパンケーキとか出してくれそうなおしゃれなアメリカンカフェ風の内装だ。
BGMもオールディーズが流れていて、カレーうどん屋さんとかけ離れた外観、内装、音楽とのギャップにより、逆に期待をしてしまう。
おすすめは、牛すじカレーうどん 800円。ごはんやチャーハンのセットにしても、980円と激安だ。
今回僕が選んだのは、牛すじカレーうどん 半チャン、サラダ付き 980円のセット。注文してから提供されるまであまり時間はかからなかったし、待っている間も店内を眺めているだけで時間が潰せる。
出てきたのがこちら。カレーうどん経験が少ない僕にはわからないが、もやしが乗っているのは良かった。(通常は乗っているものなのか?)
味の方はというと、カレーうどんに対する僕の固定概念をひっくり返してしまうぐらいに美味しかった。寒い中走ってきたから、というのもあるかもしれないが、身体に染みる優しい味だが、程よくカレーのスパイスが刺激的で身も心もポカポカの大満足である。
小鉢にチャーハンを取り分けて、カレー出汁をかけて食べるカレー出汁チャーハンも絶品だ。カレーうどんをなめてた。カレーうどんってこんなにも美味しいものだったんだと思わされる味だった。世の中にカレーうどん好きが多いのもうなづける。
味もさることながら、店主のお父さんとお母さんも気立が良く、「バイク寒かったでしょ〜?」と気さくに話しかけてくれたりとても好感が持てる。おそらく常連さんも多いことだろう。
あとがき
今回のツーリングでは、僕の凝り固まったカレーうどんに対する固定概念を簡単に覆してくれたツーリングだった。今までの人生、少し損をしてきたなという気分にもさせられたが、新しい発見があったのでこれからは積極的にカレーうどんにチャレンジしてみたいと思う。
真冬の下道3時間は寒くて疲れたが、行く価値はあったし、総じて満足だ。
やはりバイクは尊い。バイクでなければ僕は一生カレーうどんの美味しさに気づくことなく人生を終えていたかもしれない。これからもバイクだからこそ行ける場所、バイクじゃなければ行かないであろう場所を求めてツーリング計画を立てて走って行きたいと思う。
まじで、おすすめです。