ようやくバイクの季節が本格的にやってきた。寒い冬の間はツーリングに行ける場所も限られてしまうので、私の住む兵庫県だと近場にメシを食いに行くだけ、というメシツーリングになってしまう。やっと暖かくなり、快走路や絶景を求めて行きたいところにバイクで行くことができる季節がやってきたのだ。
ということで今回は、和歌山までバイクを走らせることにした。兵庫県から和歌山方面に向かうとすれば、どうしても大阪市内の渋滞を避けるため高速道路に乗るという選択になってしまう。なので高速料金は覚悟して計画しなければならないが、それは仕方ない。そこに絶景や美味いグルメが待ち構えているならば、走るしかないだろう。
日本のエーゲ海「白崎海洋公園」
白崎海洋公園の地質は白い石灰岩。 サンゴや貝殻が大量に集まり、長い年月をかけて固まったもので、それらの白と海の青が織りなす景色がエーゲ海のように見える。 2億5000万年以上も前の地層からは、古代の化石がいたるところで発見されているらしい。 その美しさは日本最古の和歌集、万葉集にも詠まれたほど。
場所は、和歌山県日高郡由良町にある。
高速と下道で日本のエーゲ海を目指す
兵庫や大阪方面から白崎海洋公園を目指すと、最寄りのICは広川ICになると思うが、出来るだけ高速道路を使いたくないケチな僕は、和歌山ICで降りてそこから下道を1時間半ほど走って向かうことにした。
和歌山ICを降りてしばらくは交通量が多いので決して快走はできないが、和歌山市、海南市を抜けて有田市、湯浅を抜ける頃には快走路が現れる。県道23号、24号の海沿いは最高だ。「あー、和歌山に来たな」と感じることができる。海沿いを走らないルートからも行けるが、どうせなら海沿いをおすすめしたい。
途中、すれ違いが困難なぐらい細い山道を少しだけ走らないと行けないが、小さな漁村にも出会えるし、何よりバイクで走りながら眺める太平洋の雄大な景色は最高だ。
白崎海洋公園
海沿いを気持ちよく走っていると、前方の海岸に白い岩の群れが見えてくる。白崎海洋公園へ到着だ。入り口を入ると右と左へ別れるようになっていて、右が展望台、左が道の駅の駐車場でおそらく売店やトイレなどがあるのだろうと思うが、僕は左へは行っていないので詳しくはわからない。右の展望台までもバイクや車で行くことができ、駐車場もあるので展望台がお目当ての人はバイクでそのまま左へ行くといいだろう。
駐車場は周りが360度、白い岩に囲まれていて、ここにバイクをとめるだけでも絵になる。らせん階段を登って展望台へ向かいながら、どんな景色を見せてくれるのかワクワクする。
白い岩に囲まれた遊歩道?を最後まで歩くと、展望台があるんだが、そこから見る景色は圧巻だ。まさにエーゲ海を想像してしまうほど、期待していた以上に素晴らしい景観だった。
この日は天気も良かったので、展望台でしばらく一人ボーッと景色を眺めていたらカップルがやってきたので、どことなく気まずいので退散することにした。
バイクツーリングは、時にスケジュールがタイトになりがちだが、余裕を持って行くと素晴らしい景色に出会えた時、ゆっくりと堪能できる。ずっと日本のエーゲ海を眺めていたかったが、そこまでのんびりもしていられないので、次の目的地へ向かった。
まぐろしらす丼を食べる
次に向かったのは昼ごはんだ。僕的には和歌山で海鮮といえば「マグロ」か「しらす」のイメージが強い。とはいえ、マグロ丼としらす丼の両方を食べるわけにもいかないので、何か無いかとネットを検索していたら都合よくまぐろしらす丼を提供するお店を見つけたのだ。
しらす屋 福扇
