JSB1000開幕戦!鈴鹿2&4レース2024〜レース観戦初心者のレポート

爆音を轟かせながら時速300km以上で通り過ぎていくバイクを必死に目で追いかけていると、あれに人が乗っているのか?と不思議な感覚になってくる。と同時に観てるこっちまでアドレナリンが溢れ出てくる。
鈴鹿サーキットに行ってきた。初めてのレース観戦だ。

今までレースとは無縁の生活をずっと過ごしてきた。ところがバイクに沼り出してからMotoGPを見るようになり、ついにサーキットまで自分の足で観戦しに行くようになってしまったのだ。こんな記事を書いているが、レース観戦は全くの初心者だ。観戦はもちろん、サーキットに足を踏み入れたこともない。

今回は、そんな僕のレース初観戦をお届けしたいと思う。全てが初めての経験だったので、レース観戦の常連さんたちには面白くもなんともない当たり前のことしか書いていないと思うのでご理解いただきたい。

目次

チケットを入手

今回たまたま、ちょっとしたコネで鈴鹿2&4のペアチケット(自由席)を入手した。元々行こうと思っていたからラッキーでしかない。おそらく、購入すると前売りで4000円とかだと思う。VIPエリアになると一般庶民の僕には手がでないが、いつかは行ってみたい。
加えて、ピットウォークパスというものがある。ピットエリアに入場できて、各マシンを間近で見ることができ、選手にサインをもらったりすることができるパスだ。これが一人3000円だったが、せっかくなので購入した。

当日は車で行こうか、バイクで行こうか考えてみたが、まず駐車場を調べるとサーキット内の駐車場は予約制となっている。一応金額を調べたところ、ちょっと曖昧な記憶だが3000円か4000円ぐらいしたと思う。高いな・・・でも仕方ないか、と思っていたら既に駐車場のチケットは売り切れていたのだ。
すかさずサーキット周りの駐車場を調べることにした。例えば「コインパーキングとかなら取り合いになるだろうな・・・」なんて思っていたら、サーキット周りにレース期間だけ貸してくれる駐車場が沢山出てくる。大抵は1日1000円で、これなら安い。
バイクの駐車場もサーキット内にはあるみたいだが、チケットの買い方がわからないし、当日行ってみて満車だったことを考えると悩ましいところだ。
ただ、よくよく考えてみると1ヶ月以上も先の予定なのに、当日の天気がわからない。もしバイクで行って雨でも降った日にはレース観戦どころの話ではない。やはりここは車で行くことに決めた。

鈴鹿F1KKMパーキング

ということで僕が予約した駐車場は、第1コーナー横にあるパーキングで、サーキット入り口まで徒歩7分程度。これぐらいなら余裕で歩ける。

(このあたりのことが、レース観戦初心者にはわからないのだ。チケットの種類や金額、どの席がいいのか、駐車場はどうすればいいのかなど手探り状態でレース観戦に臨むことになる。)

これで準備は万全。あとは当日を待つだけだ。

初めての鈴鹿サーキット

今回はペアチケットなので、知人を誘い車で向かった。鈴鹿インターで降り、鈴鹿の街を走ると、まあレース以外では何もない普通の田舎の印象しか受けない。ただひとつ、普通の田舎と違うのは、バイクや車関連のお店などがちょこちょこある、ということぐらいだろうか。HONDAドリームや、ドカティのディーラー、南海部品や、車のカスタム屋さんなどがサーキットに近づくにつれて増えてくる。鈴鹿サーキットで成り立っている街なんだなと改めて感じた。

駐車場に車を停めると、既に爆音がサーキットから聞こえてくる。おそらくフリー走行でもしてるんだろう。

そして満を持して、サーキットへ足を踏み入れる。入り口でチケット見せて入場!!と同時に飛び込んでくるどデカい会場と人混み、響き渡るエンジン音と音楽で、そこはもうお祭り騒ぎだ。急にテンションが上がる。(実は駐車場に到着した時点でテンションは爆あがりだった)

