初めての鈴鹿8耐は想像以上にやばくて観戦するのも暑さとの戦いだった(2025年)

バイク界では「真夏の祭典」と称される、鈴鹿8時間耐久ロードレース。真夏の灼熱地獄ともいえるなか、8時間の耐久レースはライダーの体力を奪い1回のレースで数キロも痩せると言われている。もはや生死をかけた戦いと言っても過言では無い気がする。
しかしながら、観客も全国各地から熱中症の危険を省みず鈴鹿に集まるのだ。観客にとっても生死をかけた戦いである。

そんな鈴鹿8耐に初めて参戦したので、感想をダラダラと述べてみることにしたい。(今回参戦したのは、土日の2日間)ただ、レースの詳細や途中経過などについてはYouTubeなどで沢山アップされると思うので、そちらをご覧いただいた方が分かりやすいと思うから、本記事ではあまり触れない。
ちなみに正式名称は「2025 FIM世界耐久選手権 “コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会」

目次

チケット購入から戦いは始まっている

今年のチケット販売開始は6月1日で(その年によって違うのかもしれない)、事前に希望するエリアなどを選んでおく必要がある。自由席なら売り切れることもないのでのんびり購入すれば良いが、指定席を購入するなら間違いなく販売開始と同時ぐらいに購入手続きを進めないと希望する場所が取れない。

私も6月1日の販売開始後すぐに手続きを進めたが、みるみるうちに席が埋まっていくのだ。なんとかV2指定席の端っこの上の方で、この辺なら屋根があって日陰にもなりそうだな、という場所を確保することができた。
とにかく太陽にビビり散らかしているのである。熱中症にでもなってしまった時にはせっかくの鈴鹿を楽しめないし、それなりにお金を使って観戦しに行っているのでもったいないことこの上ない。

チケットの値段は、V2指定席で18,800円だ。(3日間通し)これを高いと思うか安いと思うかは自由だが、僕はちょっと高いと思う。とはいえ、これぐらいの金額にしないと運営もできないのだろう、とも思うから仕方がないとも思っている。

下の画像を見てほしい。

これは8耐前日の8月1日にチケット購入画面をスクショしたものである。見事に高価格帯のVIP的なエリアは全て売り切れとなっている。何名でいくら、というような席なのだが、ほとんどが10万円越えで一人あたり3万円以上するような席だ。いつか仲間を集めて優雅に観戦してみたいものだ。VIPには至っては一人10万円程度するから世の中お金持ちはいるんだなと思い知らされる。


どこかの誰かが言っていたが、飛行機を1回飛ばすのにはファーストクラスとビジネスクラスの売上だけで十分なのだそうだ。要はエコノミークラスは、ファーストとビジネスのお客さんのおかげで飛ぶことができるということになる。このVIP戦略を鈴鹿8耐に当てはめると、自由席の人はVIPエリアの人のおかげで観戦できている、と解釈できるが果たしてどうなのだろうか。
実際はどうであれ、このようなイベントではVIPの人たちが落とすお金のおかげで運営できているというのは間違いないだろう。(スポンサーなど色々な要素が他にもあるだろうが)

ちなみに、もちろんその下のV2指定とV1指定も完売である。大人だと最安値の自由席が6,800円だから、どこでもええねん!という方はある程度気軽に行けるかもしれない。

観戦エリアMAP

パーキング予約も忘れずに

ここで忘れてはならないのが駐車場問題だ。チケット購入と同時に駐車場のチケットも購入しないと、これまたすぐに売り切れてしまう。サーキット外の民間駐車場もすぐ近くにあるので、心配な方はチケット購入前から民間のパーキングを予約しておくのもいいかもしれない。今回私が購入した駐車場チケットは3日間利用可能なサーキットの駐車場で8,700円だった。
大人2名V2指定+駐車場=合計46,300円。それに交通費(高速代+ガソリン代)と飲食費、宿泊費、グッズ購入やお土産代もプラスされるので、なかなかの出費となる。。。

あと、今回私が予約した駐車場は、下図でいうP7だったんだが、駐車場から遊園地を通り抜けてサーキットまで歩く必要があるので、実はまあまあ遠いのだ。時間にして10分以上は歩いた気がする。それを考えるとサーキットのメインゲート近くの民間駐車場を予約した方が実は近いのかもしれない。(知らんけど)

