友人からよく、「ひとりでキャンプに行ってなにするの?」と言われることがある。答えはいつも決まって、「なにもしない」だ。なにもしない事がどれだけ贅沢なことか、キャンプ好きな人なら思い出すだけでヨダレものだが、キャンプをしない人からすれば「え、めっちゃヒマやん・・・」と理解してくれない。
キャンプは以前から趣味として年に数回行っていたが、バイクでキャンプに行くのは初めての経験だ。好きなバイクで走って、そこから好きなキャンプが出来るなんて至福の極みではないか。夏が終わるこの季節、ツーリングにもキャンプにも最高の季節に念願叶ってキャンプツーリングに行くことができ、非常に満足している。
なので本記事では全力でキャンプツーリングを推していきたいと思う。
ハチ高原オートキャンプ場
どのキャンプ場にするか色々と迷ったのだが、バイクで行くなら僕的に必須条件がある。それは、「バイク乗り入れ可」ということだ。
バイクで行っているのにバイクを駐車場に停めてキャンプはバイクと離れたところでするなんて考えられない。バイクを眺めながら焚き火をし、メシを食い、酒を飲み、朝起きたらバイクが横にある、それがキャンプツーリングの醍醐味では無いだろうか。愛車と共に過ごす時間はライダーにとって至福の時間でもあり、夢でもある。
あと、だいぶ涼しくなったとはいえ、兵庫県はまだまだ日中は暑いので標高が高く涼しそうな場所を選んだ。
それらの条件を満たしてくれたのが、ハチ高原オートキャンプ場だ。さらに、このキャンプ場では事前に予約をしておくと「かも鍋セット」を用意してくれる(1人前1,000円)。少しでも荷物を少なくしたい僕にとっては好都合でしかない。
このハチ高原オートキャンプ場は、草原サイトと林間サイトがあり、草原サイトのみ車両の乗り入れが可能なので、もし行かれる際は注意してほしい。冬はスキー場、それ以外はキャンプ場として営業している。
トイレもキレイで洋式の温水洗浄機能あり、炊事場あり、自動販売機(アルコールなし)もあり、薪の販売もしてくれる。風呂は近くの岡口屋という旅館で有料だが入れる。
余談だが、ソロキャンしていた人が早朝から登山に向かっていた。おそらく氷ノ山に登るのだと思う。そういう用途での利用もありだ。
ハチ高原へ向かう
向かうルートは人それぞれだと思うが、今回僕は国道176号線を北上し、国道9号線、兵庫県道6号線などを走った。いつもながら、丹波篠山市に入り、丹波の森街道に入るとそこからはほぼ快走路が続く。
特に、途中から迂回して向かった6号線が素晴らしかった。メジャーな国道を走るのも良いが、知らない道を走るのも楽しい。新しい発見ができる。そういった小さな冒険を僕はよくする。これもバイクで走っているからだろう。車なら道なんてどこでもいい、というか早く目的地に到着できればそれでいいとしか考えていない。
キャンプ場へ近づいて山道に入ると、上り坂が続く。スキー場へ向かっているのだから当然と言えば当然なのだが。そしてほどなく、旅館やレンタルスキーの看板が並ぶ町並みが現れてくる。スキー場のふもとの町にきた、という感じだ。
シーズン中にスキー場に来ると、そのふもとの町はスキーやスノーボードの客や車で賑わっているが、シーズン外のスキー場ほど寂しいものはない。この旅館やレンタルスキー屋の人たちはどこにいるのだろうか。まるで過疎化して誰もいなくなった町を走っているかのような気持ちになる。
山道を登り切ると、急に目の前の視界が開け、スキー場の雄大な景色が飛び込んでくる。だが季節的に、白銀の世界ではなく一面緑だ。一気にテンションが上がる。
キャンプを、する
受付を済まし、薪と、かも鍋を購入したら、サイトを設営していく。
- キャンプ場代:3,200円
- 薪1束:700円
- かも鍋1人前:1,000円
- 合計:4,900円
数ヶ月ぶりのキャンプだが、設営の手順はある程度体が覚えている。持ってきたキャンプギアも少ないのでシンプルなサイトが短時間で出来上がった。
晩メシまで少し時間があるので、「よくばり星デッキ」という場所まで登ってみる。ここままで登ればキャンプ場を見下ろす事ができ、氷ノ山や周りの山々の雄大な景色を一望することができる。よくばり星デッキという名の通り、晴れた日の夜には満点の星空を堪能する事ができるのだろう。
晩メシを、食う
設営後にバトニングで割っておいた薪に火を入れていく。着火剤とかファイアースターターはめんどくさいので、僕はキャンプに来たらいつもガストーチを使う。文明に利器は活用していきたい。
(※草原サイトは直火禁止なので、必ず耐熱シートを焚き火台の下に敷くこと。)
火が落ち着いたらメスティンで米を炊いていく。米を炊く火加減や時間は、なんとなく、だ。少々お焦げがついても美味しく食べれるのであまり神経質になる必要はない、と思っている。
そしていよいよ、かも鍋を焚き火に投入する。この頃にはすっかり日が暮れ、周りは暗闇に包まれた。
お目当ての、かも鍋のお味はというと、お世辞抜きで美味い。出汁が美味いのか、鴨肉が美味いのか、それとも自然に囲まれたキャンプ場で食べるから美味いのか分からないが、そんなことどうでも良くなるぐらいに美味かった。これはぜひおすすめしたい。