お祭り気分でブースを巡る

入り口を入るとサーキットの外側?には色んなブースが出店されていた。バイクや車のメーカー、アパレルなどの販売、飲食ブースなどである。
当然お祭り気分にまんまと乗せられた僕はブースをウキウキと見て回る。バイクに跨がれるコーナーではとりあえず跨ってみる。なかでも僕はHONDA党なので、最新のCBR1000RR-Rにはシビれた。もちろん跨って記念撮影を人混みの中、ちょっと恥ずかしいけどしてきた。

HONDA GOアプリの登録を促すキャンペーンもやっていて、アプリを登録するとHONDAのフラッグとステッカーがもらえるというもの。みんなブース前で必死に登録を済ませて、フラッグなどをゲットしている。僕はといえば、既に以前からHONDA GOアプリは登録して使っていたのですんなりもらうことができた。

CBR1000RR-Rに跨り浮かれている筆者
日本郵便で浮かれている筆者(JAPAN POST Honda Dream TP)

ピットウォーク

JSB1000の開始前にピットウォークがある。今回の目玉のひとつだ。もちろん初めてなので、何が起こるのか期待に胸を弾ませて集合場所の逆バンクトンネルへ向かう。逆バンクトンネルは最終コーナーの手前らへんにある。向かってみると既に長蛇の列で、僕らが並んだ後からもどんどん人が並んでくる。
この人数が一気にピット前に集まることを考えると恐ろしい。

結論から言うと、ピットウォークは非常に楽しめたし興奮もした。レースマシンを目の前でマジマジと眺めることができるし、お気に入りの選手がいればサインをもらうことも写真を撮ってもらうことも出来たりする。加えてレースをより華やかなものにするレースクイーンも寒空の中、頑張っていた。

僕はといえば、JSB1000の初心者、そもそもレース観戦の初心者なので日本の選手に推しは今のところいない。ただ、今年一番の目玉と言っても過言ではない、ドカティのJSB初参戦がある。JSB初観戦の僕からしたら、JSB初参戦のドカティチームには勝手に少しばかり親近感があるのだ。そしてそのドカティのマシン、パニガーレV4Rに乗るのが、イケメンの水野選手だ。注目の的とあってか、それともイケメンだからか、水野選手のサインをもらう行列は他の選手に比べて多かったように思う。心なしか女性ファンも多かった気がする。

前情報によるとドカティ(DUCATI Team KAGAYAMA)は、イタリアからエンジニアを送り込んでくるぐらい本気らしい。そしてこのチームの監督を務めるのが、かつての名ライダー加賀山就臣さんだ。(ちなみに僕と同じ歳らしいが、同じ歳でもえらい違いがあるものだ)

と言うわけでミーハーの僕も水野選手にサインをもらい、おまけに写真まで撮ってもらった。

水野選手とパシャリ

写真を見てもらえればわかると思うが、顔が小さくて肌もツルツルな上にイケメンで、さらに愛想が良いときたもんだから、これはもう応援するしかなさそうだ。HONDA党で日本人の僕としては、海外勢であるドカティを応援するのは少しばかり気が引けるが、ドカティというより水野選手個人を応援したいと思う。

ピットウォーク終盤になると、マシンの調整なのかエンジンをかけて爆音を轟かせるチームが増えてきた。これも貴重な体験で、サイレンサーなしのレースマシンの爆音を間近で聴けるんだから、もうヨダレもんだ。超カッコいいレースマシンと排気音の組み合わせで、軽くご飯3杯はいける。

2023年チャンピオン YAMAHAファクトリーチーム 中須賀選手のマシン

レースクイーン〜需要と供給のバランス

さて、このお祭り騒ぎのレースをより一層引き立てて盛り上げる華やかな存在であるレースクイーンにも触れておこう。レースという、男社会においてレースクイーンの存在は、一見必要ないのかもしれないと思ってしまうが、これにも需要と供給のバランスがあり、僕の中ではある意味必要だと結論づけている。

ピットウォークを順番に歩いていくと、全部ではないが、チームのピット前にレースクイーンが立っている。一人のチームもあれば、2人や4人のチームもあったり様々だ。そして必ずその前は人だかりになっている。ただ、その人だかりが何なのかは、ピットウォークに慣れてくると分かるようになる。選手にサインを求める人だかりや、マシンを眺める人だかりと違って、大抵濃い色の服を着て(ほぼ黒が濃いグレー)、でかいレンズを付けた一眼レフを持っているオジサンの集団だ。その場合は、間違いなくレースクイーンがオジサン集団の前に立っている。

