ライディングスクールに参加してきました~バイクのスキルアップ&サーキットのタイム更新

ライダーの皆様、ライディングスクール(以下ライスク)に参加されたことはあるでしょうか?

私は過去に一度、オートポリスで開催されていたビギナー用のライスクに、当時乗っていたドゥカティ900SSで参加したことがあります。低速で扱いにくいレーシングキャブ&乾式クラッチ仕様の900SSでのスラーロームや八の字に苦労しましたが、ライディングの基礎を色々学べたことを覚えています。
そしてそれは公道走行においても、非常に役に立ちました。

また筆者は昨年からサーキット走行会に参加し始め、今年も3回サーキットを走りました。しかしながら、どうも自分のタイムが伸びません。このままサーキット走行会に参加しても伸び代がないと思い、先輩に勧められたRSGライディングスクールを受講してみることにしました。ということで今回は、「サーキット走行のレベルアップを目的としたライディングスクール参加」の模様をお届けして行きたいと思います。 

ドゥカティ900SSでビギナーのライスクに参加

*オートポリス;大分県日田市にある国際サーキットのこと。

目次

1. ライディングスクールとは?

ライディングスクールといっても初心者用のライスクから、サーキット走行を目的としたモノまで多種多様です。今回、筆者が参加してきたRSGライディングスクールは、九州のサーキットコースなどでバイクの乗り方を学べるスクールです。

九州北部には大分県日田市のオートポリス、同じく大分県竹田市のSPA直入、そして熊本県菊陽郡のHSR九州の3つのサーキットがあります。その3つのサーキットコースを使って、全日本ライダーやA級ライダーの先生方が、バイクの扱い方からサーキット走行に至るまでを手取り足取り教えてくれます。

サーキット初心者で、タイムが伸びない私にピッタリのクラスもあるので、今回9月開催のライスクに参加することにしました。 

九州北部の3サーキット

・RSGライディンスクールのクラス分け

クラスは下記の3つがあります。(タイム目安はHSR九州です)

Aクラス:サーキット走行を何度も経験している方。目安タイムは1分20秒より速い

Bクラス:サーキットを時々走っている方。目安タイムは1分20~26秒くらい。

ビギナークラス:サーキットは初めて走る~数回の方。

・RSGライディングスクールの料金

筆者はまだまだサーキット初心者なのですが、HSRの持ちタイムが1分25秒なのでBクラスでエントリーしました。

HSR九州とSPA直入のスクール料金は16,000円+保険、オートポリスは18,500円+保険となります。RSGライディングスクールの銀行口座に振り込みをしてエントリー完了です。丸一日走って学べるので、比較的リーズナブルかと思います。

尚、サーキット走行の装備を持っていない方でも、革ツナギやレーシンググローブなどの貸し出しも行っています。

2. ライディングスクールの準備

ライスクの朝は早いので、前日に準備をしておきます。バイクを車に積み込み、サーキット走行に必要な装備品を用意。フルフェイスのヘルメット、革ツナギ、レーシンググローブ、レーシングブーツなどを車に詰め込み、工具類・マスキングテープなども持っていきました。いわゆるサーキット走行会と同じ用意ですね。いよいよ明日ドゥカティ848で初のライスクに参加できると思うと、ワクワクしてきました。 

車にバイクや装備を積み込みます

3. ライティングスクール午前の部

朝の7時過ぎに自宅を出発し、渋滞の中運転すること約1時間、HSR九州サーキットに到着。8時過ぎに受付を済ませ、バイクをハイエースから降ろします。増し締め・灯火類をマスキングテープで補強、タイヤ空気圧調整などの準備をして、ライスクに備えます。

9時から全体ブリーフィングに参加し、ここから長いバイク漬けの1日がスタート。午前はサーキットコースではなく、HSRのドリームコースに移動しバイクの基本を学ぶことになります。

朝のブリーフィング

私はBクラスで参加、クラス別にA級ライダーの先生1人が付いてくれます。自己紹介の後、今回の スクールで克服したい事を個々に発表します。私は、”自己ベストの更新とコーナリングスピードをあげること”を課題にしました。先生にライディングフォームをチェックしてもらい、改めてニーグリップの重要性を再認識しました。

先生によるライディングフォームのチェック

座学の後は、実際にバイクに乗って、スラロームと8の字練習。はじめは半クラを少し使いながらスラロームしていましたが、先生からアクセルワークでスピードの強弱をつけながら乗るようにとのこと。即座に実戦すると、バイクの挙動がスムーズになり、比較的自然にスラーロームや8の字を走ることができました。しかし9月下旬の外気温は34度、とにかく暑いので休憩しながらひらすら練習しました。

