私は断然、4人ツーリング派(ソロでもマスでもなく)

ISOSHU編集長が「あなたはどっち派?ソロツーリングvsマスツーリング」と質問している。

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そこで私のツーリング観を紹介したくなった。

この記事の冒頭の写真には、ISOSHU編集長のCBR954RRを中心に計6台のバイクが並んでいる。「集合写真を撮ろうぜ」「放射状に並べるとキレイだぞ」といった会話が聴こえてくる。マスツーリングの楽しさは私も知っている。

しかしここであえて、4人ツーリングがベストなのではないか、と提起させていただきたい。

目次

ISOSHU編集長の答え:ソロ対マスは勝敗つかず

ISOSHU編集長は結局、ソロツーもマスツーも一長一短あって勝敗はつけられない、と結論づけた。

ISOSHU編集長のソロツーの良し悪しとマスツーの良し悪しは以下のとおり。

ソロツーの良し悪し
●自由があって良い
●走ろうと決めたあとに簡単にやめられる
●孤独はクリエイティブになれる
●共感も共有もない
●困っても助けてもらえない
●立ちゴケしたとき黙々と立ち上がるしかない(笑ってくれる人がいない)
●一人ではパンケーキの店に入れない

マスツー良し悪し
●おじさん仲間は最高(おじさん目線)
●たまに女子も参加してなお嬉しい(おじさん目線)
●感動を共感でき、楽しさを共有できる
●事前の打ち合わせが面倒
●仕事と休みの調整が面倒
●目的地を決めるのが面倒
●ルートを決めるのが面倒
●勝手に休憩できない

ソロツーもマスツーも経験したことがある人なら、この見解に異論はないだろう。

そしてだからこそ、ソロツーをやる人はマスツーに憧れ、マスツーが続くとソロツーをするのだろう。

なぜ「3人や2人」や「5人」が苦手なのか

ここからは私見になる。私はツーリングは4人がベストだと思う。

それは4人ツーリングには、ソロツーの良さとマスツーの良さがあり、ソロツーの悪さとマスツーの悪さがなくなるからだ。

6人以上をマスツーとすると、ソロツーとマスツーの間には「2人ツーリング」「3人ツーリング」「4人ツーリング」「5人ツーリング」の4パターンが存在する。

そこで「4人」の良さを語る前に、なぜ私が「3人や2人」や「5人」を苦手にしているのか説明したい。

3人や2人だと対立が明白なるから

まず3人と2人が少なすぎる理由について紹介すると、意見の対立が明白になりやすい。

3人でツーリングに行ったとする。休憩した道の駅で、「このあとどこで昼食を食べようか」と話し合ったとき、1人が「今日はたくさん走りたいからコンビニで済ませよう」と言い、2人が「せっかくここまで来たのだからあの有名ラーメン店に行こう」と主張したら、意見が真っ向から衝突してしまう。

ラーメン派の2人は「2対1なんだから、こっちに合わせろよ」と思うかもしれないし、コンビニ派の1人は「いつも俺の意見はとおらないな」と思うかもしれない。

そして2人ツーリングになると、なお対立が明らかになる。「私はコンビニでいい」「僕はラーメンを食べたい」となったら、ここでわかれてしまうことになりかねず、後日なんか気まずくなる。

5人だと知らない人がいる可能性が高い

何人以上からマスツーになるのか、という議論はあるだろうが、ISOSHU編集長は上記の記事で、6人のツーリングをマスツーと呼んでいたので、ここでもそこにならう。

6人以上をマスツーと呼ぶとすると、「マスツー」と「私がベストと考える4人ツーリング」の間に「5人ツーリング」が存在することになる。

私は5人でも多すぎると感じてしまう。

5人だと例えば、AさんとBさんとCさんがコアメンバーで、DさんはAさんの知り合いで、EさんはBさんの知り合い、といったことが起こる。

5人メンバーで想定される構成
●A、B、Cさんはコアメンバー
●Dさん:Aさんの知り合い
●Eさん:Bさんの知り合い

この場合、「AとE」や「BとD」「CとD、E」「DとE」は知り合いではない。休憩時の気まずさは仕方がないとしても、走り方を知らないのはとても不安に感じる。

例えば私は、マスツーでは、順番を崩さず走る走り方を好む。車線が増えたからといって、うしろの人がビューンと抜かすのは好まない。また、だからといって、一人だけものすごく遅い人がいてもやはり楽しめない。

