映画「トップガン」で一躍有名に〜Kawasaki GPZ900Rの魅力

映画「トップガン」、自作「トップガン・マーヴェリック」でトム・クルーズが演じる主人公の愛車として登場したバイクが、Kawaski GPZ900R。この映画をきっかけとして世界で大人気となったバイクだ。

そのカッコよさに憧れ、大型二輪免許取得(当時は限定解除といってましたが)した方も多いのでは?

まさしく筆者もその1人である。

今回はそのKawasaki GPZ900Rの魅力について、ぶっちゃけ今でも通用するのか、現在、市販車最速のバイク 同じくKawasakiのNinja H2 CARBON(トップガン・マーヴェリックで登場)と比較しながらお伝えしたい。

筆者紹介:ichiro。バイクをこよなく愛するフリーライターとして活動。大型二輪免許所持。

目次

GPZ900Rは、その独特なスタイルが見るものを魅了する

1984年に発売されてから約40年経つのに未だ人気が衰えない独特のフォルム、正にスターウォーズのダースベイダーの頭部を連想させる唯一無二のフロント形状。

当時としては驚く空力数値CD値0.33を出しながら、両側をくり抜きエンジンを見せることで更に特質性をアピール。

ウィキペディア(Wikipedia)より Tadashi Ikeda – This Bike PhotoGraph and Bike is Mine, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5041332による

街中でもドロドロとした独特なエンジン音で注目度は抜群だ。

他にもリッターバイクで優れたバイクはたくさんあるが、流石にベストセラーと呼ばれるバイクだけあって、他のバイクと並べると存在感はピカイチ。

私が「GPZ900R」を購入した時も正に一目ぼれで、即決購入だった。

実は、本当はSUZUKIのKATANAを見に行ったのだが、たまたま、まだ値段がついてない「GPZ900R」がバイク屋さんの中央に置かれており、今まさに新しいオーナーを待っているかのようで、気づけば自分が「GPZ900R」にまたがって、街中を駆け巡るイメージが鮮明に脳裏に焼き付いて離れなかったのを覚えている。

一方、Ninja H2 CARBONは最近のバイクらしく洗練されたフォルムで見るからに速く、近づき難いようなKawasakiの最新テクノロジーが集約されたバイクだ。このバイクも映画「トップガン・マーヴェリック」でトム・クルーズが乗っていたのだが、なぜか冒頭はGPZ 900Rで、途中からNinja H2 CARBONに乗り換えていた。

エンジン音は軽やかでシャープな感じ。

Kawasaki公式サイトより https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/ninjah2carbon/

40年も前のバイク「GPZ900R」のエンジン性能は現在でも通用するのか

Kawasaki GPZ900Rは40年も前のバイクだが、発売当時は世界最速で、900CCでありながら最高速度は250㎞/hを叩きだし、ゼロヨン10.976秒。

さすがに最新のリッターバイクと比べると物足りなさは否めないが、後半5000回転辺りからの怒涛の吹け上りは流石、過去最速と思わせる気持ちのよいフィーリングだ。

個人的な体感で言うと、加速感はスロットルを回せばその分だけエンジン音が唸り声を上げ、猛ダッシュするイメージで、その加速感は癖になる。

街中ではちょっと回せないかな、、、というレベル。

比べて、Ninja H2 CARBONはやはり市販車最速の称号通り、街中では残念ながら本来の力の10分の1すら出し切れない。

サーキットでさえ、スロットル全開を躊躇させられそうな、正にワープ、瞬間移動しているような感じで、脳みそが速さについていかない。

なんたって、スーパーチャージャーが凄すぎる。

映画『マッドマックス』で登場したメルギブソンが乗るフルチューンのインターセプターの加速感を彷彿とさせる、鬼加速がNinja H2 CARBONにはある。

そして、なんとNinja H2 CARBONの最高出力は231ps!

これを本気で楽しみたいなら免許証がいくつあっても足りないだろう。

因みに「GPZ900R」の最高出力は115PS。

それぞれの車両重量はGPZ900Rが228 kg、Ninja H2 CARBONが238kgで、重さはほぼ同等なのに馬力は倍の差、これだけ見てもNinja H2 CARBONの加速性能の高さは尋常ではない事がお分かりいただけると思う。

スーパースポーツ、という言葉はこのバイクのためにあるのではないか、とさえ思ってしまう。

性能で比べるならBMWのS1000RRやドゥカティのパニガーレあたりがライバルになるのだろうか。

古さは否めない設計の「GPZ900R」車体は街中、峠、高速道路での走りは?

