正直に言うと、リッターSSの排熱をなめていた。低温火傷するとか、暑くて夏は乗れないとか、色々と耳にしたりすることはあったが、「そんな大げさな・・・」ぐらいにしか考えていなかった自分が甘かったのだ。
本記事の執筆時点で6月、気温は日中は27度前後まで上がる。ちょっと排熱が熱いな、と思ったのが4月ごろからだろうか。5月にインナーヒートガード買い、何度か乗ってみたのでその感想をダラダラと述べていきたい。
まずサイズ選びが難しい
僕は身長が178cmで、ガリガリではないが太ってもいないと思う。そこでチョイスしたのがXLだったが、これが意外とキツイ。最大サイズがXLなので、僕以上に太い人なら厳しいかもしれない。
ウエスト部分は伸縮性はあるが、履いてみると意外とキツいので、ウエスト部分の糸を切って締まりを緩くした。それでも少しキツいので、今後また糸をさらに切ろうと思っている。一体これを作った人はどういう考えでサイズを決めたのだろうか。ライダーの大半はオジサンで、オジサンであれば多少なりともお腹に肉がついている人が多いというのに、明らかにサイズ選定ミスだと思っている。
ただ、キツいのはウエストだけで、脚の部分は違和感なく普通に履けるので、ウエストさえクリアしてしまえばアリだと思う。
股部分のパッドは要らない
インナーヒートガードなので、脚部分にヒートガードが付いているのは分かるというか大前提だが、なぜかこの商品には股からお尻にかけてパッドが装着されている。パッドといってもカチカチのものではなく、スポンジみたいなものが付いているのだ。
履いてみるとこれがまた邪魔で仕方ない。オムツをつけたことは無いが、まさしくオムツを履いているかのような気分になる。とにかく股部分がゴワゴワして気持ち悪いので、これは外した方が良い。着脱式では無いので、これも糸を切って外すということになる。
おそらく開発者は、バイクに乗る時に股からお尻にかけてパッドがある方が振動や衝撃に優しいと考えたのであろう。確かに長時間バイクに跨っているとお尻が痛くなるので、一見理にかなっているのだが、逆に不快になるものを付けてしまっている。このパッドは要らないから金額をもう少し安くしてほしいところではある。
長さが中途半端
画像を見てもらうとわかると思うが、膝下はスネの途中までしかない。なのでスネより上部の排熱は防げるが、足首あたりの排熱には効果がないのだ。
レース用のライディングブーツを履くなら問題ないかもしれないが、そもそもそんなブーツを履く人はレザーパンツやツナギを着ているからインナーヒートガードは必要ないと思う。
結論:色々と問題はあるがアリ
結論として、僕は購入して良かったと思っている。ウエストのキツさ、股部分のパッド、足首周りの排熱など問題はあるが、履くのと履かないのとでは全然違うことを実感している。
先日、CB400SFを乗っていてその後にCBR954RRを乗った時のことだ。その時はCB400SFでツーリングに出かけていて、帰宅時に5kmほどCBR954RRを乗る予定だったので、インナーヒートガード無しで乗っていた。スーフォアも排熱はあるが、400ccだしそこまで熱くはない。ニーグリップもしっかりできるぐらいだ。
しかしその後にCBR954RRを乗ると、みるみるうちに水温が上がり排熱がエグいことになってきた。デニムを履いていた僕は954でニーグリップができない程の排熱を体感したのだ。
もちろん春先から排熱がすごいことは分かっていて、多少なりとも熱いと感じていたのでインナーヒートガードを購入したのだが、まさかここまでとは思っていなかった。
この先、梅雨が明けて夏本番になったとき、いったいどれほどの熱さになるのだろうか。ただ僕にはインナーヒートガードがある。我慢できる程度には熱を防いでくれると信じたいところだ。
これからの季節、私服でリッターSSに乗る人にはオススメしておきたい。