鈴鹿サーキットの駐車場を予約すると電子チケットが発券される。パーキングゲートでその画面をスマホで見せると、下のような札をもらえるので、それを車のミラーなどに吊り下げて車を進めると誘導員が「こっち!」みたいな感じで予約したエリアまで誘導してくれる、というわけだ。

2日目はこの札を吊り下げておくとゲートをそのまま通過できる。まあ、3日間で8,700円なら安いが、これが1日だと割高に感じてしまうのでやはり鈴鹿8耐は2日間か3日間参戦することをおすすめする。
ちなみに、少しでも近い方が良い人はP6を購入すると良いだろう。P7よりは少し高くなるが屋根付きでもある。屋根がある方が帰る際に車内が暑くならなくていいかも?とも思ったが、どのみち帰る頃には日が落ちているのであまり関係ない。

ホテルの手配は一番最初に

そうそう、宿の確保も早めにしないと、とんでもなく遠くまで行かなかればならないか、ビジネスホテルなのに高級リゾート並の値段を取られてしまうので、これも要注意。ある程度の期間までキャンセル無料のホテルなら、万が一チケットが取れなくても安心なので、ホテルもチケット購入前から早めに予約しておくことをおすすめする。

私の場合、事前にホテルを予約したのだが四日市のホテルでサーキットから車で1時間ぐらいかかる。ごく普通のビジネスホテルだが、大人2名で17,000円もした。元々は2名で26,000円のビジネスホテルを同じ四日市で予約していたのだが、もっと安いところないのか?と探していたところ、17,000円のホテルを見つけたのでそこに変更したのだ。

今回土曜日が8月2日だったのだが、四日市の祭りとかぶっていて市内の繁華街は人だらけ。祭りのせいもあるのか、ちょっと治安が良いとはいえない状況で、ホテルの周りは大阪ミナミの宗右衛門のような雰囲気だった。ホテルの宿泊客も鈴鹿8耐目的の人が多数見受けられた。
私が四日市の祭り担当者なら、鈴鹿8耐と日程はずらすだろう。祭りで市内の飲食店などは大繁盛するし、鈴鹿8耐でもホテルや飲食、コンビニ利用は見込めるだろう。わざわざ同じ日にしなくても、1週間ずらすだけで経済効果は大きいと思う。仮に同日開催の場合の経済効果を100とすれば、別日開催だと70と70で140ぐらいの効果は見込める気がする。事実、私はコンビニが長蛇の列で買い物を諦めたんだから。

まとめると、ホテル予約→(民間P予約)→チケット購入→Pチケット購入、という流れがベストかなと思う。

車で行くかバイクで行くか問題

結論から言うと、私的には車をおすすめしたい。

まず、暑さ対策グッズや着替え、お土産などを気兼ねなく積み込めるのは車だからだ。サーキットへの出入りに多少渋滞はあるものの、何時間もかかることはないので車がベターだ。日曜日には出入りで渋滞はしたが、10分とか20分とか程度なので余裕だ。出入りで渋滞してしまうとバイクといえどもすり抜けなどできる状況ではない。警備員が誘導をするのでバイクであろうと止められてしまう。
それに暑さでバテた身体を車のエアコンが回復に導いてくれる。散々汗をかいて暑さに耐えた後に、さらに装備を身につけてバイクに乗ってまた暑い中帰らなければならないのは、もう地獄。バイクで参戦している人も沢山いたが、尊敬に値する。私にはできそうにない。

私は兵庫県から参戦したが、鈴鹿まで高速を使って約2〜3時間程度。日曜日に帰宅したのが、23時前だ。2日間の参戦で疲れた中、夜の高速をバイクで帰るなんて想像しただけで事故りそうだ。今回は2日間とも晴天に恵まれたが、雨でも降ろうもんならバイクでの参戦はもはや修行レベルに過酷さを極めるだろう。

とにかく、鈴鹿8耐久の戦いは本番の数ヶ月前からすでに始まっているのだ。ライダーやチームが準備を進めているように、観客も着々と準備を進める必要があるので、「あ、今年は8耐いこ〜!」というように思いつきで気軽に参戦できるような生ぬるいレースでは無いということを肝に銘じ、心して参戦してほしい。

