12月にもなるとツーリングに行くのにも少しばかり悩む。積雪がある地方に比べるとここ兵庫県南部ではまだマシだが、それでも朝晩の冷え込みはそれなりのものだし、標高が高い◯◯高原などを選ぶと凍結の恐れもあるので、なるべく南へ南へと目的地を絞らなければならい。
2023年の12月は例年に比べると暖かい日が多く、ライダーからすれば最高だが、スキーヤーやスノーボーダーからすると迷惑以外の何者でもない。僕も数年前までスノーボードをしていたので、12月になると雪が待ち遠しかった。それでも今はライダーとして楽しんでいるので、この12月は非常に都合がいい。
今回僕が向かったのは、兵庫県の西の端にある赤穂市だ。その手前の海岸線を通る「播磨シーサイドロード」を走って向かうことにした。
播磨シーサイドロード
全道中を下道でも行くことは出来るが、早朝に出発しなければいけないので時間短縮のために高速道路で向かい、龍野ICで降りて播磨シーサイドロードを走ることにした。
播磨シーサイドロードは、龍野市御津(みつ)町岩見地区から相生市にかけての国道250号で瀬戸内の海を眺めながら走ることができる快走路だ。
ここを走るのは2回目で、前回は夏真っ盛りのうだるような暑さの中、走った。道中は海産物のお店などが点在し、特に牡蠣が有名でいたる所に「生牡蠣」や「焼き牡蠣」の看板が見える。ただ、あいにく僕は牡蠣が苦手なので素通りするしかない。牡蠣食べ放題!とか非常に魅力的だし、美味しそうに食べている人が羨ましい限りだ。
播磨シーサイドロードを走り、海が見えてきたらすぐに「道の駅 みつ」がある。休憩のために少しそこに立ち寄り海を眺める。ちょうどバイク置き場の前が眺望スポットになっていて、天気が良い日は瀬戸内の穏やかな海を見ることができる。
休憩を終えたら、一気に赤穂市を目指す。この日は交通量も少なく快適に走ることができた。アップダウンも少なく、適度なワインディングが続き、瀬戸内の海を眺めながらバイクで走るのは実に気持ちがいい。この道がどこまでも続いてほしいなと思ってしまう。
播磨シーサイドロードを走っていると、途中で「万葉の岬」という看板が出てくる。そこを左折して走っていると、また素晴らしい見晴らしのスポットにたどり着く。ただ今回はそのまま赤穂市を目指す。
相生市に入ると相生湾に「道の駅 あいおい白龍(ペーロン)城」が現れる。中国から長崎、そして相生へ伝わったペーロンにちなんで、外観は中華風のデザインの建物になっている。ペーロンとは詳しくは調べてほしいが、要するに手漕ぎボートの競争のようなものらしい。ここには立ち寄ったことはないが、興味があればぜひ行ってみるのもあり。
道の駅 あいおい白龍城を通り過ぎ、そのままひたすら赤穂市へ向かう。
元祖かもめ屋赤穂本店でステーキを食う
元祖というからには、似たような店があるのかと調べたところ、おさきかもめ屋という店の名前が出てきた。もしかしたら他にもあるのかもしれない。
かもめ屋は、初代主人が元々は海老の漁師をしていて、ある年、大量に海老が獲れたが売値が安かったため、どうにかして海老を活用する方法がないかと考えた末に海老のバター焼きを提供する店を始めたらしい。ところが今では海老がメインなのかステーキがメインなのかわからないぐらい、ステーキ屋さんとして認識されているのではないだろうか。
おそらく地元や近くの人にとって、このかもめ屋は有名店なのだろう。僕が到着したのが11時過ぎだったが、次から次へと客が入ってくるし、店の前の駐車場は店の何倍もの広さが確保されていた。
それもそのはず、海老とステーキの組み合わせは中々ない。というか出会ったことがない。シェフが目の前で焼いてくれるちょっとお高い鉄板焼きなどに行くと、海老を含む海鮮とステーキを順番に提供してくれたりするが、ステーキの上に海老が乗っかった提供方法は初めての経験だ。
今は海老をどこで仕入れているのか分からないが、さすが海老の漁師をしていたというだけあって、海老のサイズも中々のもので、車海老?と思ってしまうぐらいだ。
今回僕が注文したのは、おすすめの「かもめ屋Cランチ」でお値段2,600円。ランチ、と考えると高いが結果的にコスパは良い。熱々の鉄板の上に、ステーキが一枚、デカめの海老が一尾、玉ねぎ、ピーマン、なす、人参、こんにゃくが乗っている。それに加えて、白ごはん、味噌汁、漬物、サラダのセットだ。
特製のソースがかかったステーキは黒毛和牛。程よい焼き加減で柔らかくジューシーで美味かった。海老のバター焼きも食べやすいように殻が途中まで剥かれていてプリプリの食感が味わえる満足のいくものだった。意外に美味い!と思ったのはこんにゃくだ。こんにゃくなんてそんなに味がしないだろうと思って食べたが、ソースが絡まり美味しく食べることができた。
そして驚くことに、提供時間が速い。注文してから体感では5分もかかってないのではないだろうか。なんせサラダの次にステーキが出てきて、後から白ごはんや味噌汁が出てきたぐらいだ。これだと多少混雑していても回転が速そうなのでそこまで並ばなくてもいいかもしれない。
まとめ〜万葉の岬
ステーキに満足したら来た道を戻り、再び播磨シーサイドロードを走る。途中で右折し、万葉の岬へ行くことにした。高台になっていて、そこには何かレストラン?のような施設があり、抜群の景色を見晴らすことができるスポットがある。天気が良い日に眺める瀬戸内の穏やかな海は非常に気持ちが良いからぜひ立ち寄ってみてほしい。
これからの季節、播磨シーサイドロードは冷え込む朝などは凍結の危険があるかもしれないが、晴れた日の日中なら快適に走ることができると思う。もし行かれるなら、是非とも赤穂まで走って海老とステーキを味わってみてほしい。もちろん、牡蠣の食べ放題を堪能するのもありだと思うが・・・帰りにお腹を下すことになっても自己責任で。
この冬、山間部は冷え込み雪や凍結の危険があるので、今後も南へ南へツーリング計画を練って走りたいと思う。