当日は気温が低かったので、めちゃくちゃ寒かったと思う

まあ、レースクイーンは水着まではいかないものの、少しばかり露出があり、スタイルもよく美人が多いので写真を撮影したい気持ちはわかるが、傍目からそのオジサンたちを眺めていると実に気持ち悪い。我こそはとカメラを向けて必死に撮影しているのだ。レースクイーンの女の子たちも顔を作ってポーズを決めて、そのオジサンたち相手に愛想を振り撒いている。バイクの写真を撮らずにレースクイーンを撮影するオジサン。ちょっとばかし異様な光景だが、ここにも需要と供給のバランスがあるらしい。と、一緒に行った知人から教わった。

レースクイーンは有名になりたい(モデルや女優などを目指す子も多いらしい)ので、色んなメディアなどに露出できる機会が欲しい。そのためにレースクイーンをやっていて、オジサンたちが写真を撮影してSNSなどで拡散してくれることで世間に広まることもある。良い写真が撮影できたらSNSなどを通じてその女の子たちに写真をプレゼントすることもあるとのこと。なのでレースクイーンたちは必死に愛想を振り撒いているが、それは単に仕事上だけのものではなく、有名になりたいから気持ち悪いオジサンたちにも笑顔で応えるのだそうだ。

オジサンはといえば、もちろんカメラが趣味の人が多いのだろうが、例えば街中で若い女の子を勝手に撮影してしまうと、それはもうただの盗撮になってしまい下手すれば痴漢呼ばわりされてしまうことだろう。ところがだ、レース会場でレースクイーンの撮影に関しては、正々堂々とできるのだ。合法的に若い女の子をいくらでも撮影できる。これはカメラ好きのオジサンにとっては千載一遇のチャンスでしかない。目的が趣味のカメラ撮影だろうが、レースだろうが、若い女の子だろうが、エロだろうが、誰に何を咎められることもなく自由に撮影できるのだから需要しかない。

大抵、カメラに向かってちゃんと目線をくれるからプロだね

需要と供給のバランスが見事に成り立っている。レース主催者からしても、チケットが売れるんだから文句はない。チームからしてもレースクイーンを採用することで、チームの宣伝にもなるからOK。レースクイーンも有名になりたいから安い日給でも問題なし。オジサンもチケット代は必要だが、合法的に若い女子を撮影できるので安いもんだ。
一見気持ち悪い光景でも、角度を変えて見てみるとそこに隠れた理由が見えてくるから面白い。

4人とかになるとオジサンの数も増える

JSB1000がスタート

ピットウォークが終わると、いよいよJSB1000が始まる。時間はちょうど12時ごろなので、飲食ブースはどこも行列だ。この日の気温は低く、風も冷たかったので温かいものでも食べたかったが大行列に並んでいるとレースの時間に間に合わなそうなのでお昼ご飯は後回しにした。

自由席は入場できるエリアがもちろん限られているが、どこにもそんな案内なんて書いていない。(自由席の入り口はこっちです!みたいな看板があっても良さげだが)インフォメーションで聞いて自由席を確認する。

V1と書かれたところがメインスタンドの自由席。あとは緑の部分が自由席らしい。レース観戦、鈴鹿初心者の僕はどこが一番良いポイントなのかわからないので、とりあえずメインスタンドのV1席から観戦することにした。カーブをどんなスピードで曲がって行くのかも気になったが、とりあえず初めての観戦なのでレースマシンが直線をどんなスピードで走り抜けて行くのかを先ず体験したかった。

まずはピットからマシンが一斉にスタートし、1周し終えたところで、スターティンググリッド上に各チームのマシンが並ぶ。そして準備が終わるとウォームアップ走行が始まる。もう、ウォームアップ走行の時点で大迫力だ。当たり前かもしれないが、ウォームアップと言ってもかなり速い。僕なんかが真剣に走るより余裕で速いだろう。

そしていよいよスタート。各車揃い、フラッグを持つ人がコースから出るとシグナルが点灯する。それまで静かに時を待っていたマシンが一斉にうなりをあげ、シグナルが消えると同時にロケットスタートしていく。この時の爆音と迫力といったら、鳥肌もんだ。思わず「すげえ〜!!」と声が出てしまう。一瞬にして第1コーナーへとマシンが消えていく。