暑さ対策を万全に

年齢を重ねるにつれ、暑さに耐性がなくなってきている。と感じているのは私だけではないだろう。
近年の暑さは異常である。ちょっと外出して炎天下の中を歩こうものなら、すぐに軽い熱中症っぽい症状が出てくる。こんな暑さの中、よくバイクに乗ってツーリングに出掛けていたなと毎年思う。
バイクでツーリングに行くとなると、ほとんどの人は夏でも長袖のジャケット、パンツ、ブーツにグローブ、そしてヘルメットと全身をくまなく覆われるカタチで走ることになる。それでも、もしかしたら走行中は風に当たる分だけ、8耐観戦よりマシなのかもしれない。鈴鹿8耐、舐めてたらとんでもないことになる。身をもって体験してきたので対策をよく読んで来年に備えてほしい。

8耐観戦にオススメの服装

まず、日焼け対策は必須だ。強烈な紫外線が襲ってくる。半袖シャツでいいのだが、アームカーバーは必ず着けるようにした方が良い。そしてトイレを見つけるたびにアームカバーを水で濡らすとしばらくは気持ちが良い。
Tシャツは吸水速乾に優れたドライメッシュ生地がおすすめ。普通の生地のTシャツなんかで参戦した時には、大量の汗が乾かないし暑いし、めちゃくちゃ臭い匂いを周りに撒き散らして迷惑この上ない存在になってしまう。ドライ生地なら水に濡らしてもすぐ乾くし、ホテルで洗えば次の日も着れるので便利だ。
サーキットの会場内で、いくらでも売っているのでそこで買うのもイベントに参加している感が出て気分が盛り上がる。もちろん私も購入したし、多くの人が様々なメーカーのドライTシャツを着ている。応援しているメーカーがあれば、そのTシャツを着るのもいいだろう。

今回購入したTシャツ。5,000円もしたが来年は別のものを購入するかもしれない。

ズボンは短パンでもいいが、長ズボンの方が無難だろう。ただし、デニムなどの分厚くて吸水も速乾性もない生地はNGだ。それだけで熱中症になる。できればスポーツブランドの薄手の吸水速乾性のあるものがおすすめ。

次に必要なのがサングラスと帽子だ。サングラスは言うまでもなく紫外線から目を守るためのもので、帽子はキャップなどよりツバが広めのハット系がいいだろう。アウトドアブランドから色々販売されているので、あごひも付きのものを選ぶと帽子を脱いだときも手が塞がらないし風で飛んでいく心配もいらない。

靴は暑いのでビーサンを選んでしまいそうだが、これもやめた方が良い。もちろん日焼けもするし、なんせサーキットは広い。遊園地やサーキット、フェス会場などそれなりの距離を歩くことになるので普段から履き慣れたスニーカーで行くのがベストだ。ただ、スニーカーが必要なのはサーキットだけなのでホテルまでの移動や車中はビーサンで過ごすのが快適だ。

8耐に必須の持ち物

持ち物についても暑さ対策は必須である。荷物が増えるが指定席を購入しているなら席に置いておけるので必ず準備万端で臨んでほしい。

暑さ対策の持ち物リスト

  • クーラーボックス(ソフトタイプ)
  • 冷感タオル
  • 冷感スプレー
  • 塩分タブレット
  • ひんやり汗拭きシート
  • 日焼け止め
  • 氷嚢

まずクーラーボックスだが、これは必ず持って行った方が良い。大きくなくていいが、500mlのペットボトルが6本ぐらいの容量はあった方がいいだろう。中でもソフトタイプのクーラーがおすすめである。多少容量がオーバーしても許容してくれるところがいい。私はサーモスのソフトクーラーを持って行ったのだが、これが優秀すぎた。これにロゴスの氷点下パックを入れておけば無敵である。朝から晩まで冷やしてくれる。凍らせたペットボトルも保冷代わりになるし有効だ。

冷感タオルも必須だ。これを濡らして首に巻いたり、頭に被せているだけで暑さが全然違う。暑すぎるので乾くのも速いが都度濡らしておけば大丈夫。あると無いとでは大違いだ。

冷感スプレーは、直接肌に吹きかけるタイプでもいいし、服の上にかけると冷やしてくれるタイプのものでもどちらでもいいが、あると身体が冷えるのでおすすめしたい。
あと、氷嚢(ひょうのう)はマストで持って行った方が良いだろう。首元や頭、脇などを氷嚢で冷やすだけで体温を下げてくれるので熱中症対策には優秀すぎるアイテムだと思う。

ここに列挙しただけではなく、これでもか!と言うぐらい暑さ対策グッズはある方が良い。荷物が増えるのと引き換えにはなるが、そこは我慢してでも暑さ対策に重きをおいた方がベターだろう。

