毎年、「冬ってこんなに寒かったっけ?」と思うし、夏が来れば「夏ってこんなに暑かったっけ?」と思うのは僕だけではないだろう。
ようやくバイクに乗れる気候になってきたので、久しぶりにソロツーリングに出かけてみることにした。と言っても事前に計画を練りに練っていたわけではなく、朝起きたら天気が良かったので思いつきで出かけることにしたのだ。なので片道1時間ちょっとの近場ツーリングだ。
さらに付け加えると、僕はYouTubeチャンネルもしているのだが、これが2025年初めての動画になる。年末にアップして以来なので3ヶ月以上ぶりになり、やる気あるのか?と言われても仕方がないほどサボっていたことになる。まあ、本業ではないのでそこは大目に見てほしいが、これからは気候もいいのでちょこちょこアップしていきたい。
エメラルドグリーンの池
前から気になっていた場所ではあるのだが、京都の山奥に「エメラルドグリーンの池」が存在するそうなのだ。調べてみると京都府南丹市にある、富栄池(とみさかいけ)という溜池らしい。
写真なんかを見てみても、ホントにエメラルドグリーン色をしていて美しい。これはぜひ一度見てみたいと思い、今回の目的地にしたのだが、本当にエメラルドグリーンなのだろうか。ネットで見かける写真は加工されたものじゃないのか?と疑ってしまう。もし曇り空ならエメラルドグリーンにはならないかもしれない・・・と一抹の不安とともに出発した。
まずは、走り慣れた一庫ダムを目指す。途中でGoProのバッテリーがなにやらおかしく、急に落ちるのでバッテリー交換をするために道路の脇にバイクを停めていた。そこへ一台のバイクが走ってきて、僕の目の前で止まり、「Bikefunの人ですよね!?」とお声がけをいただいた。
あまりに急な出来事だったので、びっくりして挙動不審になっていたと思うが、いつもYouTubeを観てくれていて、知っている道がよく出てくるので家が近いんじゃないかなと思っていたとのこと。まさにその通りで同じ市内のライダーだった。
久しぶりの一庫ダムだ。亀岡や南丹方面へ向かうなら、とりあえず一庫ダムを通過するので悪くいうと飽きた道ではあるが、久しぶりなので新鮮に楽しめる。日曜日ということもあってか、ロードバイクがよく走っているので必然的に車のペースも遅くなる。

そのまま能勢を抜けて亀岡市内に入り、千代川を超えた辺りで素晴らしい快走路に巡り会えた。目の前を真っ直ぐに伸びる道のはるか向こうには雄大な山々が壁のように、ヘルメットの中から見える視界の端から端までそびえ立っている。目的地はエメラルドグリーンの池なのに、この景色に出会えただけでも満足してしまいそうだ。

快走路を楽しんでいるのも束の間、エメラルドグリーンの池へと続く分岐が現れる。細い道を入っていくと、一瞬だいじょうぶか?と思うような雰囲気がしてくるが、Googleマップ上には既に池が見えているので間違いはない。
本当にエメラルドグリーンだった・・・
富栄池に到着するとすぐに視界に飛び込んでくるのが、エメラルドグリーンだ。徐々にとかではなく、いきなり目の前に現れる。少しばかり半信半疑だったのだが、どうやら噂はホントのようで、確かに、鮮やかに美しくエメラルドグリーンの色をしている。

なぜこのようにエメラルドグリーンになるのか分からない。天候のせいなのか、深度が関係しているのか、池に流れ込む水の成分に由来しているのか謎だが、そんなことはどうでもよくなるくらいには綺麗な色をしている。
池という名前がついてはいるが、灌漑用のダムとして作られたらしいことは少し調べると分かった。ただ、なぜエメラルドグリーンの色をしているのかについては、ネット上では見つけられなかった。そして気になる深度も不明のままだ。
池のほとりに「氷室の里」という石碑があるが、この辺りで氷を作って京都御所へ届けていたことから氷所とされていたそうだ。おそらく江戸時代とかそんな頃の話だと思うが、この南丹市から京都御所まではとんでもなく遠い。
Googleマップで調べてみたところ、32.1kmで徒歩だと7時間40分ほどかかってしまう。途中の休憩などを入れると1日では無理じゃね?となってしまう。一体どのようなスケジュールで運んでいたのだろうか。
話がそれてしまったが、エメラルドグリーンの池は本当に存在した。この日は日曜日だったにも関わらず誰一人しておらず、終始エメラルドグリーンを独り占めできた。池のほとりには木陰があり、お弁当などを食べてゆっくりくつろいだり昼寝したりするのには最高の場所もあった。次回はぜひここでのんびり過ごしたいと思う。

紅葉峠展望台
富栄池からバイクで約8分、池を横目に山道を走っていった先に紅葉峠展望台という見晴らしポイントがある。せっかくなので寄ってみることにした。
池を左手に眺めながらバイクを走らせると、すぐに酷道になってしまう。枯れ枝、落石だらけで車1台分しか幅がない道が続く。バイクだからと安心してられない。前から車が来たらよけなくてはいけないが、道の端は枯れ枝や苔だらけで安易にタイヤを乗り上げようものなら簡単にスリップしてしまいそうだ。
慎重にバイクを走らせること約8分、展望台に到着した。道中は車にもバイクにも1台もすれ違わなかったので、普段からほとんど交通量のない道なんだろう。だから枯れ枝だらけ、苔だらけ、ということになるのか。


紅葉峠展望台には東屋があり、フォトフレームのようなものと、双眼鏡も設置されている。確かに見晴らしは最高だ。おそらく早朝にくればタイミングが良ければこの展望台から一面雲海の絶景が拝めるのだろう。
ここでも滞在中は誰にも出会わなかったので、富栄池からの紅葉峠展望台は静かな時を過ごしたい人にとっては最高のスポットかもしれない。
すみよし茶屋
さて、エメラルドグリーンと最高の見晴らしを満喫したら腹が減ってきた。帰路の道中でメシを食べることにする。向かったのは、能勢の妙見山近くにある「すみよし茶屋」さんだ。気さくで愛想の良い女将さんがひとりでやっている、ほっこりする食堂。今回僕は、とんかつ定食をいただいた。

王道のトンカツ定食は手作りの優しい味だった。2時ぐらいに行ったので、お客さんが僕一人だけで女将さんがずっと喋りかけてくれた。
このお店は、妙見山へ行く道中のヘアピンカーブの内側にある。よくこんな場所にお店を作ったな!とも思ったが、25年ほど営業しているらしい。ヘアピンカーブなので、バイクが下からも上からも走ってきて、そのライディングを観察するとができるスポットでもある。
将来はお孫さんにお店を継がせたいと女将さんは言っていてが、どうなることやら。まあ、もうだいぶお年のようなので少しでも長く元気に営業してほしいものだ。お孫さんがもしあの店を継いだらライダーズカフェっぽくして欲しいな、と思ったりもした。

おわりに
久しぶりのソロツーリングは、当たり前のように楽しかった。天気も良かったので、何台ものバイクにすれ違ったし、ようやくバイクの季節がやってきたという感じがする。ただ、この記事を書いている今は昨日から雨が降っており最高気温も10℃ほどなので寒い。いったいここ最近の天気はどうなっているのだろうか。
昨年は九州へツーリングに出かけたし、大山にも行きソロツーリングで初めて一泊もした。今年はいつものバイク仲間と白馬ツーリングを計画しているし、ソロでも泊まりツーリングにチャレンジしようと思っている。
今年もまた、楽しいバイクライフが始まろうとしている。