食後はビール1本だけ飲み、焚き火を眺めてボーッとしてから、早めに寝ることにした。
キャンプ場のマナーについて
キャンプ場で他のキャンパーがいると、少なからず話し声や物音が聞こえてくる。それが早い時間なら全く問題ないのだが、夜の10時を過ぎても話し声や笑い声が大きく聞こえてくると迷惑でしかない。
この日も、若い男性3人と中年男性1人の4人組が近くにサイトを設営していたのだが、それなりにうるさい。めちゃくちゃうるさいって程でもないので注意するまでもいかないが、少し耳障りだった。そしてその内の一人がウクレレ?を持ってきていて、ガンガン弾いて歌を歌っていたわけではないが、ポロン、ポロンと弦を撫でる音がちょこちょこ聞こえてくる。
本記事を読んでいるキャンプ初心者がいたら心しておいて欲しいが、キャンプ場では基本的に音の出るものは禁止されているというか、マナー違反になる。スピーカーとか楽器は御法度ということだ。また、消灯時間を決められていないキャンプ場もあるが、22時以降は静かに過ごすのがマナーとなっている。22時以前であっても、周りに迷惑になるような大声やドンチャン騒ぎは禁物だ。
要は、周りのキャンパーたちの事を考え、自分たちだけが利用しているのではない、ということを理解して過ごすようにしてほしい。もし騒ぎたいとか、楽器を演奏したい、というのならキャンプ場を貸し切りにすればいい。
また、夏場や冬場で、外気温に耐えれず寝れないからといって、車のエンジンを夜通しかけっぱなしで車中で寝るのも厳禁だから防寒や防暑対策はしっかりとして行って欲しい。
朝メシを、食う
早めに就寝したので、朝は6時ごろに起きることができた。朝一はホットコーヒーと僕の中では決まっているので、インスタントだがコーヒーを飲む。朝から焚き火をするのは片付けが面倒なので、朝はガスで調理をすることにしている。
この日の朝飯は、ハンバーガー。と言ってもハンバーグを焼くのではなく、スクランブルエッグ、ハム、チーズ、レタスを挟んだだけのもの。味付けはケチャップとマヨネーズだけ。それでも自然の中で食べると美味しいのだから不思議だ。
キャンプ場での朝の過ごし方は人それぞれだが、僕はいつも朝食を食べ終わると早めに退散することにしている。特に理由はないが。
ということで、早々に片付けを終わらせ撤収する。来た時よりも美しく、がキャンパーのマナー。
あとがき
今回は、はじめてのキャンプツーリングだったが、最高すぎた。バイクで来る事によって荷物を最小限にしたから、設営も撤収もいつもより簡単だった。
愛車を横目に眺めながら飯を食い、過ごすひと時はまさに夢のような時間。
ライダーなら、一度はキャンプツーリングに挑戦してみてはいかがだろうか。もう一度行きたくなることは間違いない。僕が保証する。
ただ、キャンプを元々していなかった人からすると少しハードルが高いかもしれない。なんせキャンプギアを揃えないといけないのだから。そんなに高いものを揃える必要はないが、多少なりとも費用はかかる。
動画内でも触れていたが、キャンプ道具の一部を紹介しておくので、よかったら参考にしてぜひキャンプツーリングに行ってみて欲しい。僕も年内にもう一度どこかのキャンプ場に行きたいと思っている。
使用キャンプギア
テント
身長178センチの僕は少し窮屈だけど、コンパクトに収納できるのと軽量なのでこれを使っている。
グランドシート(テントの下に敷くシート)
地面からの底冷え、濡れ、汚れなどを防いでくれるのであった方がいい。上記のテントにピッタリサイズ。
寝袋(12℃ぐらいまで)
気温が10℃を下回るようなら使えないかもしれないが、夏場や初秋には十分。コンパクトに収納できるのも良い。
折りたたみマット
今回、地べたスタイルでキャンプしたので座る用と、寝る時はシュラフの下に敷いて使っていた。
調理用のガス器具
コンパクトに収納できて、品質も超一流。キャンパーなら誰でも知ってる品物。
ガスCB缶
別にこれじゃなくてもいいが、どうせならSOTOで揃えてみただけ。
ガスランタン
小さいのに光量は十分あり、3人ぐらいまでのキャンプにも使える。別途OD缶が必要。
OD缶
メーカーにこだわらなければどこでもいいが、厳冬期にはハイパワーのものを使用した方がいい。
ミニランタン
雰囲気の問題。照明としての役割は期待しないほうがいい。手元ぐらいなら使える。
LEDランタン
小さく、光量もあり、スマホ充電もでき、懐中電灯としても使えるので重宝している。これは便利。
クッカー
これ1つあれば、色んな料理ができるので僕のキャンプには必須。フライパンとしても鍋としても使える。中にマグカップをスタッキングして収納している。
マグカップ
チタン製、二重構造になっているので保温力が高い。少しお高いが、値打ちはある。
トーチ
焚き火の火つけに使用している。
焚き火台
これが正規品で、僕が使っているのは模倣品の安いやつ。探したが見つからなかった。
あとは細々としたものばかりです。何か気になる方はYouTubeでコメントください。