ようやく少しは暖かくなってきたとはいえ、ここ関西ではまだまだ日中の最高気温は10〜12℃ぐらいだ。加えて天気もあまり良くない日が続いている。こんな時期にバイクに乗るなら目的は快走路ではなく「グルメ」になってしまう。
というわけで今回は、京都市まで鯖煮を求めて走ってきた。鯖煮、いわゆる鯖の煮付けだが、まあどこにでもある平凡な料理だ。そんな、あまり目立つことはない脇役的な存在の、「鯖煮」だけで成り立っている有名店が存在するのだ。行列必死のこの店、気にならないわけがないので行く理由としては十分だろう。
今までの鯖煮はなんだったんだ?
目指すのは、京都市北区、上賀茂神社前にある今井食堂。
実は僕は長年京都に住んでいて、兵庫県に引っ越す直前はこの上賀茂神社がある地域「上賀茂」の隣りの「西賀茂」に3年ほど住んでいた。にも関わらず、今井食堂には一度も行ったことがない。記憶を遡ると、なんとなく噂を聞いたことがあるようなないような感じだが、近くに住んでいると意外と行かないこともある。歩いてでも行ける距離だったのに・・・と今更ながら少し後悔している。
自宅から高速を使えば1時間ちょっとで到着するが、やはりバイクは下道が楽しい。一庫ダムを抜け、亀岡から京都市内へ入る。京都市内は気持ちよく走ることが出来ないがそれは仕方ない。
上賀茂神社に到着し、今井食堂を横目に通り過ぎるとすでに行列ができていた。なぜか、なんとなく駐車場は今井食堂を過ぎた辺りにあると勝手に思っていたのだが、まったく違った。駐車場は上賀茂神社正面の鳥居の左側を入っていくとあるのでご注意を。バイクは精算機を通らずに入れるので無料っぽい。
この写真の場所がバイク置き場かどうかわからないが、僕が迷っていると神社の人が「ここ停めていいよ!」と案内してくれたので甘えさせてもらうことにした。おそらく本来は車の駐車場と同じ場所にあると思う。
無事にバイクを停めれたので今井食堂に向かう。さっきも確認したので行列は覚悟の上だ。
行列が出来ている時はのれんを出していないみたいで、知らない人が見たらなんの行列なのかわからなくなっていた。
15分ほど並ぶと入れた。店内は両サイドの壁に向かったカウンター席のみで、8〜10席ぐらいだったと思う。ひとりひとり横の人との間がクリアの板で仕切られていて、スペースも比較的ゆったりと取られているので思っていたより快適に座ることができた。
そしてメニューは、鯖煮をメインに色々とあるが、初めて来たからにはお目当ての鯖煮をたっぷりと堪能すべく「鯖煮定食」を注文した。お値段800円税込の良心価格だ。
そして間も無く出来てきたのがこれ。白ごはんに味噌汁、漬物と鯖煮だ。どうだろうか、この鯖煮。ツヤツヤで真っ黒でいかにも美味そうな見た目ではないだろうか。
箸で簡単にほぐれる肉厚の鯖煮は、トロトロでしっかり味が染みていて最高だ。白ごはんがすすんで仕方ない。そして鯖煮を食べる時のあの煩わしい「骨」まで食べることができる。鯖煮に骨がくっついているのを目視では確認できるが、口の中に入れるとどこかへ消えてしまうのだ。
今までの鯖煮ってなんだったんだ?とそのへんの鯖煮の存在を疑うレベルの鯖煮を食べることが出来た。
ちなみにここの鯖煮は、約40年前からやっているらしく、ずっと煮汁を継ぎ足し継ぎ足し使っているそうだ。そしてなんと、鯖煮は3日間煮込んでいるらしい。そりゃあ骨まで食べれるよな、と納得してしまう。
味噌汁も具沢山で食べ応えがあるし、足りないかな?と思っていた白ごはんの量もちょうど良かった。このクオリティで800円税込は安すぎる。3日も煮込んでいて、この味なら1500円ぐらい払っても文句はない鯖煮定食だった。
周山街道〜日吉ダムを走って帰る
まあ、京都の人ならご存知だろうが、周山街道とは国道162号線で、京都市右京区の仁和寺あたりから京北町を通り福井県小浜市まで続く道のこと。途中には関西ライダーにお馴染みの美山がある。周山街道を全て走ると日が暮れてしまうので、途中から外れて帰路につくことに。
周山街道に入る手前はいつも渋滞しているが、いざ入ってみると・・・すんなり走れる時もあるが遅い車などが前にいるとゆったりと走ることになってしまう道だ。途中から嵐山高雄パークウェイへ入ることもできる。
この周山街道、京北町あたりまでは道幅も狭く片側1車線でカーブもキツく、民家やお店なども所々あったりするので決してバイクで走る快走路とは言えないが、紅葉の時期にはいい景色を眺めながら走ることができる。
京北町のあたりで左折し周山街道から外れて日吉方面へ向かうと、ようやく快走路が現れる。ここまで来ると交通量も少なく、道幅もそれなりにあるのでバイクで気持ちよく走ることができるから、けっこうお気に入りの道だ。
快走路を抜けて日吉ダムが近づいてくるとまた狭い道をしばらく走ることになるが、その先のダムの横は実に気持ちがいい。ダムの絶景を横目にバイクを走らせるのは最高だ。
今回は新品タイヤの皮むきを兼ねてのツーリングだったので、気持ちビクビクしながら走ったが途中からタイヤの接地感を感じることができ、やっぱりタイヤ交換して良かったなと改めて思う。なんせ安心感が格段に違う。安心して走れると変な力が入らないし余計に安全に走ることができると思う。
あらためて、天気が良い日にバイクで走るのは、実に気持ちがいい。やはりバイクはやめられないね。