余談〜付き合いたてのカップルはおすすめしない

いかにも、彼氏や旦那に付き合わされました感満載の夫婦やカップル、家族連れをちょこちょこ見かけた。それは暑いだろと言う服装や、暑さ対策グッズ皆無で無謀というべきか勇敢というべきかわからないが参戦しているのだ。

日陰でぐったりしている子供や奥さんを見ると、旦那さんもうちょっと考えなよ!と思ってしまう。初参戦の私ですら考えに考えて参戦してるのだ。
中でも可哀想だったのは、若いカップルだ。おそらく20代前半だろう。V2指定席を購入しているのはいいのだが、全くもって暑さ対策をしていない。これは私の想像なのだが、彼氏に鈴鹿の指定席取ったから一緒に行こう!とでも言われて軽い気持ちで来たのだろう。彼女はデニムの長ズボンに半袖のニットという出立ち。帽子も被っていない。どこか街中に買い物にでも行くような格好なのだ。もちろん日焼け止めは塗っているだろうが、そんなもので防げるほど鈴鹿の太陽は甘くない。クーラーボックスも無いのでペットボルを持ち歩いているが、そんなものすぐにぬるくなってしまう。彼氏は彼氏で半袖短パン。帽子はかぶっているが、なんだかな〜という感じ。
せめてショップでフード付きのタオルを買ってあげるとか、ドライTシャツを買って着替えさせるとか、アームカバーを買ってあげるとしてあげなよ!とおせっかいオジサンは思っていた。おそらくあのカップルは別れるだろう。彼女はまったく楽しそうにしていなかったし。(私の勝手な想像です)

鈴鹿8耐は男でも女でもびっくりするぐらい汗をかく。男女もれなく汗臭くなるだろう。髪の毛もぐちゃぐちゃになる。女性はメイクなんてボロボロになる。なので付き合いたてのカップルにはおすすめできない。汗臭くても、髪の毛がぐちゃぐちゃでも、メイクがボロボロでも、そんなこと全く気にならないぐらい気心が知れている関係でないとお互い疲れてしまう。そんな過酷な状況でも楽しめる関係で参戦するのが理想である。

回復ポイント

さて、散々8耐は暑い!と書いてきたが、実は暑さで弱った体力を回復できるポイントがいくつかあったので紹介しておこう。

まずは、Honda RACING Galleryだ。遊園地からサーキットへ入ってすぐの場所にある、歴代のF1マシンが展示してあるギャラリーだ。館内はエアコンが効いているので快適この上ない。下に降りるとトイレがあり、CBR1000RR-Rが展示してあった。もちろん座り込んで休憩したりしてはいけないが、立って涼んでいるだけでも体力は回復する。

次に、メインゲートからサーキットの間に、1基だけ超強力な扇風機から霧状の水が出てくる機械が設置してあった。来年はどうなるのか知らないが、これはかなり気持ちよかった。扇風機の前に立ち、頭から水を被り服も濡らせば一瞬で体温を下げてくれるしめちゃくちゃ気持ち良い。前を通るたびにこの扇風機でシャワーを浴びていた。

観覧車に乗るのも少し回復できるかもしれない。一応観覧車の中はエアコンが効いている。とはいえ照りつける太陽でエアコンの効き具合も微妙なのだが、外にいるよりは涼むことができる。8耐開催中は無料で乗車できるのでぜひ試してみてほしい。

V1,V2スタンドの下にあるコンビニ的なお店もエアコンが効いているので、買い物がてらちょこちょこ寄り道すると涼むことができるかもしれない。

8フェス会場にはクールダウンエリアがあるので、そこで座っているのも日陰になっているから少しはマシだろう。フェス会場の端には喫煙スペースもあるので喫煙する人はそこも日陰なので涼むことができる。ただこの喫煙スペースに座り込んで休憩するのはマナー違反だ。タバコをとっくに吸い終わっているのに座り込んで仲間と喋ったりしている人がいた。邪魔で仕方ないし注意したいけど、揉めるのもめんどくさいし見過ごした。

8フェスのクールダウンエリア

上記以外にも日陰など比較的涼しい場所を見つけては休憩しながら楽しむと熱中症の対策にもなるので、こまめに休憩しながら観戦してほしい。(そんなに暑いのが嫌ならVIPを買え!とかいうのは無しで・・・)

