バイクに乗るうえで定期的なメンテナンスを欠かすと思わぬ事故やトラブルに繋がってしまいます。
メンテナンスと言えばタイヤ・エンジンオイル・ブレーキパッドなどが王道かと思いますが、スパークプラグも忘れてはいけません。
バイクを走らせるにはスパークプラグは必需品で、スパークプラグが弱ってしまうとバイクの調子が明らかに悪くなります。
今回はスパークプラグの基礎知識から点検方法、必要な工具まですべて紹介いたしますのでご自身の愛車のスパークプラグを点検する際の参考にしてください。
決して難しい作業ではないので今回を機会にチャレンジしてみましょう。
スパークプラグの役割
冒頭でも軽く触れましたが、まずはスパークプラグが担っている役割を紹介していきます。
スパークプラグとはエンジンの上部に取り付けられていて、バッテリーに蓄電されている電気がプラグコードを通り、エンジン内部で圧縮された燃料に点火するという役割を持っているのがスパークプラグです。
点火の役割を持っていますので、スパークプラグから適切な火花が出ないとエンジンの調子が悪くなり最悪の場合エンジンがかからなくなってしまいます。
スパークプラグの点検方法
それではスパークプラグの点検方法を紹介していきます。
バイク乗車直後にエンジンに触れると間違いなく火傷しますので、十分に冷えてから点検を行うようにしましょう。
また、プラグの外し方は車種により多少異なるので今回は割愛させていただきます。
必要な工具
プラグを外すにはプラグレンチというものが必要で、どのサイズにも合うように汎用の高い作りとなっていますので、持っていない方はここから購入しておきましょう。
発火部分の焼け具合
まずはプラグの発火部分の焼け具合を点検しましょう。
見分け方は大きく分けて3つあります。
- きつね色
- 真っ白
- 真っ黒
の3つです。
それでは1つずつ解説していきます。
まずはきつね色です。
きつね色に焼けていればエンジンのコンディションは良好で、特に問題ありません。
プラグがきつね色だった方次の点検項目に移動しましょう。
真っ白にプラグが焼けていた場合は異常燃焼が起きています。
異常燃焼とは、プラグの耐熱温度を超えた状態で使用し続けていると起こります。
主な原因として、エンジンの冷却水・潤滑油不足、プラグの熱価が高い、標準のプラグでサーキット走行が挙げられます。
対策としては、サーキット走行をしない方であれば冷却水やエンジンオイルを疑いましょう。
定期的に交換していない方はそれで改善されることが多いです。
サーキット走行をする方はプラグの番手が合っているかを確認しましょう。
サーキットでガンガン走るには標準プラグでは心もとないので、サーキットに行く予定がある方は事前に確認しておきましょう。
真っ黒な焼け具合の場合はエンジン内部のカーボンが付着している状態で、火花が真っ直ぐ飛ばず失火の原因となってしまいます。
原因は走行してもエンジンがあったまりきらない短距離しか走らないことが多い方や、電気系統に不良があるとこの状態になりやすいです。
ほかにもキャブレターの場合は燃調が合っていない可能性もあります。
電極部分の形状
プラグの焼け具合を確認したら、つぎは電極部分を点検しましょう。
電極部分は消耗してどんどん丸みを帯びていくので、角が取れて丸くなっていれば交換の時期です。
エンジンの調子が悪くなくても角が取れていた場合は交換しましょう。
プラグの清掃
せっかくプラグを外したのなら清掃してエンジン内部に戻しましょう。
ナイロン製のブラシで電極部分と発火部分、ネジ部の汚れを落としましょう。
この時に間違っても油などは付けないようにしてください。
発火部などに水分が着くと火花が正しく飛ばなくなり不調の原因となってしまいます。
プラグが被っていた時の対策
エンジンの不調の一つにプラグ被りというものがあります。
言葉の通りスパークプラグの電極部分や発火部分に燃料が被ってしまい正しく火花が出ない状態になってしまったことを指します。
始動性が悪かったり、エンジンが全くかからない場合はプラグ被りを疑いましょう。
プラグ被りの対処方を二つ紹介しておきますので、エンジンがかからない場合は試してみてください。
自然に乾くのを待つ
まずは自然に乾くのを待つです。
スパークプラグをエンジン内部から取り外して燃料が気化するのを待ちます。
何か拭き取るものがあればより早く乾きます。
出先でライターがない場合は自然乾燥させてエンジンの再始動を試みましょう。
ライターなどで炙る
2つ目はライターで炙るです。
自然乾燥同様にプラグを取り外してライターで電極部分を炙ります。
自然乾燥よりも早く乾かせるので、ライターがあればこの方法をおすすめします。
プラグの交換目安
わざわざプラグを取り外して点検するのはどうしても面倒ですよね。
スパークプラグは一般的には10000km~20000kmで交換と言われていますので、5000kmで一度点検を行い問題なければ10000kmから20000kmで交換というのが一般的です。
中古でバイクを購入された方は納車前にプラグの点検をショップに依頼しておくと心配ないでしょう。
プラグの種類
これまでスパークプラグの基礎知識などを紹介してきましたが、スパークプラグにも種類があるのでご紹介していきます。
プラグによってメンテナンス頻度も変わりますので、バイクの走行頻度や走行方法によって使用するプラグの種類を変えておくといいでしょう。
※実際の購入時には適合車種を確認してから購入してください。
レジスタープラグ
レジスタープラグとは一般的なプラグで、安価で購入できますので、一般道を普通に走行する分にはレジスタープラグで十分でしょう。
グリーンプラグ
グリーンプラグは電極部分の先端がV字になっているので、レジスタープラグに比べると着火性能が向上しています。
プラグに少しこだわりたい方におすすめです。
レーシングプラグ
名前の通りサーキットで全開、高回転での走行する方に向けたスパークプラグで、スパークしやすいよう電極部分が細くなっていたり、過酷な条件にも耐えられるようプラチナや白金といった金属を使い耐久性を向上させています。
またレース用に開発されていますので、エンジン性能の向上が見込めます。
値段も高価で寿命もレジスタープラグの約半分と言われていますので、サーキット走行する方以外にはあまりおすすめしません。
白金プラグ
白金プラグは電極部分が白金になっていて、着火性が高く高耐久なので、レーシングプラグほどではありませんが、加速性能向上と燃費の向上が見込めます。
コストはレジスタープラグよりも高いですが高耐久で、性能向上も見込めますので予算が合えば白金プラグをおすすめします。
まとめ
今回はスパークプラグを紹介しました。
一口にスパークプラグと言っても様々な種類があり、それぞれ特徴があるのでご自身にあったスパークプラグを選んで快適なバイクライフを実現しましょう。
それでは良いバイクライフを