和歌山県有田市にある、水産会社「福扇水産」が経営しているお食事処で、直売所も併設されている。しらす漁を専門にやっているらしく、新鮮なしらすを食べたりお土産に買ったりできる。
店内に入り、お目当てのまぐろしらす丼を注文しようとしたら、同じ名前で2種類ある。金額が安い方と高い方だ。気になったので店員さんに尋ねたところ、マグロの量が違うとのこと。せっかくなので高い方のまぐろしらす丼を注文。こういう海鮮系の丼は大抵白ごはんの量が少ないので、今回は抜かりなく大盛りを注文した。
山盛りのしらすの下にはマグロがびっしりと敷き詰められていて、ご飯と具のバランスが合わない。当然といえば当然だが、新鮮で期待通り美味しかった。味噌汁に入っていたワカメも新鮮なんだろか、美味しかった。
この日は平日だったので、お客さんは僕と家族連れの二組のみ。土日ともなれば混むのだろうか。まあ、これだけ美味しいと混雑するとは思う。店員さんも愛想良く、感じのいい店だったのでいつかまた訪れたいと思う。
日本のアマルフィへ
昼ごはんに満足して、いつもならここで帰宅するところだが、今回はせっかく和歌山まで遠出してきているのでもう1箇所寄り道をしたいと思う。日本のアマルフィと呼ばれる漁村で、日高郡由良町にある雑賀崎漁港という場所だ。イタリアにあるアマルフィに似て、海沿いの斜面に家が立ち並ぶ景色が見れるらしい。
カフェ「スハネフ14-1」から眺める
しらす屋福扇から下道で約50分、バイクを走らせる。この雑賀崎の景色を眺めるためには、遠目から眺める必要がある。そこで、漁村を見下ろすことができる高台にある「スハネフ14-1」というカフェで食後のコーヒーをいただくことにした。駐車場は道を挟んで向かい側にある。
店内は鉄道模型やレールが飾られており、鉄道ファンのためのお店みたいで、決してライダーズカフェではない。外にはテラス席があり、そこのカウンターに座ると日本のアマルフィを見下ろすことができる。
アマルフィというには、規模が小さい気もするが天気の良い日にテラスでぼーっと景色を眺めるのは最高の時間だった。何も考えずにただただ景色を眺める。なんて贅沢な時間なんだと思う。
眼科に見える漁港は賑わっており、観光客向けにもお店などがあるのかな?と想像させる。時間的な問題もあって漁港には行かなかったが、次回くることがあれば行ってみようと思う。漁港から突き出た防波堤にも人影がちらほら見えたので、おそらく釣りを楽しむ人々にも人気の場所なんだろう。
雑賀崎灯台へ
のんびりと贅沢な時間を過ごした僕は、バイクで5分のところにある雑賀崎灯台へ行ってみることにした。スハネフ14-1から漁港に向かう道を下り、山道を少し走ると灯台へ到着する。
ここからは、和歌浦の海を高いところから眺めることができる。これまた絶景だ。少し残念だったのは、灯台が工事中?改修中?だったので登ることができなかったこと。
YAMAHAの古いチョッパーのバイクで来ていたライダーと軽く会話を交わし、GPZ900で現れたお兄さんとも挨拶をして灯台をあとにした。
まとめ〜魅力たっぷりの和歌山はまた行きたい
存分に和歌山を満喫した僕は、和歌山北ICから高速道路に乗り帰路についた。
今回のツーリングでは、絶景にいくつも出会うことができた。和歌山市内のノロノロ走行ポイントを除けは、総じて満足のいくツーリングだった。和歌山の海岸沿いにはこのような絶景ポイントが無数にあるのだと思う。もちろん和歌山は海だけではなく山もあるので、これからの暖かい季節に山も攻めたいと思っている。温暖で海鮮も美味しい和歌山には、まだまだ僕の知らない魅力が詰まっていることだろう。
これから寒くなるまでは、和歌山へどんどん行きたいと思う。高速代が心配になるが・・・