コカ・コーラ商品が飲み放題

日曜日のレース開催当日は、V1、V2指定席を購入している人はコカ・コーラ製品が飲み放題という特典がある。これはありがたい。
商品は、コーラ、爽健美茶、アクエリアスのみだがサーキット内で購入すると1本250円とかするので無料で貰えるのは嬉しい。コカ・コーラが冠スポンサーになっているだけあって実に太っ腹な振る舞いだ。

レース前日(土曜日)

この日はフリープラクティスやトップ10トライアル、前夜祭などが行われて8フェス会場でもイベントが催されている。いろんなメーカーがブースも出店していて見て回るだけでも楽しめる。

私が注目していたのは、HONDAのCB1000Fコンセプトだ。実物が展示されるということなので、この目で確かめてきた。すると偶然にも運よくエンジン音を体感できる時間帯だったので列に並んで試してきた。
またがった瞬間の安定感というか安心感はさすがCBという感じで、エンジン音も重低音が効いていてかっこいい。CBRのエンジンを元にしているだけあって吹き上がりもいい感じ。純正のマフラーでも十二分に楽しめる。これは爆売れしそうな予感しかしない。いや、これが売れなければ何が売れるというのだろうか。Z900RSに対抗できるレベルの次の大型バイクは間違いなくCB1000Fだろう。

ご満悦の表情

この他にも各メーカーの最新バイクやレースモデルのバイクにまたがれたりするので、バイク好きにはたまらん瞬間である。私的にCB1000Fはよかったが、一番気に入ったのはYAMAHAのR9だった。めちゃくちゃかっこいいし、ポジションもしっくりきた。パニガーレもよかったが、値段を見ると諦めざるを得ない。

パニガーレV4S
CBR600RR
YAMAHA R9
楽しすぎてニヤけている

バイクメーカーだけでなく、アパレルや工具メーカー、オイル、ヘルメットなどバイク関連のブースが沢山あって、SNS投稿などで特典をもらえたりすることもあるので、もうこれだけで初日は楽しめた。

国内メーカーだとHONDA、YAMAHA、SUZUKIのフラッグはゲットしたがKAWASAKIは残念ながら旗を配ってなかったようだ。ドカティに関してはSNS投稿でステッカー?をもらえるのだが、めちゃくちゃしょぼかった。。。ドカティさん、儲かってないんですかい?

8フェス会場ではトライアルのパフォーマンスを見ることもできたし、小柳ゆきのLIVEも観ることができた。圧倒的な歌唱力は鳥肌もんだ。子供連れなら遊園地も楽しめるし、プールだってあるので8耐は家族で過ごせるお祭りだ。
しつこいが、暑さ対策を万全にした上で、のことだが総合的にめちゃくちゃ楽しめる。

トライアルパフォーマンス
前夜祭の花火

トップ10トライアル

鈴鹿8耐の記事なのに、ひとつもレースのことを書いていなかったので少しだけ触れておこう。

2025年の鈴鹿8耐は総勢55台のエントリーだ。Moto GPだと20台ぐらいなので、まあめちゃくちゃ多い。
3日間で6万1500人の観客を動員。 金曜日9000人、土曜日2万500人、日曜日が3万2000人という内訳で昨年より約10%ほど動員が増えたそうだ。1990年には決勝だけで16万人、3日間で36万人を記録したというのだから最盛期に比べるとかなり観客が減っている。バイクブームが過ぎ去ったことにも原因があるだろうが、これは日本のモータースポーツ業界も真剣に対策を考えたほうがよさそうだ。

で、今年の8耐だが、なんと言っても注目したいのはMoto GPから2名のライダーが参戦していることだ。Moto2やMoto3を合わせるともう少しいるのだが、注目はLCR HONDAのヨハン・ザルコとプラマックYAMAHAのジャック・ミラーだ。
ザルコはHRC HONDAで走り、ジャックは創立70周年で6年ぶりにファクトリーで参戦するYAMAHA RACING TEAMで走る。この2チームが見ものであるが、他にも色々と注目チームはある。まあ、詳しいことはネットに色々と書かれているので本記事では割愛するが、Moto GPライダーがどんな走りを見せてくれるのかは楽しみである。

YAMAHAファクトリーチーム https://race.yamaha-motor.co.jp/sp/suzuka8h/news/2025/07/202507-6564.php