スラローム・8の字練習

ここまで沢山スラロームや8の字をするのは教習所以来でしたが、バイクを素早く倒す&起こす動作を繰り返すことが、サーキット走行でも需要になるとのことでした。

4. ライディングスクール午後の部

午前中の走行を終え、HSR九州のレギュレーションを説明してもらいました。コースイン、コースアウトのやり方、サーキットにおける旗の説明など、サーキット走行には重要な事由です。 

HSRのコースイン・アウトの仕方

少し休憩して、Aクラスからサーキット走行がスタート。続いてBコース、ビギナーコースと20分ごとに走ります。先生方に2周先導して頂き、そこからフリー走行です。今年3月以来のHSRだったので、1本目は正直全然走れず、サーキットをツーリングしただけでした(汗)。1本目終わりに先生から各ポイントでのシフト数を教えて頂き、2本目に挑みました。1本目よりスムーズに走ることができましたが、やはり直線終わりのコーナー立ち上がりが遅く、タイムが伸びません。そしてバイクをしっかりとバンクできていないのも遅い原因の1つです。

2本目終わりに、ビデオ鑑賞をしながらHSRの攻略法を説明してもらいました。ポイントはコースを広く使うこと、クリッピングポイント(コーナで最もインに近づくこと)の重要性など。コーナーのゼブラゾーン(赤白のシマシマ)にバイクを近づけながら最短距離を曲がり、以下にバイクを早く起こすかがタイム短縮に繋がるとのことでした。 

ビデオ鑑賞(HSRのライン取り)

これらを意識しながら3本目を走ってみます。説明してもらったことは頭では理解しているのですが、実戦するのはやはり難しいです。それでもコーナーを意識した結果、1分26秒台が出るようになりました。しかしバックストレートからの最終コーナー立ち上がり(一番苦手なところ)で、フロントブレーキを掛けすぎてしまい、タイヤが暴れてオーバーランするなど、ちょっと危ないシーンもありました。3本目を終え体力的にもヘトヘトでしたが、充実感はありました。

最後の4本目は、先生とマンツーマン走行です。まず私が先生の前を二周走り、先生に後ろから走り方を見てもらいます。走り終えたら先生から、走り方の問題提起やアドバイスを受けます。次に先生に前を走ってもらい、後ろから先生のライン取りを見て学びます。そのアドバイスや正しいライン取りを元に、フリーで数周走ります。するとどうでしょう。今まで何周走っても出ていなかった1分25秒台が出るようになりました。やはり客観的に見てもらうこと、上手い人の走り方を後ろから見ることは、すごく意味があることが分かりました。最終的にはベストタイムも出すことができ、充実した形でライスクを終えることができました。 

ホームストレートを走るドゥカティ848とスラクストンR

特に自分の場合は、コーナーリングに難があるため、コーナーの立ち上がりスピードが伸びません。その原因の一つがライン取りが良くないことです。スピードを減速しすぎずに、推奨ラインを走ればタイムが伸びることが実証できました。しかしここからは、もう少し速くコーナーを曲がれるか、そして直線でどれだけアクセルを開けられるかが、ポイントになってきます。恐怖心との戦いになりますが、怪我しないように攻めていきたいと思っています。尚、RSGラインディングスクールでは、有料ですがビデオ撮影、コークスクリュー(先生の運転するバイクにタンデムすること)、マシンのセッティングなど様々なサービスもあります。

5. ライディングスクールを終えてみて

今回、サーキット走行におけるライディングスクールのレポートをさせて頂きましたが、如何だったでしょうか。午前中のスラローム&8の字走行から、午後のサーキット走行まで、A級ライダーの先生方に指導を受けながら走ることができて、私的には大変有意義でした。最後の4本目には自己ベストを更新することもできました。当日お世話になったRSGライディングスクールの先生方・スタッフの方々、本当に有難うございました。

ライディングスクールというのは、サーキット走行だけでなく一般公道を走る際にも、役に立つバイクの乗り方やテクニックを学ぶことができます。また自分のバイクで走ることによって、愛車はどれだけスピードが出るのか、ブレーキはどこまで効くのか等を認識することもできます。そして現状の自身のスキルを知って、如何に安全に転けないように運転するかは、これからもバイクを乗り続けて行くためには、非常に重要なことです。 

サーキット走行会で速そうに撮って頂きました

勿論、バイクの運転に自信が無い方にも、サーキット走行経験がない初心者向けのライスクがあります(教習場やサーキットなどで開催)。それぞれのレベルにあったライスクに参加してみて、自分のスキルを上げると、バイクの運転がより楽しくなると思います。

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この記事を書いた人

Yone Log for Motorcycleの運営者。コロナ禍を機に大型二輪免許を取り、バイクに乗り始める。商社マンからフリーランスに転身し、関西からツーリング天国の熊本へ移住。カフェレーサー&スーパースポーツ好きで、サーキット初心者。愛車はドゥカティ848EVOコルセSEとBMW・R100RTカフェ仕様(1981年式)。

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