前日、存分にバイクで走ったのにも関わらず朝起きて窓から青空が見えるとムズムズしてくる。天気予報では曇りのはずだったのに晴れているとバイクで走り出したくなってしまう。
バイク沼にハマる、あえてここでは「バイクに沼る」と表現するが、見事に僕はバイクに沼っている。
バイクは、移動手段や仕事の道具(郵便配達など)という役目ももちろんあるが、多くのライダーにとってバイクは移動手段ではなく、乗ることやイジること自体を楽しむ趣味としての役割が大きいと思う。当然僕も趣味で乗っていて、ここまで沼った趣味は久しぶりだ。
とにかく金がかかるけど
以前乗っていたのは、CB400SF NC31 VersionSで、もちろん中古で購入した。業者オークションで安く仕入れたのはいいが、乗り出すまでに追加で50,000円ほどかかった。乗っている時も、エンジンオイルの交換、オイルフィルターの交換、ブレーキパッドとローターの交換、ビキニカウルなどなど何かと出費が嵩む。
今はCBR954RRに乗っているのだが、もちろんエンジンオイルの交換は随時必要だし、そろそろタイヤ交換もしないといけない。また、最近クーラント漏れが発覚したのでこれも修理する必要がある。加えてメンテナンスの工具などもちょこちょこ増えていくので、頭が痛くなる。また工具が高いのだ。ネットで安く買うこともできるが所詮は安物なので使いもにならなかったりすることが多いから困る。
オイル交換は1リットル2,000円ほどのオイルを使っていて、CB400SFもCBR954RRも1回につき約3.5リットルほど必要なので、毎回7,000円は飛んでいく計算になる。3000キロを目安に交換しているが、3000キロなんてあっという間に走ってしまうから辛い。
ただ、バイクは購入時にまとまったお金がかかるけど、ランニングコストは以前僕が沼っていたゴルフに比べると安いと思っている。1週間に何度も練習場に行き、月に何度もラウンドをし、その度に何個かボールは無くなるし、ウェアも必要だし、グローブも消耗品、クラブだって年に何度か新しいものを買うのだ。
昔からゴルフは金持ちのスポーツだと言われてきたが、大筋は間違っていないと思う。今でこそ、一般庶民でもできる遊びになってきたが、それでも真剣にやり始めるとお小遣い制のサラリーマンだと沼るには少し厳しいものがあるだろう。
なので、バイクはゴルフに比べるとまだマシなのではないか?と考えるようにして自分を落ち着かせている。ツーリングに行けば、毎回ガソリン代はかかるけど、ゴルフに行ってもガソリン代はかかる。ツーリング先でランチを食べたとしても、ゴルフ場のランチより大抵は安い。毎回のツーリングで使うお金なんてゴルフに比べると安いもんだ。
もちろん、カスタム好きの人なら話はまた違ってくるが、幸いなことに僕はカスタムにほぼ興味がないので、今のところは大丈夫だ。
(追記:2024年2月26日)
クーラント漏れを修理に出していたのだが、僕のCBR954RRは2003年モデルなので旧車と言ってもおかしくない年式だ。ラジエターのロアホースがどうやら原因らしく交換する必要がある旨の連絡をもらったが、新品の純正部品が無い。社外品も探したが、4万とか5万とかの値段でちょっと躊躇してしまう。そこで知り合いのバイク屋は、車の部品を代用してワンオフでホースを制作してくれたのだ。ラジエターキャップも少し劣化していので念のために交換し、工賃含めて22,000円。これを安いと思うか高いと思うかは人それぞれだが、僕にとっては安かった。
これから暖かくなる季節に向けて少しは安心してバイクに乗れると思うと決して高くはない金額だと思う。
仕事を後回しにしてしまう
冒頭でも触れたが、天気が良いとついつい走りたくなってしまう。やらないといけない仕事があったとしても、とりあえずバイクで走って、帰ってからすればいいか・・・と思ってしまうんだから、非常に厄介な趣味だ。
