約2年前まで京都に住んでいた。地元の兵庫を出てから20年ほど京都で過ごした。にも関わらず、市内からすぐに行けるというのに、比叡山延暦寺には行ったことがなかったのだ。なんとなく、遠い昔に行ったことがある気になっていたのは比叡山そのもので、京都市内から滋賀県へ抜ける道があり、その道を通っていただけだったのだ。
実はこのことは、今回、延暦寺に行ってみて初めて気がついたことだ。行った気がしていただけで、見るもの全てが新鮮で「あ、なんとなく覚えてる」みたなところがひとつもなかった。それもそのはず、行ったことがないのだから。
ということで、紅葉の時期には少し早いが「比叡山ドライブウェイ・奥比叡ドライブウェイ」を走ってきたので軽くレポートしていきたい。
比叡山ドライブウェイ・奥比叡ドライブウェイ
比叡山ドライブウェイは、滋賀県大津市の田の谷峠から延暦寺東塔(根本中堂)や比叡山頂を結ぶ約1.8kmの有料道路となる。延暦寺東塔を過ぎるとすぐに奥比叡ドライブウェイとなり、滋賀県大津市の仰木ゲートまで約11km続く有料道路となっている。
なぜ途中からドライブウェイの名前が変わるのかというと、運営会社が違うからだそうだ。それにより、通行料金がややこしく設定されており、各ポイントでゲートを通過するかしないか、どこで折り返すか、それとも縦走するのかで料金が変わってくる。そのため、有料道路には珍しい後払い(出る時に精算)となっている。
世界文化遺産 延暦寺
延暦寺に詳しいわけではないので、説明は簡単なものになるが、延暦寺は大きく分けて3つのエリアで構成されている。比叡山ドライブウェイにある「東塔地域」には延暦寺の本堂にあたる国宝の「根本中堂」がる。そして奥比叡ドライブウェイに「西塔地域」と「横川(よかわ)地域」がある。
なので一口に延暦寺と言っても、見る場所は3ヶ所の地域があり、それぞれの地域にはまた細かくお堂などがあるため、全てを観て回ろうとするとそれこそ1日がかりだ。それぞれの駐車場に停めて徒歩で参拝するので歩く距離もなかなかのものになるだろう。
ちなみに延暦寺は、1200年以上もの歴史を持つ天台宗の総本山。国宝的人材育成の学問と修行の道場として、法然・親鸞などの日本仏教各宗各派の名僧を多数輩出し、日本仏教の母山と呼ばれている。さらにその歴史と伝統が高い評価を受け、平成6年にユネスコ世界文化遺産に認定された。
本記事では、延暦寺について詳しく書くつもりはないので、延暦寺のことを知りたい方はご自身でネットで調べて欲しい。よっぽど詳しく正確な情報が出てくるだろう。
田の谷峠から比叡山ドライブウェイへ
今回は、名神高速道路の京都東ICで降り、滋賀県側から田の谷峠料金所へ向かった。京都東ICで降りたら湖西道路を走り近江神宮ランプで出て山道を走る。しばらく走ると右手に田の谷峠料金所が現れる。料金所では通行券を取るだけで、そのまま比叡山ドライブウェイへと入る。
通行券は各ポイントで必要となる場合があり、そこで通行記録をチェックするのだろう。その記録をもとに料金を出口で精算するシステムになっている。ちなみにカード決済が可能なのでありがたい。
ドライブウェイへ入ると、有料道路なのでそれなりに整備されているが、季節柄なのか所々落ち葉が浮いているので気をつけて走る必要がある。とはいえ、一般道路に比べるとかなり走りやすい道で、適度なワインディングを楽しみながらバイクを走らせることができる。
バイクで走りやすい道路ではあるが、景色はというとそこまで期待しない方がいい。ほとんど両サイドを木々に囲まれた道を走ることになり、見晴らしのいい開けた道はあまりないので、純粋に走りを楽しむだけとなる。
途中で山頂へ別れるルートがあるので、興味がある方は山頂へ行ってみるのもいい。広い駐車場があり、ここでは景色を楽しむことができる。
山頂から降りると間もなく、東塔地域の駐車場へと到着する。延暦寺の本堂となる「根本中堂」があるエリアだ。ここで入館料1,000円を払うと残りの2地域にも入ることができる。
奥比叡ドライブウェイ
根本中堂がある東塔地域をあとにするとすぐに奥比叡ドライブウェイに入る。どこで奥比叡ドライブウェイに入ったのか分からないぐらいだ。奥比叡ドライブウェイも比叡山ドライブウェイと同じように木々に囲まれた道を走るので景色は期待できないが、適度なワインディングは楽しめる。
楽しい、と思っているのも束の間、西塔地域がすぐに現れるので一旦バイクをとめる。一応、参拝はしてすぐに先へバイクを走らせる。ここから最終の横川地域までは少し距離があるのでライディングを楽しめる。
横川地域でも軽く参拝を済ませたら、そのまま滋賀県の仰木ゲートまで走って出るか、引き返すかの2択だ。
今回僕は、来た道を引き返し田の谷峠で精算した。料金は2,260円。以前行った伊吹山ドライブウェイを超えるお高めの料金だった。
まとめ
比叡山ドライブウェイを出たら、京都市内の北白川別当へ続く山中越えを走る。この道は狭く交通量も多いので快走路ではない。ひたすら山道をゆっくりバイクを走らせるだけなので退屈ではある。
バイクで走るのがメインの目的なら、料金を考えるとあまりオススメできるバイクツーリングスポットではないが、世界文化遺産の延暦寺も楽しみたいという方なら、満足できるのではないだろうか。
もし延暦寺もじっくり楽しみたい、というのなら時間に余裕を持って行ってほしい。午前中だけや午後だけでは存分に参拝することは厳しいだろう。また今回は、紅葉の時期ではなかったが、木々に囲まれた道を延々と走るので紅葉の時期にはさぞかし綺麗に色づいた木々を見ながら走ることができると思う。
バイクでツーリングに行くにも、人それぞれ楽しみ方があるが、たまにはこんなツーリングもいいのではないだろうか。延暦寺の荘厳な雰囲気に包まれると、なんだか心が洗われた気分になる。