僕は川の横に住んでいる。そう、リバーサイドだ。たまたま気に入った物件(賃貸)が川の横だったのだが、昔から海沿いや川沿いの家には興味があったからラッキーだ。窓を開けると常に川の流れる音が聞こえてくる。水の流れや、波の音を聞いたり見たりしていると落ち着くし永遠に見ていられる、と感じたことはないだろうか。
なぜか水にはそんな不思議な力があると思っている。いわゆるパワースポット的な場所も水辺が多い気がする。
今回のツーリングの行き先に「滝」を選んだのも、どこかそんな意識が心の奥底にあったのかもしれない。
滝を求めて京都府宮津市まで走り、昼メシに京都府綾部市でセセリうどんを食べて帰るツーリングをご紹介したい。
国道173号を気持ちよく走る
まずは自宅から国道173号を走る。この173は、関西ライダーには馴染みのある道で休日ともなれば多くのライダーとすれ違い、ヤエーをする手が疲れるぐらいだ。それもそのはず、173の多くが快走路でとても気持ちよくバイクを走らせることができるからだ。僕は173よりも176を走ることの方が多いが、この173もやはり多くのライダーと同じく気に入っている。
自宅からだと、下道で約3時間ほどかかるが、もちろん下道で向かう。真っ直ぐな直線が続いたかと思うと、登りの高速コーナーがあったり、峠道があったり、多彩なコースを楽しませてくれるのがこの173だから高速道路でひたすら真っ直ぐ走るのはもったいない。綾部市あたりで173は終わってしまうが、そこからの道も僕を十分に楽しませてくれた。
早朝に出発したので気温はそこまで高くなかったが、昼飯を食べる頃には気温も30度近くまで上がってバイクの排熱がすごい。少し前に購入した、インナーヒートガードがここでも大活躍してくれた。このヒートガードがなかったら僕はこの夏、バイクに乗れないだろう。リッターSSの排熱というのは想像以上にすごいものがある。
日本滝百選「金引の滝」
金引(かなびき)の滝は、京都府宮津市にある京都府で唯一、日本滝百選に選ばれている滝である。下流の「臥龍の滝」と「白龍の滝」、そして主瀑となる「金引の滝」の3つを総称して、「金引の滝」という。
宮津市内に入り、京都府立宮津天橋高校の手前を左折して滝へ向かう。滝といえば山の中、というイメージがあるが、え?こんな住宅街にあるの?と思うぐらいの道を進んでいく。
住宅街を抜けると急に車1台通るのがやっとなぐらい道が細くなるので、車で行かれる方はご注意を。
そのまま細い道を進むと滝の入り口に到着するのだが、その入り口を過ぎたところに駐車場がある。車10台ぐらいは止めれるだろうか。僕が行った時は誰もいなかったので、貸切で滝を楽しめた。
入り口には、入山料の100円を入れる箱が設置されているので、これは必ず入れるようにしてほしい。このお金で滝への道が整備されているのだと思うと安いものだ。おかげで道は歩きやすかった。
入り口からすぐに現れるのが、臥龍の滝。道の横に流れる滝で、高さもそんなにないしそこまで迫力はないが、メインがこれ以上だと思うと期待が膨らむ。
次に現れるのが白龍の滝。見る人が見れば龍に見えるのだろうが、残念ながら僕にはわからなかった。
そしていよいよ、主瀑の「金引の滝」の登場だ。高さ約40m、幅約20mの圧倒的存在感で出迎えてくれる。これは想像以上に迫力があり圧倒された。
滝壺の近くまで行けるのでマイナスイオンもたっぷりと浴びることができるし、間近で落ちてくる滝の迫力を感じることもできる。やはり永遠に眺めてられると思った。
まさしく「滝ざんまい」を満喫させてもらい、なんだがパワーももらえた気になった。大満足である。
帰り際に、老夫婦が1組やってきて、バイクで駐車場を出たぐらいで幼稚園児の集団がやってきた。危うく幼稚園児にまみれて滝を眺めることになっていたかと思うと、ギリギリセーフでよかった。ちなみに、幼稚園児が来ることを悪いとは全く思っていない。滝壺も浅いので水遊びでもするのだろうし大いに結構だが、落ち着いて写真を撮影したりできないからホッとしているだけだ。
せせりうどんを食う
滝を満喫したら腹が減ってきた。来た道を戻って綾部市へバイクを走らせる。金引の滝からバイクで50分ほどだ。
目指すのは、「竹松うどん店」で、綾部市の住宅街の外れに佇む緑に囲まれたお店。駐車場はすべて砂利が敷いてあるが広く確保されているのでバイクも余裕でとめることができる。京都府にありながらも、さぬきうどんが食べれるらしい。
この店はセルフサービスなので、まずは店内のカウンターにて注文をして会計を済ませ、番号札で呼ばれるまで席で待つシステムだ。天気の良い日なら、外の席で食べるのがおすすめ。簡易だが屋根もあるし、扇風機も回っている。
注文したのは、目的のせせりうどんと、鰆の天ぷら、おにぎり。天ぷらは数種類あるが、その日によって旬の食材を使った天ぷらもあるみたいだ。なのでこの日は、鰆の天ぷらを注文した。
うどんは温と冷、選べるが暑かったので冷たいうどんにして正解だった。適度にコシがあるうどんが、あっさりした出汁で美味かった。特に炭火で焼かれたセセリは絶品で、セセリ好きにはたまらない。
鰆の天ぷらもサクッと美味しくいただいた。
11時開店で、11時過ぎには到着したのだが、平日というのに次から次へとお客さんがやってきて人気店なのがうかがえる。土日に行かれる方は、行列を覚悟しておいた方が良いかもしれない。
また、なんとなく、有名なうどん屋といえば頑固なオヤジがやっているイメージがあったのだが、ここの主人らしき人や店員さんは若くて愛想もよく、人気が出るのがわかる。どういう経緯で、こんな辺鄙な場所と言ったら失礼だが、うどん屋を開業しようと思ったのだろうか。ただ見事に繁盛させているので素晴らしいの一言に尽きる。
まあ、しかし、うどんに炭焼きのセセリを乗せようと思った発想はすごい。見事にマッチして美味しくいただけた。家でも試してみようかと思うぐらいだった。
あとがき
昨年の夏も色々とツーリングに出かけたが、どうしても暑いとあっさりしたものを食べたくなる。これから梅雨入りするのでしばらくバイクには乗れないが、この夏、ツーリングを計画している人にはおすすめできるルートなのではないだろうか。滝で涼を感じ、冷たいせせりうどんを食べる。最高の日帰りツーリングとなったのは言うまでもない。
ソロツーリングで滝に行ったのは初めてだが、案外良いかもしれない。地元の兵庫県には日本の滝百選に選ばれている滝が4カ所あるので、巡る計画でも立ててみようかと思う。
では、また。