GPZ900Rは40年も前のバイクとは思えないほど良く曲がり、街中での走行だと普通の乗用車を軽々と引き離すぐらいの加速力を持ち合わせている。

ただ、峠を走ると、やはり古さが出てくるのか、パワー不足と車体のよじれが顔を出し始める。

攻めるバイク、というよりは雰囲気を味わいながら楽しむといった感じだろうか。

ただ、発売当時は他の空冷リッターバイクと比べ、良く曲がるバイクとしての評価が高く、数々のバイク雑誌に引っ張りだった。

高速道路では全開の楽しみは出せるが、あまり調子に乗ると900ccと言えども200キロオーバーは容易いので気を付けたいところだ。

Ninja H2 CARBONの方は前述したように、231PSもパワーがあるので街中では抑え気味な運転をするしかない。

逆に、峠や高速道路ではこのバイクの真価をほんの少しだけ発揮できる場合があるかもしれないが、うまく馬力をコントロールしないとあっという間にコーナーか前方車が迫ってくるので注意が必要だ。

欲を言えば本格的なサーキットで全開を楽しみたいバイクかもしれない。

ちなみに、Ninja H2 CARBONより更にレーシーな上位モデルのNinja H2 Rは時速400キロを叩きだしたそうな。

GPZ900R 実際に買うとしたら一体いくら?

今現状、「GPZ900R」は絶版になっている(復刻盤は発売されるかも、という噂はあるが)ので中古で探すしかない。

しかも、そのほとんどがプレミアム価格となっており、程度の良し悪しで100万円~300万円、と一部のマニア限定のような状態になっている。

一方、Ninja H2 CARBONは新車で363万円だが、2021年モデルが最終で、中古で探すと700万円、800万円らしく驚きでしかない。

燃費ついてはGPZ900Rは通常走行でリッター12,13キロ位、Ninja H2 CARBONはリッター14~19キロくらい。

現在市販されているリッターバイクの燃費の平均はリッター14~18キロぐらいだから、GPZ900Rは少し燃費が悪い感じだ。

古いけど魅力が詰まったバイク

Kawasaki「GPZ900R」を最新、最速のNinja H2 CARBONと比べて見てきたが、恐らく実際の数値だけで判断したら、「GPZ900R」の完敗だと思う。

当たり前、と言ってしまえば返す言葉もない。40年の月日は意外と長い。

私自身も、南アフリカ仕様のライムグリーンのGPZ900Rを所有し、まさに映画「トップガン」でトム・クルーズが滑走路を加速している、あの感じを味わったことがある。映画「トップガン」のワンシーンのようにタンデムで女の子でも乗せたら、それはもう最高だ。

最新の性能は備えていないが、私にとってGPZ900Rは、ドロドロとした重低音サウンドのエンジンや、走行中の充実感、満足感がここで書き尽くせないほどある。古いけど魅力が詰まったバイクなのだ。

アメリカン、モトクロス、ネイキッド、レーサーレプリカ、ツアラーなど世の中には様々あるが、何が最高なのか?どのバイクが優れているのか?は、本人がそのバイクに何を求めるかによるのだと思う。

性能的な速さを求めるのであれば、Ninja H2 CARBONやSUZUKIのHAYABUSAあたりだろうか。
過去の映画にはなるが、チャーリー・シーンが主演した『キング・オブ・ハーレー』で登場した、カスタムしたハーレーダビッドソンも雰囲気を味わうバイクとしては最高かもしれない。(服装から髪型まで本人は成り切っていてすごい存在感だった)

乗ってみた自分をイメージし、街中を走るイメージし、カッコいいと思うから、人はそのバイクを欲しがるのだと思う。

私は、映画「トップガン・マーベリック」を観て、20年以上前に手放してしまったGPZ900Rの記憶が鮮明に蘇り、もう一度手に入れたいと心底思った。

今はもうバイクは所有していないが、バイク屋でGPZ900Rが置かれていたら、昔と同じようにまた即決してしまうかもしれない。

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