走り出す前までは「帰ったら仕事片付けるぞ!」と意気込んでいるのだが、バイクに跨った瞬間にそんなことは忘れてしまい、帰ってきたら疲れているので大抵は仕事ができない。出来たとしても予定の半分程度がいいところだ。
さらに僕の場合、モトブログもやっているのでツーリングに出かけると撮影することが多い。そうすると帰宅してからデータをPCに取り込み、編集作業をしてしまう。モトブログは弱小チャンネルなので収益はゼロだから全く仕事にはなっていないからもはや趣味だが、編集している方が楽しいのでさらに仕事を後回しにしてしまうのだ。
今できることを後回しにするのは仕事ができない人、とは思っているのだが、それは完全に僕に当てはまる。一応、言い訳はしておくが後回しにしても期日などは守るし、しっかり仕事はこなしているつもりではある。ただ、後回しにした皺寄せがどこかに来るのでその時はバイクに乗るぞ!と気楽なことは言ってられないから、その時ばかりはきちんと仕事をする。本心ではバイクに乗りたくて仕方ないのだが・・・
他人をも沼らせる
僕がバイクに沼る前に、もともとバイクに乗っていた知り合いが二人いる。今では定期的に仲良くツーリングに出かけるツーリング仲間だ。
そして僕がバイクを買い、バイクに沼ってから(僕がきっかけではないかもしれないが)バイク沼に片足を突っ込んでいる知人が4人増えた。全員、行きつけの店での共通の知り合いなのだが、バイク乗りが酒の場で集まるとどうしてもバイクの話で盛り上がってしまう。そんな話を横で聞いているからか、もともと中免を持っていた友人はバイクを買ったし、免許が無いので大型免許まで取得したオジサンが二人、そして今まさに教習所に通っていて春には中型免許取得予定のバイク女子が一人いるのだ。
そしてこの4人とは別に、来月にはレンタルバイクでツーリングに参加するオジサンリターンライダーが誕生しようとしている。
おそらくだが、僕たちオジサンが少年のように目を輝かせながらバイク談義を楽しそうにしているのを見て、「あ、ちょっと楽しそうだな・・・」と感じてくれたのかもしれない。
誰でも好きなことについて語っている時は楽しいものだ。周りの目など気にせずいつも熱く、「強化クラッチ入れようか・・・」とか、「カーブで侵入する時はフロント荷重が・・・」とか、「FCRキャブは・・・」など、バイクに乗らない人からしたら暗号に近いような会話を全員がキラキラした目で語り合っている。さらに酒の場でなくても、今ではLINEグループでも毎日のようにバイク談義が繰り広げられている。
考えてみれば、こうやって同じ共通の趣味を年齢性別関係なく楽しめる仲間がいるのは幸せなことだと思う。バイクに沼るのも悪くない。
最後に〜バイク沼というより、バイク版アリ地獄
いつか将来、何年後かにバイク沼から抜け出す日が来るのだろうか。今はそんな日が来ることは想像できないが、絶対に来ないとは言い切れない。ゴルフに沼った時も一生ゴルフをしているんだと思っていた。(いや、今でもやめた訳じゃないが)
もし突然バイク沼から抜ける時が来るとしたら、事故か病気で乗ることができなくなった時だと思っている。それだと乗りたくても乗れないからだが、乗れなくなったら余計にバイクへの想いが溢れ出る可能性もある。そうなってしまったら地獄だ。それだけは避けたいから安全運転と健康には気をつけようと思っている。
バイクに沼ってからまだ1年も経っていないが、日を追うごとにバイク沼の底の方へとどんどん沼っていっている気がする。もはやバイク沼というより「バイク版アリ地獄」と行った方がいいだろうか。バイクを知れば知るほど、走れば走るほど楽しさが増し、どんどん引き込まれていくのだ。色んなバイクに関する情報を集め、色んな道をバイクで走り、バイクと共に生活をしているとより一層深いところへと入っていってる気がする。
バイクに関しては、まだまだやりたいことが沢山あるから当分、バイク版アリ地獄からは抜け出せそうにもない。
もし「抜けだしたいのか?」と問われると、即答で「抜ける気はない」と答えるだろう。むしろもっと奥の方へ自ら進んでいく覚悟でいる。それが楽しいのだ。