皆さん、こんにちは。いつも安全にツーリング楽しんでいらっしゃいますか?事故だけは気を付けて楽しみたいところですね。
記憶に残る事故と言えば、1985年8月12日 東京発大阪行きのJAL123便が群馬県上野村の御巣鷹山に墜落し520名もの犠牲者が出るという、単独事故としては世界最大規模の事故が発生しまた。現在でも8月になるとニュースで報道されていますのでご存知の方も多いと思います。
私も飛行機の利用者として、またエンジニアとして大きなショックと深い悲しみを受けました。今回は、いつかは行こうと思っていた御巣鷹の尾根に安全祈願ツーリングに行くことにしました。
事故の原因
事故の直接的原因は機体後部にある、圧力隔壁の破壊で過去の修理ミスに原因があったとされています。ここで使われているリベット接手自体は一般的な機械要素でオートバイ部品にもいろいろ使われていますが、修理ミスにより本来の機能を満足することができなかったようです。
詳しくお知りになりたい方は、「失敗知識データベース」をご御覧ください。この失敗知識データベースですが、産業や科学技術分野を中心にいろんな分野の事故や失敗事例が蓄積されています。東京大学名誉教授の畑村洋太郎先生が立ち上げられた「失敗学会」が運営されています。私も会員で勉強させていただいています。
今回のバイクとギアの紹介
今回の相棒はブラジル輸入の愛車XRE190です。
このバイクの特徴は、バイオエタノールつまりアルコールでも走れるんです。でも残念ながら日本には給油できるところがありません、泣。地球温暖化対策として温室効果ガス低減に取り組むための実験車です。
ところで皆さん、安全ギアはどうされてますか?
ヘルメットは当然として、グローブ、ジャケット、プロテクター、パンツ、ブーツ等、ライダーなら色々と悩まれながらチョイスされていることと思いますが、バイクで事故した時の負傷箇所はどこが多いかご存知でしょうか?
頭部の次に多いのは胸部だそうです。でも胸部プロテクターを装着されている方はまだまだ少ないんじゃないでしょうか?
私もこれまで気にはなっていましたが年齢も考えて積極的に胸部を保護しようと考え、昨年エアバックジャケットを購入しました。デイネーゼさんのスマートジャケットです。
MotoGPで使用されているテクノロジーを採用し、現在は警視庁の交通機動隊(白バイ隊員)に正式採用されているとのことです。
決め手となったのは安全性はもとより装着性でした。これまで使っていたジャケットの下に来ても違和感が少なく、またジャケットを着た後の見た目も満足できるものでした。多少気になるのは重量が1.8kgあることですね。
連続のツーリングでも宿に着いてUSBケーブルで一晩充電すれば大丈夫です。
幸いこれまで事故もなく、直接役に立ったことはありませんが、いわゆる立ちゴケや歩いているときにつまずいてコケても作動することがあるようなのでバイクから降りる時はにスイッチを切っておいたほうがいいようです。
いざツーリング
今回は、安全祈願ツーリングということで群馬県上野村の御巣鷹山の尾根の慰霊碑、慰霊の園、そしてバイク神社として知られる埼玉県秩父市の小鹿神社に行ってきました。
ルートは、埼玉県川越市~関越・上信越自動車道で群馬県下仁田~御巣鷹の尾根(経由1)~慰霊の園(経由2)~小鹿神社(経由3)~川越の約250kmの日帰りツーリングです。
出発したら、まずはガソリン満タンとタイヤの空気圧チェックです。当日は残念ながら小雨模様でしたので最初からカッパを着こみました。雨の日のツーリングが楽しめたら一人前なんでしょうが、40年以上たってもその境地には至りません、泣。皆さん、雨の日はどんな工夫をされてますか?
行きは高速道路を利用しました。190ccのバイクですが、100km/h巡行も問題なく快適です。途中、コンビニでコーヒーブレークした後、御巣鷹の尾根の駐車場を目指しました。手前にいくつかのトンネルがあるのですがトンネル内の照明が極端に少なく要注意です。直線のトンネルならまだ良いのですが、照明が無くカーブがあるトンネルは正直怖かったです。
駐車場からは徒歩での移動となります。情報に寄ると慰霊碑まで800m、徒歩で30分とありましたがそれは健脚の人ですね、笑。とっととスマートジャケットは脱ぎましたが、カッパ着用、バイク用ブーツだったこともあり雨と汗と格闘しながらの登山となりました。中間地点に休憩所がありましたので利用させてもらいました。トイレもあります。また常駐の係員の方もいらっしゃるようです。
途中、若者の団体とすれちがったのですが、盛んに「こんにちは!」と声をかけてくれるので聞いてみたらJALの新入社員の研修で登山しているとのこと。その心はずっと引き継がれているんですね。実際の墜落現場を目にし安全の重要性をあらためてかみしめながら慰霊碑に手を合わせお祈りいたしました。
話はそれますがJALには羽田に安全啓発センターという研修センターがあります。実際に回収された墜落機の機体、特に事故の原因となった破損した圧力隔壁等も展示されていました。予約が必要ですが一般の方でも見学が可能です。
次に目指したのは慰霊の園です。慰霊の園は墜落現場となった御巣鷹の尾根から北へ約10キロの距離で、事故翌年の1986年8月に上野村民の有志の協力で設置されたそうです。慰霊塔や納骨堂、事故発生時の捜索・遺体収容活動の記録を展示する施設があります。展示室には動画やパネルでの説明があり、あらためて惨事の大きさを感じました。また納骨堂の前には犠牲となった方々のお名前が刻まれた碑があり、その中には歌手の坂本九(本名大島九)さんの名前も確認できました。
本日最後の目的地は埼玉県秩父市にある小鹿神社です。
小鹿野町はもともとバイクで町おこしをされてきたことで有名です。また小鹿神社はバイク神社としても有名で多くのライダーが集うようになりました。是非皆さんも安全祈願に立ち寄られてみてはいかがでしょうか?
その他のおすすめスポット
今回は立ち寄りませんでしたが、小鹿野に「モトグリーンカフェ」というライダーズカフェがあります。店内にはたくさんの車両も展示されており、以前伺った時もバイク好きのご主人とバイク談義に花を咲かせることができました。
もうひとつは「道の駅 果樹公園 あしがくぼ」(経由4)です。秩父の入り口「国道299号」線の最初の道の駅です。休憩やお土産スポットなどさまざまな楽しみ方ができ、週末になるとたくさんの車やバイクで賑わいます。集まるバイクを見ているだけでも大変楽しいものです。
安全なくしてツーリングなし
今回も安全にツーリングを楽しむことができました。
ホンダの創業者、本田宗一郎さんに言葉に「安全なくして生産なし」という言葉があります。その最後にこうあります。「与えられる安全から、自ら守る安全、更には自ら創る安全へ、全員で努力する。」
安全なくしてツーリングなしですね。これからも防衛運転に心がけて楽しいツーリングを満喫したいと思います。