しかしYAMAHAファクトリーのカラーがなんともかっこいい。若かりし頃に乗っていたTZR250もこのカラーリングだったので懐かしいし思い入れがある。

トップ10トライアルの結果は下記の通り。ジャックが怒涛の速さでポールを獲得するかと思われたが、最終シケインで転倒。ザルコが一撃必殺の走りで見事ポールを獲得した。なんと鈴鹿のコースレコードを更新したそうだ。
Moto GPでも今年は早さを見せているザルコ、やはりここ鈴鹿でもぶっちぎりの速さだ。

ポールを獲得したザルコ https://itatwagp.com/2025/08/03/suzuka_8h_2025-7/

レース当日(日曜日)

さあ、いよいよ決勝当日となった。準備万端でホテルを出発し鈴鹿へ向かう。サーキット周辺まで来ると渋滞していて引き返す車もチラホラ見受けられたが、どうやら駐車場を予約せずに無謀にも参戦しようとしている人たちがいるようだ。鈴鹿を舐めるなよ!と心の中で思いながらパーキングへ車を停める。

エアコンをギンギンに効かせた車から降りるとむせ返るような暑さが襲ってくる。まだ朝の10時すぎなのに。遊園地を通り抜け、サーキットへ入り、V2スタンドの指定席へ辿り着いた時にはすでに汗だくだ。午前中は屋根が日陰を作ってくれているし風もあるので比較的涼しいが、午後2時ごろから陽射しが入ってきて暑くなるので午前中はのんびり席で過ごすことにした。まあ、レーススタートも11時半からだしちょうどいい。

レーススタート前

シケインの立ち上がりからホームストレートを見れるので今回はV2の一番右端?の席にしたが、HONDAのパドックがあるのが丁度真ん中ぐらい。ポールポジションのザルコは反対側の一番端なので全く見えない。イベントやトークショーなどは真ん中で催されるので、次回は真ん中ぐらいの席にしようかと思う。

スタートは名物のルマン式スタート。バイクに向かってスタートと同時にライダーが走っていき、そこからエンジンをかけて走り出す。足が速い方が得な気がするが、なんせ8時間も走るのだから少々の遅れは関係ないだろう。

ウォームアップラップも終わり、いよいよカウントダウンとともに各車一斉にスタート。55台が一斉に轟音とともに走り出すのは大迫力だ。いよいよ始まった、という感じがして気持ちが昂る。1周目を先頭で帰ってきたのはポールスタートのHRC HONDA高橋選手だ。

グッズショップや売店に行くと売っている公式ガイドブック的な本があるので、そちらも購入するとより楽しめるかもしれない。(2000円)参加するチームやライダーの情報や事前インタビューなどが載っている。この本を見ながらのんびりと客席でビールでも飲みながら過ごすのは至福の時間だ。暑いのでビールをいくら飲んでも酔わないし高くついてしまうが・・・(生ビール1杯800円)

客席で弁当を食べ終える頃にはレースがスタートしてから2時間が経過していた。そろそろ西陽が入り込んでくる時間だ。ということで一旦レース観戦から離れて初日に抑えておいた回復ポイントと楽しめる場所を回ることにした。

8フェス会場では175ライダーやパフィーが出演する。私は175ライダーのライブだけ見ることにした。
初日に回った各メーカーのブースももう一度周り、激震エリアという1コーナ手前のコースを間近で感じられるエリアにも入った。300km近いスピードで走るバイクを間近で見るのはとてつもない迫力だ。ただ、暑すぎて長時間が見ていられないから早々に切り上げることに。

メインの会場は東コースエリアだが、西コースエリアへも無料シャトルバスで行くことができる。せっかくだから行ってみたが、売店もないし過酷すぎる状況での観戦になるので滞在時間わずか30分程度で引き返してきた。暇を持て余しているなら一度は行ってみると面白いかもしれない。

西コースエリアから観戦。こうやって見ると高低差がすごい。

そんなこんなで時間を潰しているうちに段々と日が暮れてきて、V2スタンドも涼しくなってきたので客席で観戦をすることに。いよいよ日も暮れてきて8時間のレースが終了する。お祭りももうすぐ終わるのかと思うとなんだか切ない気分だ。

