Z1頂点説に賛同する

イソシュウ編集長がカワサキ900Super4(以下、Z1)を旧車の頂点であるとの説を展開した。

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旧車の頂点に君臨するZ1、なんの参考にもならないインプレッション(個人的な感想をダラダラと) いきなりタイトルの補足をしておくと、旧車の頂点と言っても、何をもって頂点とするのかは人それぞれ違うと思うが、僕の中では絶対的にKawasaki Z1(900Super4)が頂点だ...

私はさらに踏み込んで、Z1は頂点である、と述べたい。

つまり「旧車の頂点」ではなく「すべてのバイクの頂点」であると。

その理由は、Z1が次の3つに該当するからだ。

格好良いバイクを定義づけた
●イノベーションによって誕生した
●バイク乗りの直感がそういっている

一つずつ解説する。

目次

Z1は格好良いバイクを定義づけた

(ネット上の写真から引用)

ジャガーがEタイプでロングノーズ、ショートデッキ、2ドアという、格好良い自動車の黄金比をつくった。この黄金比はフェラーリにも、トヨタのLFAにも、軽自動車のホンダS660にも使われている。

格好良い自動車は、Eタイプの登場から60年以上経った現代でも、この黄金比でないとつくれないといってよい。

(メーカー公式サイトから)

同じことをカワサキがした。Z1でだ。

Z1の格好良さは、ティアドロップ・タンク、尻上がり(にみえる形)、巨大エンジン、4本マフラー、丸目ライト、シートカウル、によって生み出されている。これは格好良いバイクの方程式といってよい。

(メーカー公式サイトから)
(イソシュウ編集長の記事から。大先輩のZ1)

ホンダのCB750FOURも、格好良い方程式の一部を持ち合わせているが、いくつか足りない。特にタンク形状がティアドロップでないところと、シートカウルがない点は、格好良さが落ちる。

もちろんZ1の形よりCB750FOURのほうが格好良いという人もいるだろう。その人には叱られるかもしれないが、CB750FOURは少しぼってりしているので、かわいらしさが含まれてしまうのだ。それがこのバイクの魅力となっているが、格好良さの王道からは外れてしまう。

(メーカー公式サイトから)

Z1はイノベーションによって誕生した

バイクのイノベーションであれば、CB750FOURのほうがZ1より適しているだろう、という意見があると思う。1969年デビューのCB750FOURは、2気筒の全盛時代に突如4気筒で登場した。しかも製造するのに高い技術が必要な大排気量バイクだった。性能もダントツで、世界中のメジャー・レースで優勝をかっさらっていった。

それでも私がZ1を生み出したイノベーションのほうが、CB750FOURのイノベーションより優れていると判定するのは、Z1のデビューが1972年だからだ。つまりCB750FOURの3年後にZ1が登場している。

CB750FOURがデビューする前、カワサキでも4気筒のエンジンをつくっていた。しかしそれは600㏄だった。そのためカワサキは、750㏄のCB750FOURのあとに600㏄の4気筒バイクを出してもインパクトがないと考え、このエンジンの開発を中止してしまう。

そして打倒CB750FOURを掲げて、これより大きな900㏄のバイクをつくることにしたのだ。

「負けるかこの野郎」という気持ちは、イノベーションの原動力になる。

さらにCB750FOURのエンジンがSOHCなのに対しZ1はDOHC。

DOHCの、エンジンブロックの上部にある2つの突起はとても格好良い。これと比べるとSOHCのエンジンブロックの上部は「ふた」にしかみえない。やはり、ぼってりしていて、格好良さが減ってしまっている。

(CB750FOURのエンジンのフィンの上の部分が、どうしても「ふた」にみえてしまう。メーカー公式サイトから)
(Z1のエンジン。もちろん2気筒でもDOHCであれば上部の2個の突起があるわけだが、4気筒エンジンにこそ似合っている。メーカー公式サイトから)

こうしたことを総合的に判断すると、私はZ1を生んだイノベーションのほうが勝ちが高い、と思えてしまうのである。

バイク乗りの直感が「Z1は頂点」といっている

これも「それはあなたの主観ですよね」と言われそうだが、私の肌感覚では「Z1こそ頂点である」とみなすバイク乗りは、ほかのバイクを頂点とみなす人たちより多い。

頂点にノミネートできるバイクには、CB750FOUR、初代カタナ、VFR750 R(RC30)初代隼、スーパーレジェーラV4、H2があると思う。MVアグスタやトライアンフ、ハーレーにも頂点大会への出場資格があるバイクがあるかもしれない。

しかしいずれも、Z1の完璧さと比べると何かが足りない。

(メーカー公式サイトから)
(メーカー公式サイトから)
(メーカー公式サイトから)
(メーカー公式サイトから。これはH2ではなくH2R)
(私の初代隼。POROporoporoさんのイラスト)

例えばカウルがついているバイクは、いくら格好良くても、カウルの造形で格好良くしている点がマイナス評価になってしまう。なぜならカウルに使用しているABS樹脂やFRPは形づくることが簡単だからだ。複雑な形を簡単に量産できてしまう。

「Z1こそ全バイクの頂点である」と主張する人は、カウルなしであの格好良さをつくったところも評価しているのだ。

そしてハーレーやトライアンフには最速のイメージが薄い(ないわけではないが)。バイクの頂点になるには、テイストよりも度肝を抜く速さが必要だ。

おまけ~Z1の進化形よりZ1のほうが高額という事実

そして「Z1こそ頂点である」という評価に客観性があることを証明するのが、Z900RSの世界的なヒットである。

(メーカー公式サイトから)

Z900RSは(異論はあろうが)私の理解ではZ1レプリカである。そしてZ1がつくった格好良さの方程式を進化させている。

ところがである。

イソシュウ編集長の大先輩は、中古のZ1を数年前に330万円で買ったという。これも驚きの価格だが、極上の中古Z1になると1,000万円になる。

しかしZ900RSは新車でも150万円しかしない。

つまりZ1は、超優秀な後輩をつくりながら、その後輩を圧倒し続けているのだ。このような伝説もZ1を頂点に置く土台の一部になっている。

参照

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記事の情報源

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000283.000028066.html

https://global.honda/jp/news/1969/2690728.html

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https://www.ducati.com/jp/ja/bikes/panigale/superleggera-v4

https://www.suzuki.co.jp/suzuki_digital_library/2_moto/ss4_033.html#p1

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000028066.html

https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/z/retro-sport/z900rs

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この記事を書いた人

●著者紹介:アサオカミツヒサ。バイクを駆って取材をするフリーライター、つまりライダーライター。office Howardsend代表。1970年、神奈川で生まれて今はツーリング天国の北海道にいる。
●イラストレーター紹介:POROporoporoさん。アサオカの親友。

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