真冬のツーリングと真夏のツーリング、どっちが好きか?と聞かれたら僕は「真冬」と答えるだろう。(質問が極端すぎるし、そりゃあ春と秋が一番好きだが。)真冬と言っても積雪や凍結が無い前提とはなるが、関西で寒いと言っても着込んでしまえば耐えれなくはない。
ただ、夏の暑さはライダーにとってどうしようもない。タンクトップに短パン、ビーサン、ノーヘルで乗るわけにもいかないし、薄着といっても限界があるから涼しくツーリングすることなんて到底できない。安全面を考えるなら、夏用のライディングジャケットに長ズボン、フルフェイスヘルメットにグローブとブーツ。肌を露出させているところなんて一つも無いから暑いに決まっている。
それでもライダーは、どれだけ夏が暑くてもバイクに乗らずにはいられないから困ったもんだ。バイクに乗らない人からすれば「頭がおかしいのか?」と思われても仕方がない。
それでも、頭のおかしいライダーにだって少しばかりの知恵はある。暑い夏に、命の危険を感じるほど暑い夏に、いかにして少しでも涼しく走るか?を考えるのだ。その結果が、「早朝と高い所」だ。なんと単純な答えだろうか。
ということで、早朝に、高い所に行ってきたので記事にしたいと思う。前回も、早朝に高い所に行っているので良ければ参考にしてほしい。
高原へ行こう
僕の住む兵庫県や関西にも高原と呼ばれるところはいくつもある。その中から、今回は自宅から比較的近い片道2時間ちょいの「砥峰(とのみね)高原」を目指した。
砥峰高原
兵庫県神崎郡神河町にあり、県立自然公園にも指定されている。90haのススキの草原が広がる高原で、軍師官兵衛・平清盛・燃えよ剣・ノルウェイの森などのロケ地としても使用されている。大河ドラマには興味はないが、ネットフリックスなどで観れるなら観てみようかという気にもなる。
広さが90haと言われてもピンとこないだろうが、東京ドーム、いや関西なので甲子園で比較してみよう。
甲子園のグラウンドの広さが1.3haなので、砥峰高原は、甲子園が役70個分という広さになる。
やっぱりピンとこないが、とんでもなく広いということだけは分かっていただけただろうか。
標高は約800~1000mあるので、真夏でも早朝となれば20℃ぐらい。めちゃくちゃ快適に過ごせる。
快走路をひた走る
加東市、西脇市を走っていると霧があらわれた。おそらく朝の6時半ごろだったと思うが、シールドに水滴が付くのでグローブで拭きながら走らないといけないぐらいに濃い霧だったが、なんだか異世界を走っているようで、それはそれで貴重な体験というか面白い。亀岡や丹波地方だと霧のイメージはあるが、加東市や西脇市も霧はよくあることなのだろうか。
霧の道を抜けてきた頃には、目的地まで快走路がずっと続く。早朝の涼しい時間帯に走っていると、夏だということを忘れるぐらい快適だし、バイクに乗っていて楽しい。目的地に早く到着したいという気持ちもあるが、こんな快走路なら永遠に走っていたいといとも思う。
砥峰高原へ到着
砥峰高原へ登る道は、民家が並ぶところからで看板が出ている。そこを入っていくと、どんどん標高を上げる山道を気持ちよく走ることができる。緩やかなワインディングから、タイトなヘアピンカーブまで、幾つカーブがあるんだ?というぐらいにたっぷりとカーブを堪能できて楽しい道だ。途中から1車線になり、路面も悪くなってくるので注意して走らないといけないが、また走ってみたいと思わせてくれる道だった。(ちなみに、2回目にマスツーで行った時は、目の前を猿の群れが横切ってびっくりしたことがあったので、交通量は少ないが動物の飛び出しにはご注意を。)
タイトなヘアピンをいくつもクリアすると目の前に、草原が現れる。砥峰高原に到着だ。道が別れているところがあるが、とにかく真っ直ぐ進むと、とのみね自然交流館の前に出る。バイクを停めて最高の景色を堪能できる場所だ。
パノラマとまではいかないが、だだっ広い草原がずっと奥の山まで続いており、映画などのロケ地記念の看板が立てられている。夏に行くと一面緑だが、秋は黄金色に輝くススキの大草原が想像できる。こんなところに、こんなにも広大な高原があったなんて、兵庫県もまだまだ奥が深い。
到着したのは、7時半前で気温は正確にはわからないが、携帯で確認したところ22℃。おそらく下の街だとすでに30℃近くになっていることを考えると、かなり快適に過ごせる。寒い!とまではいかないが、涼しく休憩することができるのでボンヤリと長居してしまいそうだが、あまり時間をとってしまうと帰りが暑くなるのでほどほどに。
朝ごはん?昼ごはん?とりあえず食べに行く
さて、一通り高原を満喫し、十分に涼んだら腹が減ってきた。下山するルートは、登りとは別のルートで降りていく。
近くに峰山高原があるのでそちらのルートから下山する。こっちのルートもまた、下りなのにタイトなワインディングが続くので、下りが好きな人はあまりいないだろうが、安全運転で十二分にカーブを堪能して欲しい。
今回向かうのは、「道の駅 銀の馬車道・神河」の中にある、大黒茶屋さん。そこで唐揚げの食べ放題があるらしいので、朝ごはん抜きで出かけて準備万端で臨むことにした。しかも朝の9時からやっているのでありがたい。早朝ツーリングの強い味方だ。
お店に入ると、平日の朝9時ということもあってか、お客さんは僕一人だけ。朝の仕込みなどで忙しそうにしている店員さんには申し訳ないが、唐揚げ食べ放題1,380円を注文した。
どんな感じで食べ放題なのかな?と思っていると、まずは普通に唐揚げが盛られて、味噌汁やご飯などと一緒に定食のように提供される。そして追加で食べたかったら、カウンターまでお皿を持って行き、唐揚げを好きなだけ追加注文するシステムだ。白ごはんもおかわり自由だが、ここで白ごはんを食べ過ぎてしまうと肝心な唐揚げが食べれなくなってしまうので要注意だ。
一皿目の唐揚げもそこそこボリュームがあり、定食として考えると多いが、1,380円と考えると高い。だからおかわり必須になるので、ある程度食べれる自信がある人でないとチャレンジしない方が良いだろう。
唐揚げは但馬鶏を使っており、塩味が効いた美味しい唐揚げだった。ゆず山椒?ゆず胡椒?が添えられており、それがピリッとメリハリを付けてくれるのでどんどん箸が進む。別で、タルタルソースやポン酢なども頼めるので味変したい方は色んな味で楽しめるようにもなっている。個人的には、そのまま食べるのが一番美味しいと思った。
1皿目を食べ終えて、2皿目にチャレンジ。だんだん満腹に近づいてくるが、最初に提供された白菜の漬物と冷奴が、唐揚げの脂っこさを良い具合に中和してくれたのでなんとか完食できた。
が、しかし、しばらく唐揚げはいらんな・・・と思うぐらい食べた。
あとがき
結局帰ってきたのが、朝の11時ぐらいなのでその頃にはもう暑い。自宅に近づくにつれて信号と交通量が増えるので、汗だくで帰宅することになった。それでも、早朝に走り出すと、行きは涼しく走れて暑いのは帰るだけなので、まだ我慢できる。これが往復暑いとなると、それこそ命の危険を感じるから夏は早朝ツーリングに限る。
標高が上がるだけで、こんなにも気温差があり、涼しく快適に走れるならもっと高いところへも行ってみたい。やはり夏はビーナスラインをいつか走ってみたいと思う。