8時間の耐久レースを制したのはポールポジションから先頭をキープし続けたHRC HONDA。途中セーフティーカーが2回ほど入り、2位のYAMAHA RACING TEAMとの差が縮まったが、その差を守り切ったザルコと高橋選手が優勝を手にした。抜群の速さと安定感を誇る走りだったのはいうまでもない。
高橋選手はこれで前人未到の鈴鹿8耐7勝目、ザルコは2連覇となり、HRC HONDAは4連覇を成し遂げた。6年ぶりに復活したYAMAHA RACING TEAMは惜しくも2位だったが、「YAMAHAがいないから勝てたと思われたくない。」という高橋選手の言葉通り実力でもぎ取った勝利だ。

表彰式を見るためにコース上に観客が集まる

HONDAは今回、MotoGPからファクトリーチームのルカ・マリーニを三人目のライダーとしていたが鈴鹿でのテストで転倒し怪我をしたので欠場、その後SBKのファクトリーからレクオナを招聘したのだが前週のレースで転倒負傷してしまい、急遽同じファクトリーのビエルゲを予定していたものの、レース2日前にビザの関係で出場ができなくなってしまったのだ。何やら急遽すぎて書類上の手続きに不備があったとの噂だが、日本の入管も融通が効かないというかなんというか・・・どうでもいい外国人は入国させるのに、経済効果を生み出すライダーを拒否するなんてイケてない行政にもほどがある。
私としては、HRC HONDAでMotoGPライダーが二人参戦するのをめちゃくちゃ見たかったのだが、マリーニには来年鈴鹿でリベンジして欲しいところだ。あ、ファクトリードカからもペッコとか来てくれたら盛り上がるだろうな。(マルク・マルケスは絶対に参戦しないと言っているらしいので期待はしていない)

https://global.honda/jp/news/2025/2250803.html

とにもかくにも、ザルコと高橋選手は本当に偉業を成し遂げた。最高気温が35度を超える猛暑の中、8時間を二人で走り切って優勝したのだから、これはもう歴史的快挙といってもいいだろう。心から祝福したい。そしてお疲れ様でした。
レース後のザルコは見るからに痩せこけていて、とりあえず美味しい日本食でも食べて休息してほしいと思う。そしてまたMoto GPで素晴らしい走りを見せて欲しい。

痩せこけた様子のザルコさん・・・

レース観戦を終えて〜8耐ロス

あるていど覚悟はしていたものの、予想以上の暑さで「来年はもういいかな・・・」なんて思っていた初日だったが、2日目が終わると「暑かったけど、楽しかったな。」に変わっている自分がいた。
鈴鹿から帰ってきた翌日には写真や動画を見返し、なんだか寂しい気持ちに包まれている。完全に鈴鹿ロスだ。

年齢を重ねるにつれて、感動が薄くなっていく気がするが、こうして楽しめて「また行きたい!」と思わせてくれるものがあるという事は幸せだと思うし、活力を与えてくれる。鈴鹿8耐のために仕事を頑張る、とまでは行かないまでも、また来年の夏には参戦しようと思えるのは良いことだと思っている。鈴鹿に行かなければ夏は始まらないし、鈴鹿に行かなければ夏は終わらない、ぐらい初参戦のくせに常連っぽいことを口にしてみたくなる。

観覧車からの眺め

しつこいけど、暑い。本当に暑い。ライダーも暑さとの戦いだが、観客も暑さとの戦いだ。だがしかし、本記事で触れたように暑さ対策をバッチリしていけば、暑さにも耐えて楽しめるぐらいではある。なので本記事を読んだ方も暑さに怯えず、来年はぜひ参戦してもらいたい。万が一楽しめなかったとしてもそれはそれで笑い話にできるではないか。でもバイクが好きな人なら、きっと思い出に残るし楽しめるはずだ。間違いない。

自分の環境と照らし合わせて、誰といくのか、バイクで行くのか車で行くのか、決勝だけ参戦するのか2日間参戦するのか、どこの席を購入するのか、持ち物は?服装は?ホテルは?色々と準備を整えて行ってほしい。
中でも「誰と行くのか?」は最重要項目だと私は思う。気の合うバイク仲間と行くのか、気の許せるパートナーと行くのか、家族で行くのか、人それぞれだとは思うが、一緒に楽しんでくれる、一緒に楽しめる人と行くのが一番楽しいだろう。
私が今回心から楽しめて、来年も行こうと思えたのは一緒に楽しんでくれる、一緒に楽しめるパートナーと参戦できたおかげだし感謝している。
まずは誰と行くのか?を慎重に決めることから始めてみてはいかがだろうか。

2026年の鈴鹿8耐は、もうすでに始まっている。

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