先頭を走る水野選手と、2番手を走る中須賀選手

何周かしたところで、誰かが転倒したらしく赤旗が振られる。レースが中断され、各車ピットに戻っていく。なんだ?と思っていたら、仕切り直しの再スタートになるらしい。10分後ぐらいだろうか、またマシンがピットからコースに出てスターティンググリッドに並ぶ。ウォームアップ走行を終えて、再スタートだ。

今度はドカティの水野選手がトップで走っている。頑張れ!と応援していたのも束の間、YAMAHAファクトリーチームのベテラン中須賀選手がトップを奪う。さすが・・・と思っていたら、また誰かが転倒したらしく次はセーフティーカーが出てきた。セーフティーカーに続いて各選手が順序よくコース上を走行していると、またまた誰かが転倒した。
14周のレースで11周だったこともあるのか、レースはそこで終わってしまった。

何ともあっけない幕切れだったが、結果は、1位:中須賀選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、2位:水野選手(DUCATI Team KAGAYAMA)、3位:岡本選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)

表彰台を飾った3台は、ゼッケン1番から3番の選手で、そのうち2台はYAMAHA FACTORY RACING TEAMという結果だ。それにしても、ドカティがJSB初参戦で2位に入るとはすごい。パニガーレV4Rがすごいのか、水野選手がすごいのか、おそらく両方だろうが、とにかく水野選手おめでとう!

まとめ〜モータースポーツが盛り上がることを願って

JSB1000のレースが終わると同時に、その後のスーパーフォミュラーを見ずにサーキットを出ることにした。帰宅渋滞に巻き込まれないためだ。想像以上の迫力とお祭り騒ぎの楽しさで興奮したまま帰路についた。

また来年、鈴鹿で開幕戦が開催されるなら行きたいと思っているが、次回はもっと快適に観戦できる対策をしたい。まず、寒さ対策だ。3月の上旬なので思いのほか寒い。気温は5℃とか7℃とかで、鈴鹿市街から見える山々にはまだ雪が残っているぐらいだ。しっかりと防寒対策をする必要がある。
次に、食べ物と飲み物。飲食ブースで購入して売り上げに貢献したい気持ちもあるが、あの大行列はちょっとしんどい。観戦中でも温かい飲み物が飲めるように水筒を持参したり、軽食を持っていく方がいいだろう。
そして自由席を購入するなら、席取り用のテープなどがあればいい。席は上に向かって階段上になっているので上の席の方が見やすい。なので上の席から順に埋まっていく。席にビニールテープなどを貼って席取りしている強者をちょこちょこ見かけたので次回は僕も真似したいと思う。加えて、座席に敷ける座布団的なものがあればお尻も冷えないので少しは寒さ対策にもなるだろう。

(追記:2024年3月14日)自由席にテープを貼って席を取るのはサーキットで禁止されてるとのこと。自由席は席を譲って皆で楽しく観戦しましょう。僕もテープはやめます。

この光景を見るだけでテンションが上がってしまう

海外、特に欧米ではモータースポーツが盛んで人々に親しまれているらしい。MotoGPの中継を見ているとわかるが、とてつもない数の観客が殺到している。世界中のメディアで有料の放映が行われており、レースがもたらす経済効果も多大なものだろう。
今回行ってみて分かったが、特に車やバイクが好きでなくても、あのお祭りに参加することは楽しいし、爆音と迫力満点のレースを観戦するのは非日常感があって家族でも楽しめる。
ただ、やはりレースを開催するとなると莫大な費用が必要になってくるので主催者側も大変だ。モータースポーツファンが増えて、観戦人口が増えると日本でもレース開催の回数が増えるだろうし、もっと気軽に楽しめるものになると思う。少しでもモータースポーツファンが増えることを願って、僕も微力ながら発信を続けていきたいと思う。

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この記事を書いた人

本メディアの運営者。久しぶりにバイクに乗るために、古物商許可を取得しバイクオークションを始める。兵庫県在住、猫2匹と暮らすリターンライダー。愛車はCB400SF NC31 Version-S→CBR954RR(現在)
バイカーの皆様にとって楽しく役に立つメディアを目指し現在奮闘中。

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