順番を決めて走る、と決めていくと、駐車場から出るときも「あの人が出たら自分の番」とわかって安全だ。

このように一緒に走る人の走り方を知っていることはとても重要で、5人だと全員の走り方を理解するのに苦労する。

もちろん5人のなかに知らない人がいても、その初ツーリングで仲良くなって、仲間になる可能性もある。

しかし5人(自分を除くと4人)もいると、コミュニケーションを取りづらい。バイク遊びは実はコミュニケーションが取りづらい。なぜなら最も長く、最も集中して遊んでいる時間は走っているときなので接触がないからだ。

草野球なら2時間びっしり仲間の顔をみて話せるし、なんなら相手チームのメンバーとも交流できる。しかし8時間のツーリングで会話する時間は、インカムがなければ休憩の計1時間くらいである。

私の経験では、マスツーで初めて知り合った人と仲良くなることはほとんどない。マスツーに参加したことをきっかけにして、次のツーリングが少人数で開かれたときに参加して仲間になることはあるが。

4人がベストなのは気心が知れるから

私は飲み会も4人が好きだ。そしてツーリング4人ベスト説の理由も、飲み会4人ベスト説のそれと同じである。

目の前に3人しかいないと、しっかりしゃべることも、しゃべらないでいることもできる。仲間と行動しているとき、しゃべらないでいられる時間があるととても楽だ。

3人ならすぐに知れて、3人ならすぐ知ってもらえる

4人ツーリングでは、私のほかに3人しかいないので、3人ならすぐによく知ることができる。よく知っているので、向こうのやりたいことも理解できるし、私のしたいことも理解してくれる。

3人は、私が順番を崩さず走る走り方を好むことを知っている。だから私が参加しているときは、順番を崩さず走ってくれる。

その代わり私も3人の要望をきちんとかなえるようにしている。

Aさんは必ず遅刻するが、私を含む3人は「もう仕方がないこと」とあきらめている。

Bさんは必ずルートを決めてくれるが、私を含む3人はルートを考えるのが面倒なのでBさんに頼りっぱなしである。

Cさんは必ず、ツーリングが大体終わった別れ際に、コンビニでコーヒーを飲もうと提案する。私を含む3人は、例え用事があってもその30分はCさんに提供する。もちろんその30分は最高に楽しいひとときなのだが。

3対1になると、3が1をケアできる

決まった4人でなくても、4人のほうがよい。

例えば、私、Aさん、Bさんがコアメンバーで、DさんがAさんの知り合いで、今回初めて一緒にツーリングすることになったとする。

4人メンバーで想定される構成
●私、A、Bさんはコアメンバー
●Dさん:Aさんの知り合い

この場合「私とBさん」と「Dさん」は初対面になり、Aさんを除くと2対1なってしまうのでDさんはアウェーっぽくなってしまう。そのため、私とBさんは協力してDさんをケアしようとする。

例えば、「いつもこんな感じで走っていますが、それで大丈夫ですか」とか「いつもは誰と走っているんですか」とか聞いてあげることができる。

またDさんのほうでも、私たちのグループに入ったばかりなので、グループの方針にならおうとしてくれるだろう。

だから「私とBさん」と「Dさん」は、3回目の休憩のときには打ち解けている。アウェー状態が1人というのがいいのだ。

まとめ~一人でも複数人でも楽しめる珍しい趣味

バイク乗りのなかではしばしば、ソロツーかマスツーかの議論が起きる。ときにソロツー派は「バイク乗りなら孤独に耐えろ」とマスツー派を批判して、マスツー派は「一人で気取ってんな」とソロツー派を揶揄する。

しかし大抵は、ソロツーに飽きてマスツーに参加して、マスツーがうるさくなってソロツーに出かけるものだ。

このように考えてみると、バイクは、一人でも複数人でも楽しめる珍しい遊びである。草野球ではこうはいかない。

私は、どうしても一人でバイクで出かけると100km、200kmぐらい走って飽きてしまう。私がいる北海道では100kmは2時間、200kmは3時間で終わってしまう。それだとやはり走り足りないので、だから私を含めて4人で走るのが一番楽しいのである。

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この記事を書いた人

●著者紹介:アサオカミツヒサ。バイクを駆って取材をするフリーライター、つまりライダーライター。office Howardsend代表。1970年、神奈川で生まれて今はツーリング天国の北海道にいる。
●イラストレーター紹介:POROporoporoさん。アサオカの親友。

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